2021年10月22日

再エネは「主力電源」、割合も倍増 脱炭素狙うも達成に課題多く
政府は22日、新たなエネルギー基本計画を閣議決定した。温室効果ガスを減らすため、2030年度に再生可能エネルギーの割合を発電量全体の「36~38%」に引き上げ、19年度実績から倍増させる。原発は「20~22%」と従来の目標を維持し、石炭火力は「19%」に抑えるとした。世界的な脱炭素化の流れに対応する狙いがあるが、実現に向けた課題は多い。

再生エネは「主力電源」という従来の位置づけに加え、「最優先の原則のもとで最大限の導入に取り組む」とさらに踏み込み、電源構成の比率をこれまでの「22~24%」から大幅に引き上げた。原発は引き続き既存の原発の再稼働を進める方針で、従来の目標を維持。新増設や建て替えの是非は明記しなかった。ただ、脱炭素に欠かせない重要なベースロード電源と位置づけ、「必要な規模を持続的に活用していく」とし、将来の新増設などの可能性には含みを残した。

東京のコロナ感染、経路不明6割 専門家「積極的疫学調査を」
東京都内の新型コロナウイルスの感染動向などを分析する都モニタリング会議が21日開かれ、20日時点で感染経路不明者の割合が約6割に上っていることが報告された。都は21日、医療提供体制の警戒レベルを初めて4段階で上から3番目に引き下げたが、専門家からは感染者数が少ない今こそ感染経路の調査を徹底的に行うべきだという指摘が出た。

都によると、新規感染者に占める感染経路不明者の割合は前週は約57%だったが、約61に上昇した。20、40、60代で60%を超えているという。国立国際医療研究センターの大曲貴夫・国際感染症センター長は「感染経路が不明な事例がまだかなりある」と指摘。「感染者がこれだけ減っていれば(感染経路を)追える可能性が十分ある。今こそ積極的疫学調査を一番頑張るべき」と強調した。

東京の予想最高気温11度、12月下旬並み 関東各地で冬の寒さ
日本海側から関東甲信に寒気が入った影響で、東京都心の22日の予想最高気温は11度と、12月下旬並みの冷え込みとなる見込みだ。気象庁の午前11時現在の発表によると、水戸市で12度、横浜市や千葉市でも13度と上がらず、冬のような寒さが予想される。同庁によると、関東を中心に、気圧の谷や湿った空気の影響で冷たい雨が降り、22日朝の最低気温は東京都心で平年より2.9度低い10.6度、群馬県嬬恋村では3.4度低い0.2度となった。日中もほとんど気温が上がらないという。23日以降は寒気が抜け、寒さは和らぐ見通し。

首都直下地震の想定見直し 東京都
東京都の小池百合子知事は22日の記者会見で、首都直下地震や南海トラフ地震に関する都の被害想定を見直す方針を明らかにした。現行の想定公表時から高齢化が進んだことなどを踏まえ、2022年度初めをめどに新たな想定を公表し、都の地域防災計画に反映させる。都は東日本大震災を受け、12年に首都直下、13年に南海トラフの被害想定をそれぞれ公表。首都直下地震では最悪で約1万人の死者、約30万棟の建物被害が出ると予測している。

鹿野道彦元農水相が死去79歳、自民と民主党所属
元衆院議員で農林水産相や民主党副代表を歴任した鹿野道彦氏が21日午後8時3分、山形市内の病院で死去した。79歳。死因は真性多血症という。昭和51年に自民党から衆院議員に初当選し、当選11回。運輸族として国鉄民営化やミニ新幹線方式の山形新幹線開通に尽力した。平成6年、政治改革と政界再編を目指し新党みらいを旗揚げ。その後、新進党などを経て民主党入りした。自民党と民主党の時代に農水相を2度務めている。

ヤマト運輸、ドローンで医薬品配送の実証実験 岡山と徳島で
ヤマト運輸は22日、山間部にある岡山県和気町と徳島県那賀町で、ドローンを使って医薬品を配送する実証実験を行うと発表した。過疎化と高齢化が進み、交通の便が悪い地域を選び、和気町では11月下旬に、那賀町では2021年度中に実施する。うまくいけば実用化を検討する。