ロシアは中国の「資源植民地」になる…高まる中国への依存に政府関係者が懸念

習主席(左)は、プーチン大統領のロシアを影響下に置く狙いなのか=20日、モスクワ・クレムリン 国際

ロシアは中国の「資源植民地」になる…高まる中国への依存に政府関係者が懸念(BUSINESS INSIDER Mar. 27, 2023, 07:30 AM)

ロシアは「中国の資源植民地になる」と、ロシア政府に近い関係者がフィナンシャルタイムズに語った。

習近平国家主席のモスクワ訪問は、ロシア経済が厳しい制裁の中で中国に依存していることを示した。

だが、中国はガスパイプライン「パワーオブシベリア2」にゴーサインを出すことはしなかった。

ロシアが経済的に中国に依存するようになり、中国にとっての「資源の倉庫」になると、ロシア政府に近い情報筋はフィナンシャル・タイムズ(FT)に語った。

先日、中国の習近平国家主席はロシアのウラジーミル・プーチン大統領を訪問し、2022年にロシアがウクライナに侵攻して以来初めての首脳会談を行ったことで、この不平等なパートナーシップが明らかになった。

プーチン大統領が戦争を開始した後、ヨーロッパはロシアを世界の経済システムから排除し、エネルギー輸入を控えた。それによってロシアは石油やガスを中国やインドに輸出することを余儀なくされている。

実際、中国のロシア産エネルギーの購入量は2022年に813億ドル(約10兆6000億円)と前年比で54%も増加し、ロシアの収入の40%を占めた。さらに、FTが引用したデータによると、ロシアは2023年1月、270億立方メートルの天然ガスを中国に輸出し、中国に対する最大の供給者になった。

「これは我々が完全に中国の資源植民地になることを示唆している」と、その情報筋はFTに語った。

「我々のサーバーはファーウェイ(HUAWEI)になる。我々は中国への最大の供給者になる。彼らはパワーオブシベリアからガスを得る。2023年末までに、中国元が我々の主要取引通貨になるだろう」

ロシアは中国との経済的な連携をウクライナとの戦争に勝つための鍵と考えていると情報筋は語った。また、ロシアは中国との関係が欧米の制裁を乗り切るのに不可欠で、天然資源が中国の支援を得るのに役立と考えていると付け加えた。

だが、習主席とプーチン大統領の会談では、ロシアは最優先事項の達成に失敗した。それは、新しい天然ガスのパイプライン建設に関する最終合意だ。

ウクライナへの戦争の制裁に対する報復として、ヨーロッパとの関係を断絶してから、ロシアのエネルギー業界では多くの天然ガスを中国に売る動きが見られるため、「パワーオブシベリア2」はロシア経済にとって重要なものだ。

プーチン大統領は、その合意が「ほとんど最終段階にある」と述べ、両国の共同声明で、ロシアと中国はパイプライン建設の「検討と合意に関する作業を進める努力をする」と述べた。

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