育休中のリスキリング「後押し」の首相答弁に批判
育休中のリスキリング「後押し」、首相答弁に批判 識者「理解欠く」(朝日新聞 2023年1月29日 19時34分)
岸田文雄首相が掲げる「異次元の少子化対策」にからみ、育児休業中の人らのリスキリング(学び直し)を「後押しする」とした国会での首相答弁に批判が高まっている。育児の実態を理解しているのか疑問視する声が上がっている。
「育休・産休の期間にリスキリングによって一定のスキルを身につけたり、学位を取ったりする方々を支援できれば、逆にキャリアアップが可能になることも考えられる」
27日の参院代表質問。自民党の大家敏志氏はこう述べ、育休中のリスキリング支援を行う企業に対する国の支援の検討を求めた。これに首相は「育児中など様々な状況にあっても、主体的に学び直しに取り組む方々をしっかりと後押ししていく」と答弁した。
野党からは批判の声が上がった。29日には与野党幹事長級が出演したNHK討論番組で、共産党の小池晃氏が「子育てと格闘している時にできるわけがないのに言う。子どもを産み育てることを困難にしてきたのは明治以来の家父長制、男尊女卑の考え方が根強くやっぱり自民党にある。根本的な反省と改革を求めたい」と述べた。
国民民主党の榛葉賀津也氏も「育休中にリスキリングしろとはがっかりした。自民党がやっとわかってくれたなと思ったら、総理がこれを言うんですから」と批判した。自民党の茂木敏充氏は「育休中に仕事をしろとは言っていない。みんなで良い方向に持っていくのが必要だ」と反論した。
SNS上では多くの批判の声が上がった。ツイッターで、小説家の平野啓一郎さんは「何のための産休・育休なのか。自分で子供の世話しながら学位取ってみろ」と投稿。IT大手のサイボウズの青野慶久社長は「赤ちゃんを育てるのは、普通の仕事よりはるかに大変。子育てをしてこなかった政治家が言いそうなことですね」と投稿した。
ひろゆき氏、明石市長も育休中のリスキリング首相答弁に批判
岸田首相「育休中の学び直し」批判殺到でトレンドに ひろゆき氏、明石市長も(デイリー 2023.01.29)
岸田文雄首相が27日の参院本会議で、産休・育休中のリスキリング(学び直し)について「後押しする」と答弁したことについて、28日から29日にかけて「育休中の学び直し」がトレンドワードとなった。
参院本会議の代表質問で、自民党の大家敏志議員が「産休・育休中のリスキリングによって、一定のスキルを身につけたり、学位を取ったりする人々を支援できれば、逆にキャリアアップが可能になることも考えられる」と指摘。これに岸田首相は「主体的に学び直しに取り組む方々をしっかりと後押ししていく」などと答えた。
2ちゃんねるの創設者で実業家のひろゆき氏も28日にツイッターで「産休・育休中の親に“学び直し”の時間と精神的余裕があると信じてる頭のおかしい政治家。」と指摘。「岸田首相『異次元の少子化対策を発表します!』>育児しながら資格の勉強もしてね!<確かに、異次元です。こっちの次元に来なくていいです。」とコメントした。
明石市の市長も28日にツイッターに「総理も官邸もその周辺も、出産も育児もほとんど関係のない人生を歩んできたんだろうなぁって感想だ。夜も寝れない状態で、何を学び直せというのか。そういう総理こそ、政治を学び直したらいかがか?」と厳しく批判した。