東京地検特捜部が「菅前総理」をロック・オン…ひそかに進む「重大捜査」 派閥も胸像も延期になった本当のワケ(現代ビジネス 2022.10.04)
「菅には会ったのか?」
安倍晋三元総理なきあと、最もその動向が注目される政治家が菅義偉前総理だ。
派閥設立を見据えた「勉強会」の準備や、地元・秋田県湯沢市での「胸像建立」など、数少なくなった現役の総理経験者として、キングメーカーとなるべく水面下で活発に動いてきた。
しかしここにきて、急速にトーンダウンしている。9月22日にテレビ出演した際には「グループ(事実上の派閥)は作らない」旨を表明。
さらに10月完成予定だった胸像についても、一転して「安倍氏の国葬と近すぎる」ことを理由に延期した。
なぜなのか。全国紙社会部デスクが明かす。
「東京五輪汚職の件で、東京地検特捜部が狙っている『本丸』が菅氏である、との情報が信憑性を増してきたためでしょう。
五輪を手掛けた電通ではすでに100人ほどの関係者が聴取を受けていますが、多くの人が『菅には会ったのか?』『会ったなら、何を話したのか詳しく言え』と執拗に聞かれているといいます」
「菅派」も立ち消えか
特捜部は菅氏に対し、東京五輪終了後も続いている神宮外苑の再開発工事について、ゼネコンに何らかの便宜を図ったのではないかと疑いをかけているのだ。
ちなみに、菅氏の息子が勤める大成建設は、五輪の中核施設である新国立競技場の建設を受注している。
「菅さんが勉強会や胸像建立を急に見送ったのは、いま目立つのはマズいと判断したからです。
これまで特捜部が動けなかったのは、菅さんと黒川弘務・東京高検元検事長が昵懇だったから。その黒川氏が麻雀問題で失脚し、菅さん自身も退陣して検察内部でも風向きが変わった。
五輪関連施設の整備では、菅さんは腹心で元国交省幹部の和泉洋人氏を実働隊として動かしてきたといいますが、和泉氏もロックオンされているかもしれない」(自民党ベテラン議員)
「重大捜査」はどこまで及ぶのか。進展次第では、前総理も巻き込んだ一大疑獄となる。
「週刊現代」2022年10月8日号より