青木理氏「憲法が禁じる検閲になる」総務省行政文書問題、礒崎元補佐官発言内容に言及(日刊スポーツ 2023年3月12日9時51分)
TBS系報道番組「サンデーモーニング」(日曜午前8時)は12日、放送法の「政治的公平」をめぐり問題になっている第2次安倍政権時に作成された総務省の行政文書に関するニュースを取り上げた。
文書には、当時の磯崎陽輔首相補佐官が「けしからん番組は取り締まるスタンスを示す必要がある」との発言をしたと記され、具体的な番組名として「サンデーモーニング」などが挙げられている。
司会の関口宏にコメントを求められたジャーナリストの青木理氏は「いちばんの肝は、礒崎氏が『けしからん番組は取り締まるスタンスを示す必要がある』という部分」とした上で「テレビにはいろんな番組があり、いろんな意見はあると思う。その中で修正したりということはあると思うが、時の政権幹部がテレビ番組、報道を取り締まる必要があるという発想は、憲法が禁じる検閲になる」と指摘。「時の政権幹部がこういうことを言うことが、我々の社会に何をもたらすかは、ちゃんと考えないといけない」と指摘した。
霞ケ関の官僚出身で、外務省トップの外務事務次官などを歴任した藪中三十二氏は「メディアの役割はフェアでないといけないが、政府の政策についてクリティカル(批判的)な見方をするのが、メディアの役割といわれる。そういうグローバルスタンダードからみても、ちょっといかがなものかと思う」と評した。
総務省は7日に、文書が同省の行政文書だと認めたが、当時の総務相で文書に名前が登場する高市早苗・経済安全保障担当相は、自身に関する記載について「捏造」という立場を崩していない。