2023年6月8日 今日の出来事

「強行採決」「反対」怒号飛び交う 入管法採決に野党抵抗

「強行採決」「反対」。8日の参院法務委員会。野党の怒号が飛び交う中、入管難民法改正案は、与党などの賛成多数で可決された。

午前10時すぎに始まった委員会は、野党議員が続々と詰め掛け、冒頭から物々しい雰囲気に。立憲民主党の石川大我氏は反対討論で「審議を続行すべきだ。現段階での採決はあり得ない」などと声を張り上げた。

採決直前には、野党議員が杉久武委員長の席に詰め寄って「反対」などと口々に抗議した。与党議員らの挙手で可決された後も、しばらく杉委員長を取り囲んで無効を訴えた。

改正案を巡り、立民は杉委員長の解任決議案や斎藤健法相の問責決議案を連発。採決引き延ばしを図ったが、最後は与党に押し切られた。

「強行採決」「反対」怒号飛び交う 入管法採決に野党抵抗

「人権守れ」 国会近くで100人超の市民が入管難民法改正案に抗議

入管難民法改正案が参院法務委員会で可決された8日、東京・永田町の国会近くには改正案に反対する市民ら100人超が集まり、抗議の声を張り上げた。

午前10時ごろ、市民らは「難民の人権守れ」と書かれたプラカードなどを掲げ、「採決反対」「入管法改悪反対」と訴えた。改正案の廃案を求めるデモは連日行われており、NPO「移住者と連帯する全国ネットワーク」の鳥井一平代表理事は「採決は民主主義を壊す」と語気を強めた。

名古屋入管の施設で2021年に亡くなったスリランカ人女性、ウィシュマ・サンダマリさん(当時33歳)の遺族はこの日、採決の様子を傍聴席から見守った。妹のワヨミさん(30)は「本当に残念です。これから入管施設で何か事件があった際、その責任を(改正案に)賛成した人たちは取らないといけないと思います」と話した。

入管法改正案に反対し、国会前で声を上げる人たち=東京都千代田区で2023年6月8日

関東甲信が梅雨入り 平年より1日遅く

気象庁は8日、関東甲信地方が梅雨入りしたとみられると発表した。また、西日本から東日本の太平洋側では9日にかけて雷を伴う非常に激しい雨が降り、警報級の大雨になる恐れがある。気象庁は土砂災害や浸水、河川の増水に警戒を呼びかけている。

関東甲信の梅雨入りは平年より1日遅く、昨年より2日遅い。梅雨明けは平年7月19日ごろとなっている。気象庁は数日~1週間先の天気予報をもとに梅雨入りを発表しており、8日午前は関東甲信の広い範囲で晴れたが、夕方から夜にかけて雨が降る予報だったため、この日に発表した。

全国では、沖縄と鹿児島県・奄美地方が5月18日、九州北部と中四国、近畿、東海が29日、九州南部が30日に梅雨入りが発表されている。

街角景気、4カ月連続改善 判断「緩やかに回復」に上げ…5月

内閣府が8日発表した5月の景気ウオッチャー調査によると、街角の景況感を示す現状判断指数(季節調整値)は前月比0.4ポイント上昇の55.0と4カ月連続で改善した。新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが「5類」へ移行したことを受け、会食やイベントへの客足が増加した。

基調判断を引き上げ、表現は4年6カ月ぶりに「緩やかに回復している」に改めた。

指数の内訳は、企業動向関連が半導体不足の解消などを背景に1.1ポイント改善。雇用関連も1.3ポイント上昇した。家計動向関連は横ばい。サービス・飲食関連が上昇した一方で、小売り関連が低下した。「食料品を中心に値上げが続いている。客の節約志向が強くなり、販売点数に影響している」(中国地方のスーパー)などの声が聞かれた。

住民の過半数、米の指針値超え 東京・多摩、有機フッ素血中濃度

東京都の多摩地域の水道水から有害な有機フッ素化合物「PFAS」が検出されている問題で、住民の血液検査をしている市民団体は8日、対象となった650人のうち過半数の335人が健康被害が懸念されるとする米国の指針値を超えたと発表した。

市民団体は「多摩地域の有機フッ素化合物汚染を明らかにする会」。国分寺市や立川市など27区市町村の住民から採血した。同会は今後、井戸や川の水も検査して汚染状況を調べ、国や自治体にも対応を求める考えだ。

PFASは多数ある有機フッ素化合物の総称。日本に血中濃度の指針はなく、京都大の原田浩二准教授(環境衛生学)が米国やドイツの指針と比較した。

PFASの血中濃度を調べるため地域住民の採血などが実施された会場=昨年12月3日、東京都国分寺市で

国産リンゴの輸出、過去最多 昨年生産分、台湾で人気

昨年生産された国産リンゴの輸出量が4月末時点で3万8千トンを超え、過去最多の年間輸出量を8カ月間で上回ったことが8日、財務省貿易統計で分かった。輸出額も過去最高の約188億円。高品質と評され、台湾などで旧正月の贈答品として人気がある。最大生産地の青森県はさらなる販売拡大を目指すとしている。

県によると、品質が例年以上に良かったことに加え、円安や競合する他国の不作も影響した。輸出先は台湾が約7割、香港が約2割を占めた。

国産リンゴ輸出量、2022年産は過去最多

東京おもちゃショー開幕 4年ぶり一般公開へ

国内最大級の玩具見本市「東京おもちゃショー2023」が8日、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開幕した。一般公開は新型コロナウイルス感染拡大を受けて19年を最後に取りやめており、4年ぶりに10~11日に再開する。今回は実際の月面探査機を商品化したおもちゃや、最新技術を駆使した携帯液晶ペットゲーム「たまごっち」の新商品が注目を集めそうだ。

国内外の156社が約3万5千点を展示する。中学生以上の入場料は1500円。

開幕した東京おもちゃショー=8日、東京都江東区の東京ビッグサイト

カホフカ水力発電所のダム決壊の救助隊にロシア軍銃撃か

ウクライナ南部ヘルソン州のカホフカ水力発電所のダム決壊では州都ヘルソンを中心に懸命の救助活動が続いています。

ウクライナのゼレンスキー大統領は7日、ロシアの支配地域に向かった救助隊が「ロシア軍から銃撃を受けた」と非難しました。これはドイツの大衆紙ビルトの取材にこたえたものです。

ダム下流域はドニプロ川を境に北側がウクライナ、南側がロシアの支配地域です。ゼレンスキー氏は動画声明で、ロシアは支配地域で「人々を見捨てた。人々は救助もなく、浸水した集落で建物の屋根の上にいるだけだ。ロシアによる意図的な犯罪だ」と訴えました。

また、ウクライナのクリメンコ内相は7日、洪水により30の集落が浸水しウクライナ側で1,894人が避難していると明らかにしています。

ダム決壊、4万人被災か 水位ピーク、取り残されも

ウクライナ南部ヘルソン州で6日に起きたカホフカ水力発電所の巨大ダム決壊による洪水は7日、ドニエプル川の水位がさらに上昇し、ピークに達したとみられる。被災住民は約4万人とも推定され、州都ヘルソンでは組織的な避難や救助が間に合わず取り残された人がいるもようだが、被害の全容は不明だ。

国際原子力機関のグロッシ事務局長は6日、ダムから冷却水を取るザポロジエ原発に来週、自ら派遣団を率いて向かう考えを示し、「原子力の安全性にとり重要な時だ」と表明した。

ダムの水は水道やかんがいにも使われており、市民生活や農業生産への悪影響が長期的に続くと懸念されている。

中国・ロシア軍機が2日連続で共同飛行 空自戦闘機が警戒

防衛省は7日夜、中国とロシアの爆撃機計4機が同日午前から午後にかけ、沖縄本島と宮古島の間の空域を共同飛行したと発表した。航空自衛隊の戦闘機が緊急発進(スクランブル)して警戒に当たった。6日も中露の爆撃機4機が日本海と東シナ海を共同飛行しており、2日連続で確認された。両日とも領空侵犯はなかった。

同省統合幕僚監部によると、示威行動を明確に意図したものと判断し、外交ルートを通じて両国に安全保障上の観点から重大な懸念を伝えた。

7日は中露2機ずつの爆撃機が中国大陸の方向から飛来し、沖縄本島と宮古島の間を南東方向へ。その後、両島間を北西方向へと引き返した後、中国機2機は大陸方向へ向かい、ロシア機2機は対馬海峡から日本海へと抜けた。途中、中露の戦闘機と推定される18機が入れ替わりながら、爆撃機と行動を共にしたという。自衛隊機への危険な行動は確認されていない。

統合幕僚監部はこれまで、中露軍機の共同飛行が2019年7月、20年12月、22年11月にあったと公表していた。

NY大気汚染「1960年代以降で最悪」 カナダ山火事の煙が到達

カナダで続く記録的な山火事の煙が、米東部にまで広がっている。ニューヨーク市保健当局は7日の記者会見で、市内の大気汚染レベルは「1960年代以降で最悪」だとし、市民に不要な外出を控えるよう要請した。一時的に空の便に影響が出たほか、米大リーグの試合も延期された。

ニューヨーク市の中心部マンハッタンでは7日の日中、空がくすんだオレンジ色に染まり、煙のような臭いが漂う中、新型コロナウイルス対策ではほとんど着用しなくなったマスク姿で歩く人の姿が目立った。

カナダでは今年、観測史上最悪のペースで山火事が起きている。カナダメディアによると、7日までに国内で2300件以上発生し、焼失面積は平年の同時期の10倍以上に達した。森林管理当局の担当者は、気候変動によって山火事の頻度と強さが増しているとの見方を示している。

カナダ山火事の煙 大気汚染でマンハッタン上空がオレンジ色に

【1年前の今日の出来事】 2022年6月8日