衆院及び参院の本会議で「ウクライナ決議」を採択 ロシア名指し非難は避ける

ウクライナ機器_バイデンvsプーチン 国際

ウクライナ情勢改善へ決議 「力による現状変更認めず」

衆議院は2月8日の本会議で、緊迫するウクライナ情勢の改善を求める決議を、自民・公明両党、立憲民主党、日本維新の会、国民民主党、共産党などの賛成多数で採択した。

ロシアを名指しで批判することは避けつつ、「いかなる国であろうとも、力による現状変更は断じて容認できない」と強調。関係国に対し、外交努力を通じた地域の安定回復を求めている。

林芳正外相は採択後、本会議で「国際社会と連携し、適切に対応する」と述べた。

ウクライナを巡る憂慮すべき状況の改善を求める決議案 (第208回国会、決議第二号)

ウクライナは、EUとロシアの間に位置することから、地政学上、地域の安定を実現する上で重要な役割を担っている。我が国は、ウクライナの主権と領土の一体性を一貫して支持している。そして、同国の民主化・自由化を推進し、地域の平和と安定に寄与するために、G7をはじめとする国際社会と協調しつつ、同国に対する支援を行ってきている。

そのような中で、昨年後半以降、ウクライナ国境付近の情勢は国外勢力の動向によって不安定化しており、緊迫した状況が継続している。

本院は、こうした状況を深く憂慮し、自国と地域の安定を望むウクライナ国民と常に共にあることを表明する。いかなる国であろうとも、力による現状変更は断じて容認できない。そのため、関係する国々に対し、外交努力を通じ、地域の安定が早期に回復するよう求める。

政府においては、本院の意を体し、国際社会とも連携し、あらゆる外交資源を駆使して、ウクライナの緊張状態の緩和と速やかな平和の実現に全力を尽くすことを強く要請する。

右決議する。

参院でも決議を可決「深く憂慮」

参院は9日午前の本会議で、緊迫するウクライナ情勢を「深く憂慮」するとした決議を自民、公明、立憲民主、日本維新の会、国民民主、共産各党などの賛成多数で可決した。関係諸国と日本政府に状況改善に向けた外交努力を求めている。

文面は、昨日衆議院で可決した内容とほぼ同じ。3段落目の文章に「平和と」が加わった。

(3段落目)
本院は、こうした状況を深く憂慮し、自国と地域の平和と安定を望むウクライナ国民と常に共にあることを表明する。いかなる国であろうとも、力による現状変更は断じて容認できない。そのため、関係する国々に対し、外交努力を通じ、地域の安定が早期に回復するよう求める。