2023年8月22日 今日の出来事

政府、24日にも放出開始を決定 福島第一原発の処理水めぐり

東京電力・福島第一原発の処理水を海洋に放出する方針をめぐり、政府は、関係閣僚会議を開いて気象・海象条件などに支障がなければ、今月24日に放出を開始することを決めた。

岸田総理は、漁業者が安心して漁業を継続できるための事業継続基金の設置を表明したうえで、「ALPS処理水の処分に伴う風評影響や生業継続に対する不安に対処すべく、たとえ今後数十年の長期にわたろうとも処理水の処分が完了するまで、政府として責任を持って取り組んでいく」と強調した。

岸田総理は、きのう午後、処理水放出に反対する全漁連の坂本会長と会談し、海洋放出に関する予算措置などについて、水産予算とは別に計上する考えを伝えた。また、引き続き漁業者と意思疎通していくため、総理が前面に立って関係者でフォローアップする場を設ける考えを表明している。

「海に流すな」官邸前で抗議 原発処理水の8月24日海洋放出に市民団体

政府が東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出を24日に始めることを決定したことに対し、原発に反対する市民団体らが22日、東京・永田町の首相官邸前で「海を汚すな」などと抗議の声を上げた。

市民団体「さようなら原発1000万人アクション実行委員会」が呼びかけた。雨の降る中、福島県から関東地方に避難する住民ら約200人が「放射能 汚染水を海に流すな!」などと書かれた横断幕を掲げ、「漁民の声を聞け」「汚染水を止めるぞ」などとシュプレヒコールを繰り返した。

マイクを握った市民団体「これ以上海を汚すな!市民会議」メンバーの沢井正子さん(70)=東京都練馬区=は「将来の子どもたちにどういう日本を残すかに直結している」と強調。「太平洋は東京電力のごみ捨て場ではなく、世界の宝。市民の監視の目がなくなったら原子力政策がもっと腐っていく」と中止を求めた。

福島県富岡町から神奈川県に避難している主婦古川好子さん(60)は「流し始めたからそこで終わりではない。少しでも(放出を)少なくしたいので、やめろと大きな声で言い続けたい」と話した。

所得格差、依然大きく 21年、高齢世帯増で 厚労省

厚生労働省は22日、所得格差を示す代表的な指標「ジニ係数」の2021年調査結果を公表した。

現役世代より所得が少ない高齢者世帯の増加を受け、年金などを含まない当初所得は前回17年調査から悪化に転じ、格差が過去最大だった14年とほぼ同水準だった。

ジニ係数は0~1の間の数値で示し、格差が大きいほど1に近づく。調査は1962年以降おおむね3年ごとに行っており、今回はコロナ禍で1年遅れの21年7~8月に実施した。8042世帯を対象に行い、回収率は41.2%。

当初所得のジニ係数は0.5700だった。17年は0.5594で、過去最大だった14年は0.5704。ここから税金や社会保険料を差し引き、年金などの社会保障サービス分を加えた再分配後のジニ係数は0.3813で、再分配により33.1%改善された。厚労省は「再分配機能に一定の効果がある結果となった」と強調した。

1世帯当たりの平均当初所得は423万4000円、再分配後の平均所得は504万2000円。うち65歳以上の高齢者世帯では、当初所得124万7000円に対し、再分配後は2.92倍の364万1000円となった。 

ロシアの学校授業で「軍用ドローン教育」実施へ 15~17歳が対象

ロシア教育省は21日に公表した指導要領で、9月の新学期から学校の授業で軍用ドローン(無人機)の操縦などを教えると公表した。AFP通信が同日、報じた。ロシアでは連日のようにウクライナからのドローン攻撃が相次いでいる。紛争地におけるドローンの使用が極めて重要として、授業を実施するとみられる。

教育省によると15~17歳の生徒が対象。「戦闘における無人航空機の使用法への理解」「ドローン操縦に関する実践的なタスク(作業)の実行」「敵のドローンに対抗するためのアルゴリズム(計算手順)」を学ぶ。

ロシア当局は、ウクライナへの侵攻を開始した2022年2月24日以降、愛国心を高めるために学校で毎週、国歌斉唱と国旗掲揚を命じてきた。昨年11月には、23年から子どもたち向けに、カラシニコフ自動小銃や手投げ弾、射撃について学ぶ旧ソ連式の軍事プログラムを再導入すると発表していた。

【1年前の今日の出来事】 2022年8月22日