今朝(1月29日)、テレビ朝日の「羽鳥慎一モーニングショー」(午前8時~9時55分)に土谷隆・政策研究大学院大学政策研究科教授が出演し、東京都における新型コロナ感染の今後の予測について説明された。
注目すべき内容だったので、番組終了後に土屋教授のホームページを訪ね、予測グラフと説明を一部転載することにした。深く知りたい方は転載元のURLをクリックして下さい。
【転載元 URL】
東京都の新型コロナウイルス感染症新規陽性者数予測
土谷隆 ホームページ
東京都における新型コロナウイルス感染症新規陽性者数の予測
土屋教授は医学や生物学の専門家ではなく、統計数理や数理工学の研究者である。解析に用いたモデルはSIRモデルの一変種で、未感染者・感染者・免疫保持者の割合の時間的変化を記述する。
感染者は感染後一定期間(15日間と仮定) は他人に感染させる力があり,その後免疫保持者となる。感染者が感染力を持つ期間の感染力は、(感染力パラメータ β )×(その時点での未感染者率)である。自粛や緊急事態宣言等の影響を、β の日毎の変化としてモデル化し計算する。
SIRモデルに東京都のデータを入力し、その後の感染状況を予測したのが下のグラフである。
赤折線が東京都における新規陽性者の1月25日までの実データである。それ以降の黒曲線は推計値、すなわち予測値である。
緊急事態宣言の期限である2月7日まで、我々が緊張感を持って緩まずに自粛すれば、2月7日時点で154人まで減少するとの予測だ(予測A)。にわかに信じがたいがそうあって欲しい。
しかし、途中で緩んだ場合は予測Bとなり、2月7日時点で509人に上昇する。
徹底した対策が「人命を救い、医療を救い、経済を救う早道」
予測グラフの後に、土屋教授の解説が続く。
緊急事態宣言の効果は当初想定したものよりも大きい。
緩むことなくこのペースを持続し、東京都での一日の感染者が50人程度(「500人程度」の間違いではない)となるまで緊急事態宣言を継続すべきである。
社会全体で力を尽くすことが、人命を救い、医療を救い、経済を救う早道でもある。
政府は厳しくやるほど短い期間で効果が高いことを必死で訴えて国民の協力を得るべき。
最低限、東京・大阪ともに、新規感染者を50人以下に下げるという目標を立てて、行政が強い処置をとるべきである。
行政は自らは手を汚さずに、国民に責任を負わせるべく、自発的な自粛と解除を繰り返させることを続けている。
中途半端なことはやめて、行政が強力なリーダーシップをとって、 短期間でウイルスを社会から大幅に減らし、医療システムの崩壊を防ぎ、国民の不安を取り除くべきである。
中途半端な状況を続けることなく、早期に社会からウイルスを大幅に減らして国民の不安を取り除くことが、社会活動を再生することにつながり、結局は経済活性化にも直結する。