次期衆院選の前哨戦となる衆院北海道2区と参院長野選挙区の補欠選挙、参院広島選挙区再選挙が4月25日に投開票され、自民党は全敗を喫した。立憲民主党など野党は4党共闘で臨み3勝した。
菅政権発足後、初の国政選挙で菅義偉首相に打撃となった。衆院議員任期満了が10月に迫る中、首相の衆院解散戦略に影響を与えるのは必至。与党内で早期解散への慎重論と、首相の下での衆院選に懸念の声が出そうだ。 (2021.4.25 22:43)
参院広島選挙区再選挙 野党系諸派新人の宮口治子氏、初当選
今回の再選挙は、一昨年の参議院選挙をめぐって公職選挙法違反の罪で有罪が確定した河井案里氏の当選無効に伴って行われ、「政治とカネ」の問題が最大の争点になった。
立憲民主党、国民民主党、社民党が推薦し、共産党が支援した宮口治子氏が、自民党の西田英範氏らを抑え、初めての当選を果たした。
宮口氏は、広島県福山市出身の45歳。地元ラジオ局でパーソナリティーを務め、現在はフリーアナウンサーとして活動している。
当確を受けた宮内さんの言葉
まず感謝の言葉を述べ、「小さな声をしっかりと聴いていきたい。最初からの、ぶれないこの気持ちを忘れずに、これからも皆さまのお役に立てるよう、しっかりと頑張ってまいりたい。政治家として遠いところに行くのではなく、いつもの変わらない『はるちゃん』のままで頑張っていきたい」と決意を語った。
岸田文雄前政調会長、ポスト菅の芽、消える
広島県連会長の岸田文雄前政調会長が前面に立ち選挙戦を展開したが及ばなかった。次期総裁選出馬に意欲を見せる岸田氏にとって、地元で自民が維持してきた議席を失うことは党内での求心力低下につながる。
参院長野選挙区補選 立憲民主党新人の羽田次郎氏、初当選
羽田雄一郎・元国土交通大臣が新型コロナウイルスに感染して亡くなったことに伴う参議院長野選挙区の補欠選挙は、与野党対決の構図となり、故羽田氏の弟、次郎氏が共産党、国民民主党、社民党の推薦を得、自民党の新人で、公明党の推薦を受けた小松裕氏を抑えて初当選を果たした。
羽田氏は、「兄が残した4年あまりの任期を受け継ぐことが決まった。新型コロナウイルスの影響でどうやって生活しようかと心を悩ませている方が多くいるので、1日も早くコロナを収束させなければならない。経済を1日も早く再生させ、この国難を乗り越えるために政府と国会は一丸となって取り組まなければならない。また、子どもたちの目線で政策を立案し何よりも平和な国を残していくという兄の思いを実現していく」と話した。
衆院北海道2区補選 立憲民主党の松木謙公氏、5回目の当選
吉川貴盛元農林水産大臣の議員辞職に伴う補欠選挙で自民党が候補者擁立を見送る中、立憲民主党の元議員、松木謙公氏は、立憲民主党、共産党、国民民主党、社民党の統一候補として選挙戦を展開し、5回目の当選を果たした。
松木氏は、選挙戦を通じて、「これまでの政治が『しあわせの土台』を壊してしまった。公的サービスを痛め続けた結果、コロナ禍で命を守るためのインフラが機能しなくなった。だから今、皆さんと一緒に立て直したい。お互いに支え合う余裕が持てる、公助が当たり前に機能する社会にしたい」などと訴えた。
当確の報告を受けて、「幅広く応援を頂いた。国民のために北海道のために、北海道2区に住むみなさんのために、生活が1ミリでも向上するように頑張りたい」と述べた。
松木氏は、平成15年の衆議院選挙で初当選して以降、民主党政権では農林水産政務官などを務めた。
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