【期待できない世襲政治家ランキング】 3位小渕優子、2位小泉進次郎をぶっちぎった1位に納得の声「まさに悪政」「増税ばっかり」「岸田政権に殺される」

(左から)小泉進次郎元環境相、岸田文雄首相、小渕優子議員 政治・経済

【期待できない世襲政治家ランキング】 3位小渕優子、2位小泉進次郎をぶっちぎった1位に納得の声「まさに悪政」「増税ばっかり」「岸田政権に殺される」(週刊女性2023年10月17日・10月24日号 2023/10/9)

岸田文雄首相が9月13日に行った内閣改造で、入閣した世襲政治家は岸田首相を含む8人。新内閣の実に4割が世襲議員となった。政界には親族の後を継いだ2世、3世の政治家がゴロゴロ……。親族の威を借りる、彼ら、彼女たちに私たち国民の代表たる大役が務まるのか。

週刊女性は9月25日~26日にかけて全国の20~70歳の女性3000人にネットアンケートを実施。編集部で、71歳以下の現役の世襲国会議員34名を挙げ『期待できない議員』を選んでもらった。また『期待できない議員はいない』とする選択肢と自由記述欄も設けた。そのうえで、選んだ理由について回答してもらった。有効回答数は2891票。女性たちの怒りの声が爆発した。

「口先だけな感じが好きになれない」

第10位は、こども政策担当相として初入閣した加藤鮎子議員。33票を獲得。父親は、自民党幹事長を歴任した加藤紘一氏だ。

《大臣になるほどの実績がない》(広島県・61歳)

政治ジャーナリストの角谷浩一氏はどう見るのか。

「当選回数も3回でまだまだですし、入閣の適齢期よりもかなり早いことから大抜擢といえます。一方で、入閣して力をつけた政治家も過去にはいる。加藤さんが閣僚としての役割に耐え、経験を積めるかがポイントですね」

第9位は、自民党の石破茂元地方創生相。42票を獲得した。父親は鳥取県知事や参議院議員だった石破二朗氏。

《テレビで話すのを聞いていると、口先だけな感じが好きになれない》(兵庫県・46歳)

とする声が。

「石破さんの弱点を挙げれば、イザというときにグイッと前に出るパワーが足りないこと。国民としては、もっと頑張ってほしいという期待もあるのではないでしょうか」(角谷氏、以下同)

にデカデカと家系図を載せ、血筋アピール

父親である岸信夫元防衛相の地盤を継いで今年4月に初当選した岸信千世議員が第8位。55票を獲得した。岸信介元首相が曽祖父で、伯父は安倍晋三元首相だ。

《親も伯父も、政治家として失格だった。この人は国政よりも岸家の名誉しか考えていない》(埼玉県・44歳)

《ホームページにデカデカと家系図を載せ、立派な血筋アピール。自分に何ができるのかの主張も実績もないお坊ちゃま》(大阪府・58歳)

当選したばかりだが、厳しい意見が並んでいる。

「経験や実績がないとする意見もありますが、ついこの間、当選したばかり。こうした声が多いのは、やはり伯父である安倍さんや父・信夫氏への批判なんでしょう」

と話して、今回のアンケート結果の印象を続ける。

「やはり大物世襲議員の注目度は高いですね。世襲議員はうんざりする反面、そうした“有名税”をありがたく思う複雑な気持ちなはず。何もせずともニュースに名前が載るわけですから。一方、アンケートからもわかるように国民の目は厳しい。県会議員から国会議員になった人は、こんなに厳しく言われません」

信千世氏が、どんな仕事をしてくれるのか注目したい。

第7位は、自民党の鈴木貴子議員。64票を獲得した。父親は、現職の国会議員として日本維新の会に所属する鈴木宗男氏という“異色な政治家親子”だ。

《自民党にいる理由がわからない。親を見ていると公私混同をして、税金を無駄につぎ込んでそう》(山形県・52歳)

《父親が地元で努力してきたから、親の七光りで当選できる》(高知県・63歳)

貴子氏に関しては、角谷さんも厳しい視線を向ける。

「貴子さんは、民主党から自民党へ行った人。民主党に地盤を作ってもらいながら、看板(知名度)とカバン(資金)は父親の宗男さん頼りという謎の政治家です。宗男さんが維新の会にいるのも娘をバックアップするためのようで、所属する維新の会の言うことは聞かない。親子で“個人的に政治をやっている”という印象ですね。お父さんがいなくなったときに、貴子さんの真価が問われるでしょう」

いつ、親離れができるのか。

第6位は、東京都知事などを歴任した石原慎太郎氏の三男・石原宏高議員。84票を獲得した。今年9月には、総理大臣補佐官に就任した。

《父親の印象が強すぎるため、ご本人は頼りなく見えてしまう》(東京都・61歳)

《“最後は金目でしょ”と被災者をバカにしたから》(香川県・42歳)

との声があったけど、「最後は金目でしょ」発言は兄・石原伸晃元衆議院議員の言葉だ。父や兄のイメージが強いよう。

同じく“家のブランド力”でランクインした世襲議員がいる。110票を獲得し、第4位となった鳩山二郎議員だ。父親は法務大臣などを歴任した鳩山邦夫氏で、伯父が鳩山由紀夫元首相だ。

《伯父が総理のときに失望したので。鳩山家にいいイメージがない》(千葉県・48歳)

《鳩山ブランドは信用できない》(北海道・42歳)

など、お家批判が殺到。

「石原慎太郎さんは大きい政治家すぎたことも関係していますね。カリスマ性はすごかったけど、裏を返せば敵もたくさんいるってこと。父親だけでなく選挙で落選した兄・伸晃氏の迷走ぶりも含めて、石原家への批判が強まったのでは。これは鳩山家も同じでしょう。二郎氏が政界で頭角を現しているかと聞かれると、まだまだ。ただ、回答の多くは2人がどんな人かは知らず、家柄だけで批判している。有名税の大変さがわかります」

「口先ばかりで責任を果たさない」

第5位は、デジタル大臣として入閣する河野太郎議員。93票を獲得した。父親は、自民党元総裁の河野洋平氏だ。

《デジタル庁がしっかり機能していないからマイナンバーカードは何年もたっているのに、問題がいまだに多発している》(宮城県・54歳)

《口先ばかりで責任を果たさない。担当行政の理解もなく、いい加減な放言ばかり。批判的な意見は拒絶し、痛いところを突かれるとすぐ感情的になる》(千葉県・32歳)

マイナンバーの個人情報が漏えいするなど、さまざまな問題が噴出。河野氏は謝罪することに。

「ワクチン問題のときもそうでしたが、トラブルが起こるとキチンと説明せずに逃げるという印象が国民にあるのだと思います」

一挙手一投足を国民は見ている。汚名返上できるか。

第3位ランクインは、党4役の選対委員長に抜擢された小渕優子議員。304票を獲得した。父親は、小渕恵三元首相だ。

《ドリルで政治資金の不正を証拠隠滅する人は信用できない》(千葉県・69歳)

《不正に対するあからさまな証拠隠滅。最低限のルールも守れず不正を働きそう》(大阪府・54歳)

’14年に発覚した政治資金規正法違反が尾を引いている。検察が押収した事務所パソコンのハードディスクがドリルで破壊されていた。これにより“ドリル優子”という呼び名がつけられた。

ただ、国民の評価と政界での評価は差があるという。

「僕は少し厳しい評価だなと思っています。9年前のことで、その間に2度選挙があったけど、彼女はトップ当選しています。さらに刑事裁判も終わっている。その間、小渕さんはポストを打診されても全部断り、党内で雑巾がけをしてきた。それを見てきた人たちが、小渕さんを評価した結果です。小渕さん=ドリルという短絡的な評価がされがちですが、小渕さんの知られざる9年間も知ってほしい」

国民からの視線は厳しいが、その評価を覆せるか。

レジ袋の有料化。3年たっても、その恨みは消えず

306票を獲得し、第2位に名前が挙げられた、小泉進次郎元環境相。父親は小泉純一郎元首相だ。

《メディアアピールばかりがうまくて、実態が伴っていない。レジ袋の有料化は、今でも納得できない。彼のパフォーマンスのための策に思えて不満だ》(愛知県・40歳)

《若手議員の中でも期待していたが、世間の感覚とズレがある》(大阪府・37歳)

’20年7月にスタートしたレジ袋の有料化。3年たっても、その恨みは消えない。

「大臣になってから、その薄っぺらさが露呈してしまった。純一郎氏の息子だから大丈夫と思ったし、注目が集まって期待したけど全然ダメじゃん、と。期待感の裏返しですね」

そして《期待できない議員》第1位に選ばれたのは、岸田文雄首相だ。父親は、元衆議院議員の岸田文武氏。

《まさに悪政。異次元の増税。国民は苦しいのに、海外へバラマキするも、他国からは相手にされない。岸田政権に殺される》(宮崎県・43歳)

《政策の成果を国民として実感できない。なぜ所得が下がっているのに、税金だけは上がるのか》(滋賀県・31歳)

《増税ばっかり。インボイス制度導入を反対する署名を受け取り拒否するとか、国民が本当に何を望んでいるか考えていない》(千葉県・37歳)

11位/橋本岳(18票)、12位/福田達夫(17票)、13位/土屋品子・自見英子(15票)、15位/中曽根康隆・鈴木俊一(14票)、17位/越智隆雄(11票)、18位/世耕弘成(10票)、19位/伊藤信太郎・西村康稔(9票)、21位/武部新・林芳正(8票)、23位/山口晋・平井卓也(7票)、25位/田村憲久・田野瀬太道・國場幸之助(6票)、28位/笹川博義・川崎秀人・宮下一郎(4票)、31位/尾身朝子(3票)、32位/高鳥修一・梶山弘志(2票)、34位/高村正大・逢沢一郎(1票)、「いない」(1207票)、有効回答数は2891票

’21年11月に首相に就任し、所得倍増を掲げたが、蓋を開ければ増税ばかり。

「麻生太郎副総裁が9月24日、福岡県で講演した際にこんなことを話しました。“岸田さんの誠実そうな、リベラルに見える顔が世の中に受けている”と話したうえで“(防衛費を)NATO並みにGDPの2%にします。安倍晋三が夢にまで見ていた数字、できなかった数字。これを岸田はスッと通した”と」

安倍さんの悲願を、実現させたということ?

「つまり“こうしたい!”と叫ぶ安倍さんよりも、フニャッとまとめる岸田さんのほうがワルってことを麻生さんは言っていると思うんです。穏やかそうだけど、したたかな戦略家というのを、国民に見抜かれるまでに時間がかかったということですね」

“聞く力”をひたすらアピールしてきた岸田首相は、こうした声に何を思うのか。

週刊女性は岸田首相にアンケート結果を記し、国民の声をどう受け止めたのかメールで問い合わせたが、期限までに回答はなかった。

その一方で《期待できない議員はいない》と回答した人は1207票だった。世襲議員たちは、この期待と信頼を維持できるか─。

角谷浩一
1961年神奈川県生まれ。政治ジャーナリスト。『東京タイムズ』『週刊ポスト』『SAPIO』記者・編集者、テレビ朝日報道局などを経て独立。各政党幹部との強いパイプがある一方、わかりやすい言葉で政治を語る