2023年6月15日 今日の出来事

内閣支持下落35.1% 公邸忘年会、岸田首相「問題」7割弱…時事世論調査

時事通信が9~12日に実施した6月の世論調査で、岸田内閣の支持率は前月比3.1ポイント減の35.1%だった。支持率が下落に転じたのは1月以来5カ月ぶり。不支持率は同3.2ポイント増の35.0%で、支持と不支持が拮抗した。

岸田文雄首相の長男で首相秘書官を務めていた翔太郎氏が昨年末、首相公邸で親族と忘年会を開き、公的なスペースで写真撮影に興じたことが発覚。首相自身の関与も明らかとなり、支持率を押し下げる要因になったとみられる。

首相自身も写真撮影に応じていたことが後に判明。「私的なスペースで同席した」と釈明したが、これに対して「大いに問題だ」「ある程度問題だ」との回答が計66.7%を占めた。「あまり問題ない」「全く問題ない」は計25.2%だった。

岸田内閣の支持率推移2023年6月

【詳細記事】
【時事世論調査】内閣支持下落35.1% 公邸忘年会、岸田首相「問題」7割弱 自公連立「解消を」4割超、維持派を上回る

岸田文雄首相、今国会での衆院解散を見送り

岸田文雄首相は15日夕、衆院解散・総選挙に踏み切るかどうかについて「今国会での解散は考えていない」と述べ、今国会中の衆院解散を見送る意向を表明した。首相官邸で記者団に語った。

首相は解散見送りを決めた理由について「先送りできない課題に答えを出していくのが岸田政権の使命で、この基本姿勢に照らして対応していく。複雑化する国際情勢への対応、持続的な賃上げの実現、脱炭素・デジタルといった新しい分野への投資、こども子育て戦略(こども未来戦略方針)をまずは前に進めていかなければならない」と語った。

立憲民主党は16日に内閣不信任決議案を衆院に提出する方針だ。首相は提出された場合の対応について「立憲民主党が内閣不信任案を出すというのであれば、内閣の基本姿勢に照らして即刻否決するよう、(自民党の)茂木敏充幹事長に指示した。山口那津男公明党代表にも協力を求めた」と述べた。

東京円、一時141円台 7カ月ぶりの円安ドル高水準

15日の東京外国為替市場の円相場は一時1ドル=141円台前半を付け、昨年11月以来、約7カ月ぶりの円安・ドル高水準となった。米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ継続姿勢と、大規模な金融緩和を続ける日銀の方向性の違いが意識され、円を売ってドルを買う動きが強まった。

円は対ユーロでも下落し一時1ユーロ=152円台を付けた。市場関係者によると、2008年9月以来、約15年ぶりの円安・ユーロ高水準となる。

正午現在は前日比1円06銭円安・ドル高の1ドル=141円04~07銭。ユーロは1円46銭円安ユーロ高の1ユーロ=152円48~57銭。

5月貿易赤字、1兆3725億円 原油高が一服、前年比42%減

財務省が15日発表した5月の貿易統計(速報、通関ベース)によると、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は1兆3725億円の赤字だった。赤字は22カ月連続。赤字額は前年同月比42.0%減だった。原油高が一服し、輸入額が減少したことを反映した。

輸入額は9.9%減の8兆6651億円。輸出額は海外経済の減速を反映し、0.6%増の7兆2926億円と伸び悩んだ。

北朝鮮が弾道ミサイル発射 日本のEEZ内に落下

韓国軍は15日、北朝鮮が日本海に弾道ミサイルを発射したと発表した。日本の防衛省も、北朝鮮から弾道ミサイルの可能性があるものが発射され、「既に落下したとみられる」と明らかにした。小野田紀美防衛政務官によれば、北朝鮮は少なくとも2発の弾道ミサイルを発射し、いずれも日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下したもようだ。

岸田文雄首相は「現時点で被害の報告はない」と述べた。韓国軍によると、短距離弾道ミサイル2発で、平壌の順安空港一帯から発射された。

神宮外苑再開発、環境アセスの国際学会が工事停止を勧告 「SDGsの世界標準からかけ離れている」

環境アセスメント分野の国際学会である国際影響評価学会(IAIA)の日本支部は15日、明治神宮外苑地区の環境アセスの手続きに問題があるとして、東京都に対し、事業者に工事の一時停止を命じるよう勧告した。

事業者が作成した環境アセスの評価書が1月に告示され、事業者は3月に着工した。再開発の見直しを求めてきた日本イコモス国内委員会は評価書の内容に誤りがあると指摘。アセスのやり直しを求めたが、都の審議会は事業者に再説明させた上で、5月、「従来の予測や評価を変更するような虚偽や誤りはなかった」と結論づけた。

東京都庁で会見した原科幸彦日本支部代表は「異議申し立てにきちんと対応するのはアセスでは当然のこと。専門家の声を聞かない姿勢には、SDGs(持続可能な開発目標)を求める世界の標準からかけ離れている」と指摘した。

明治神宮外苑のいちょう並木

東京港でヒアリ250匹確認 今年度国内初、女王アリは未確認

環境省は15日、強い毒を持つ南米原産のヒアリ約250匹が東京港大井ふ頭のコンテナヤードで見つかったと発表した。国内で確認されたのは今年度で初めて。

同省が全国の港湾で定期的に実施している調査で見つかった。調査を担当する事業者が13日、ヒアリとみられるアリ約100匹が地面から出入りしているのを確認。翌日には、確認地点から約1キロ離れた場所で約150匹を見つけた。専門家がいずれもヒアリと確認。毒餌を設置して駆除を進めている。女王アリはみつかっていない。

ヒアリは2022年5月に成立した改正外来生物法に基づき、今年4月、特別な対応が必要な「要緊急対処特定外来生物」に指定された。港などで発見された場合、ヒアリかどうかを特定する作業をしている間でも、輸入品などの移動の制限が可能で、拡散を防ぐために強い規制をかけられる。

全体は赤茶色で腹部が黒っぽい赤色をしている

空海生誕1250年を記念し御朱印帳 期間限定 高尾山薬王院

真言宗智山派の大本山・高尾山薬王院(東京都八王子市高尾町)は、同宗開祖の弘法大師空海(774~835年)の生誕1250年にあたる15日、記念の御朱印帳と御朱印紙の授与を期間限定で始めた。

空海は平安初期、遣唐使の一員として唐(中国)に渡り、密教の正統な後継者となり、真言宗を開祖。密教の思想と世界観を表す「曼陀羅(まんだら)」や仏と一体化するための瞑想法、憤怒の表情の不動明王などを日本に紹介し、没後「弘法大師」の号を贈られた。

御朱印帳は表紙に、青い袈裟(けさ)の空海が、「霊気満山」を掲げる薬王院の山門・浄心門に立つ姿をイメージしてデザイン。御朱印紙は弘法大師像をまつった薬王院境内の「大師堂」や、空海への帰依を意味する「南無大師遍照金剛」の墨書きなどを載せた。担当者は「大師様は真言密教を日本に根付かせ、生きるもの全ての生命の大切さを示された。樹木も鳥も虫も懸命に生きる自然豊かな高尾山で節目の年に生命の教えに親しんでもらえれば」と話す。

高尾山薬王院は744(天平16)年に行基が開山。大自然の中に仏を見いだす山伏の修験道で知られ、「成田山新勝寺」「川崎大師平間寺」と共に真言宗智山派の大本山とされる。

高尾山薬王院が期間限定で授与を始めた御朱印帳(右)と御朱印紙

【1年前の今日の出来事】 2022年6月15日