北方領土を取り返すチャンス? 中国がロシア情勢を熱く見守る理由

日本固有の領土である北方領土 政治・経済

北方領土を取り返すチャンス? 中国がロシア情勢を熱く見守る理由(Korea World Times 2023/02/08)

7日は北方領土の日だった。昨年2月24日から始まったロシアによるウクライナ侵略で、不法占拠された状態が続く北方領土返還は、遠のいたかのように思っている人が多いと思う。

ところが、中国吉林省で貿易会社を営む中国人男性は、「日本がロシアから北方領土を取り返すチャンスは近い」と話す。

中国は、ロシアがウクライナに勝っても負けても国力は大幅に低下し、国際的な信用も地位も見るも無惨な状態になると見越しているという。

ロシア連邦は3つに分裂、分裂までしなくても、港湾や鉄道、河川、資源の採掘権など使用権を売り出してくるとみて、すでに動き始めているというのだ。

口にしないもう1つの中国の夢

中国政府は、表向きには「台湾統一が中国の夢であり、中国人の悲願である」と繰り返し主張している。

それにより内外の目は、台湾有事に向けられているが、実は、中国政府はサハリンも含めたロシア沿海州の併合も中国の夢に含めているのだ。

中ロは、表面的には友好関係を維持しているが、ロシアが弱体化したと判断すれば、領土割譲などの交渉へ動き出す可能性がある。

現在のウラジオストクなどは、1860年の北京条約で清朝から帝政ロシアへ割譲された歴史がある。

そのため、その領土を取り戻すことで、中国共産党への求心力を高めることができると考えているのだろう。

それも国際社会から批判される武力を用いることなく領土獲得できるのであれば、中国にとってこれほど望ましいことはない。

外満州+サハリン併合時が日本のチャンス?

狙うのは、かつての外満州、現代中国では外東北と呼ばれるロシア沿海地方、アムール州、ユダヤ自治州、アムール州、ザバイカリエ地方にまたがる広大な土地だ。

しかし、どの資料を見ても清朝がサハリンを直接統治した歴史は確認できないが、サハリンも清朝の領土だったと主張している。

その理由は、石油や天然ガスなど天然資源が採れるから加えたのだろうと前出の中国人男性は語る。

中国が併合を考えるのは、サハリンを含む外満州なので、北方4島を含む千島列島は含まれていない。

だから、中国が外満州を取り返す時に日本も北方領土を取り戻すチャンスなんだと中国人男性は話す。

ロシアが敗戦、または、プーチン大統領の死去などで、ロシア国内が今以上に混乱状態に陥ったとしよう。

中国は、ロシア極東やサハリンに住む高麗人を中国朝鮮族の同族とみなし、中国が責任持って高麗人を保護するなどを言い出し、治安維持部隊、実質的には中国人民解放軍を派遣するシナリオも考えられる。