大阪府コロナ死ワースト独走も保健所職員に削減危機…吉村知事の頭の中は“万博ファースト”(日刊ゲンダイ 公開日:2023/01/13 13:20 更新日:2023/01/13 13:20)
〈「空飛ぶクルマ」は空の移動革命になる〉〈大阪・関西万博で商業運航を実現させる〉──。吉村府知事は12日、自身のツイッターに2025年の万博への意気込みをつづった。
オツムは「万博ファースト」のようだが、新型コロナの感染状況は最悪だ。
新規感染者数は東京に次ぐが、死者数は実数も100万人あたりの割合も全国ワースト。惨状のさなか、コロナ対応の窓口である府内の保健所の人員が削減される恐れが出てきた。
大阪府関係職員労働組合(府職労)は12日、吉村府知事に府の人員配置方針の撤回を申し入れた。府が万博推進に必要な職員を確保するため、保健所に配置している職員まで削減しようというのだ。府職労の小松康則委員長に聞いた。
保健所職員も万博に駆り出される?
「コトの発端は、府が昨年11月28日に公表した職員の人員体制に関する通知です。府政のスリム化や意思決定の迅速化を図ると称し、来年度の職員数について〈行政職については、特定の重要課題に重点的に人員を配置する必要性から、削減目標を設定する〉と掲げました。
その〈特定の重要課題〉の1つが万博。削減目標は職員40人程度だといいます。府は万博担当以外の部署から人員を回そうとしており、保健所の人員も例外ではありません。すでに感染の波が収束しているならまだしも、第8波は拡大中です。新規感染者の全数把握をやめたとはいえ、入院調整や経過観察などの業務は逼迫しています。これまでの感染の波と同様、保健所の職員は長時間労働を強いられ続けている状況です」
府は職員基本条例に基づき、5年ごとに職員数の管理目標を掲げ、職員数8500人程度を上限に設定している。万博などの新規事業に割く人員も、上限の範囲内でやりくり。新たな職員は雇わず、別の部署から配置転換する形だ。
府に保健所の人員を削減するのかどうかを聞くと、「保健所を含め、コロナ対応に従事している人員については、配置転換が行われるという前提はなく、国のコロナ対策や足元の感染状況を注視しながら、配置を継続するか否か検討しています」(総務部人事課)と回答した。
「空飛ぶクルマ」なんて、吉村府知事は言うてる場合ちゃうで。