AIのChatGPTに書かせた大学の論文は何点取れた?驚きの結果に(フロントロウ編集部 2023-02-11)
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イギリスの大学生が、最終学年のレポート課題をAIのChatGPTに書かせて提出。その結果は…?(フロントロウ編集部)
ChatGPTが書いた論文の質はどれほどなのか?
2022年11月にリリースされ、その性能の高さから瞬く間に認知度・利用者数が増加しているAIチャットボットのChatGPT。すでにYouTubeなどで、その性能の高さを示す動画が多く公開されているが、良いのか悪いのか、ある事例も加わった。
イギリスに住むピーターは、現在大学の最終学年で、社会政策を専攻している。課題として2,000文字のレポートがあったそうなのだが、彼はそれをChatGPTに書かせてみることに! AIが大学レベルのレポートを書けるのかが知りたかったそうで、最終提出するものではなく、試しのレポートを講師に採点してもらったという。
彼はまず初めに、参考文献からの引用がある2,000文字のレポートを書いてほしいとChatGPTに依頼したと、英Mirrorに明かす。しかしそのやり方では、365文字しか得られなかったそう。そこで彼が行なった対策は賢い。レポートのテーマに関する10個の質問を個別に聞いたところ、ChatGPTの回答は合計3,500文字にのぼった。
彼はそこから良い文章を取り出し、コピー&ペーストでレポートを制作。ChatGPTの文章を変えたり、書き直したりすることは一切しなかったといい、レポート制作にかかった時間は…、なんと20分! このレポートは、12週間分の学びを見せるための課題だったそうだが、現代は恐ろしい。
しかしこれで落第になってしまっては意味がない。果たして結果はどうだったのか?
なんと、ChatGPTが書いたレポートは合格! 良い成績ではなかったそうで、2:2の結果だった。とはいえイギリスの大学における成績は、1st、2:1、2:2、3rd、落第の順番なので、3rdでもないのは驚きかもしれない。
講師によると、レポートの文章がAIによるものかどうかは明確ではなく、ただ“怪しくはあった”という。「このレポートには参照がない。とても一般的。何も深くまで追求していない。理論的ではないし、コンセプトが上級でもない」とのこと。しかし、「レポートの内容は、私の授業に出たことがある誰かが書いたものでありえる。内容については、最も酷いというわけではない」うえに、文章の言葉も「良く適切」だったため、不真面目な生徒が書いたものだと言われれば信じただろうという!
ChatGPTの性能の高さを感じさせる事例だが、教員にとっては対策を講じなければならない面倒なツールが増えてしまったとも言える。しかしじつは、ChatGPTは生徒による不正を暴くことにも使える。
アメリカに住む2人の大学教授は米Business Insiderのインタビューで、AIで書かれたと思われるレポートをChatGPTで検査し、それがAIによって書かれたものであるという結果を得た。その後生徒と話し、生徒たちはAIの使用を認めたという。1人は落第となり、2人は1からレポートを書く機会が与えられたという。
(フロントロウ編集部)