自民党幹事長に甘利氏 過去に「政治とカネ」 捜査を握り潰したのは黒川氏
自民幹事長に甘利氏 過去に「政治とカネ」 岸田氏判断に厳しい声も(毎日新聞 2021/9/30 19:52 最終更新 9/30 19:52)
自民党の岸田文雄総裁が、党役員人事で幹事長への起用を決めたのは甘利明税制調査会長(72)だった。二階俊博氏(82)の後任になる幹事長は党の権力を握るとも言われる重要ポスト。甘利氏は2016年に「政治とカネ」の問題で第2次安倍政権の経済再生担当相を辞任した経緯などもあり、起用を疑問視する見方も出ている。
甘利氏を巡っては、都市再生機構(UR)との補償交渉を巡り建設会社から口利きを頼まれた当時の秘書が現金500万円を受領し、甘利氏本人も大臣室などで100万円を受け取ったとされる。甘利氏と秘書はあっせん利得処罰法違反と政治資金規正法違反の疑いで刑事告発されたが、東京地検は容疑不十分で不起訴とした。
⇒⇒ 当時、法務省官房長で、2020年に賭け麻雀問題で東京高検検事長を辞任した黒川弘務氏が捜査を握り潰すべく動いたと言われている。
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甘利氏は閣僚辞任後、「睡眠障害」を理由に国会を欠席。不起訴後に復帰して弁護士による独自の調査結果を発表し、「捜査機関と異なる結論を導く事実は見当たらなかった」と述べていた。
告発したグループのメンバーである神戸学院大の上脇博之教授は「調査と言いながら資料を示すこともなく、責任から逃れるためのお手盛りに近いものだった」と振り返る。
安倍晋三前首相の「桜を見る会」を巡る問題などになぞらえて「説明しない甘利氏を幹事長に据えることは説明責任を果たしてこなかった安倍氏の政治と通じる。このような人事を見ると、岸田氏は『民主主義が危機にある』と言いながら、その発言と行動が食い違っているように映る」と厳しい目を向ける。
政界に詳しいジャーナリストの鈴木哲夫さんは「総裁選は本来、自民党のトップであるキングを選ぶはずなのに、今回はキングメーカーが誰なのかを誇示するような選挙だった」と指摘する。その上で「岸田氏を勝たせたのは安倍前首相、麻生太郎財務相、甘利氏のいわゆる『3A』。盟友とされる3Aの一人が幹事長という党最大の権力者に就くのは、安倍氏や麻生氏の影響力が残ることが明確に分かる人事だ」と述べた。
岸田総裁が党改革に意欲を見せている点について、鈴木さんは「今後の人事で安倍氏らに気を使わずに個性を出せるのかが最大のポイント。
『ノーサイド』と言えば聞こえは良いが、言い換えれば『改革せずに仲良くやりましょう』とも取れる。主要人事で安倍氏や麻生氏に近い議員を登用するのであれば、国民は第2次安倍政権から続く権力構造は変わらないと捉えるだろう」と分析した。
甘利幹事長 「金銭授受問題」は説明の必要ない、「河井案里陣営に 1億5000万円」は再調査しない
甘利氏、現金授受で招致応じず 1億5千万円の再調査も否定(共同通信 2021/10/3 16:19 JST)
自民党の甘利明幹事長は3日のNHK番組で、2016年に経済再生担当相辞任につながった現金授受問題を巡り、自らが国会で説明する必要性を否定した。野党が求める国会招致に関し「趣旨に合わない」と述べ、応じない姿勢を示した。参院選広島選挙区の買収事件を巡る河井案里氏陣営への1億5千万円投入については「再調査する考えはない」と明言した。
現金授受問題では、捜査機関が不起訴の判断を下し、自身も記者会見や書面で質問に回答を尽くしたと強調。「説明責任は果たした。この種の疑惑を持たれる事態が二度と起きないよう、事務所の態勢もきちんとしている」と説明した。
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