【物議】石川県が“万博予算”1000万円計上 被災者から怒りも「なぜこっちのことを思ってくれないのか」(FNNプライムオンライン めざまし8 2024年2月21日 水曜 午後1:00)
能登半島地震で甚大な被害を受けた石川県。
15日に石川県が発表した来年度の当初予算案は、地震対応もあり、初めて1兆円を超えました。
災害の復旧・復興に重点が置かれていますが、その中に「大阪万博の関連事業」として1000万円が計上されていたことが分かりました。
復興優先のため、大阪・関西万博の中止や延期を求める声も上がる中、予算案を発表した会見で「関西万博はやってもらいたいと考えているのか?」という問いに対して、馳浩知事はこのように述べました。
石川県 馳浩知事:
私は関西万博はやるべきだと、終始一貫して思っております。
大阪万博の旗振り役である、日本維新の会の顧問を務めている馳浩知事ですが、会見では政策的な意志決定には参加していないと強調。
――日本維新の会にかなり気を使っているという声もあるが?
石川県 馳浩知事:
馬場代表、松井さん、吉村知事、また橋下さんと“古い友人”でもございます。私は意思決定に参加しない顧問という立場でありますので、ご理解いただければとおもいます。
そんな馳浩知事は、2月2日の「BSフジLINE プライムニュース」でも、万博開催には「賛成」の立場を示していました。
石川県 馳浩知事:
大阪万博、ぜひやっていただきたいと思っております。それも、身の丈に合った形でやっていただきたいと思いますし、万博というのは世界に我が国の技術力をオープンにする大事な場でもありますし、今後の我が国の経済成長にも必要です。
被災者からは“怒り”…理解の声も
いまだ、生活再建が道半ばの被災地。20日も、2次避難者を受け入れている加賀市の旅館には、自宅に戻れない被災者の姿がありました。
1月11日に、輪島市の孤立地域から避難してきたという女性は、大阪万博関連に予算が計上されている事について、こう話します
輪島市から避難してきた女性:
家が寝られない方でも、「小屋で寝るから帰りたい」みんなそういう気持ちでいらっしゃるから。でも行けない、帰れない。万博も大事かも分かりませんけども、もっと後に延ばせることでしょう?
「めざまし8」が過去2回にわたって取材した、地震発生直後から農業用ハウスに避難している輪島市の保靖夫さんは、こう口にします。
農業ハウスに避難している保 靖夫さん:
前来ていただいた時と変わらない状況ですわ。まだ水道は全然ですね。
上の決めることやからなんとも言えないんですけども、極端に言えば悲しいですよね。なぜ、こっちのことを思ってくれないのかなという感じで。半分は怒りでもあるね。
一方で、理解を示す声も。
輪島市から避難してきた人:
地震に100%予算を組むことはできないでしょうから、県政とか運営とかを考えてなさっているのかなと思うより、考えようがありませんね。
国際交流プログラム費用
大阪万博のために計上された1000万円の予算。石川県の担当者によると、これは万博を見据えた国際交流プログラムの費用で、2001年度から友好交流協定を結んでいる、韓国の都市と交流を行うため石川県の文化団体を派遣するものだといいます。
MC谷原章介:
思うのはやはり、このタイミングか?そして説明の方法、言葉の内容ですよね。
今、本当にまだ苦しんでいる方がいらっしゃって、その方たちが怒っているのは1000万という金額ではなくて、なぜ今まだ苦しいのに、私たちに気持ちをもっと寄り添ってくれないのかということだと思うですけども。
フジテレビ解説委員 風間晋氏:
全くその通りだと思うのですが、1000万円は予算規模から考えたら、たいした金額ではないです。でも、それでもやはり今まだ苦しんでいる人たちがいっぱいいるわけだし、緊急事態ですよ、県全体として。そこに集中してくれない、一緒に取り組んでくれないという(思い)、そこが一番大きいのだろうなと。
金子恵美氏:
全体予算でみれば、確かにわずかであると。今回被害の大きかった能登半島以外の石川県全体を見たときに、一定効果があると判断したのかもしれないですが、「説明」のところだと思っていて。毎年交流してきたプログラムだからということだけでは、なかなか今年もどうしても拠出するというふうにはなっていない、説明不足であると私も思うんです。
(「めざまし8」2月21日放送より)