2022年2月28日

【ウクライナ情勢・・ベルリンやパリなど欧州で「戦争反対」の輪広がる】

国連総会、今世紀初の緊急特別会合 ロシアの撤退求める決議採択図る

ウクライナ情勢をめぐり、193カ国が参加する国連総会は28日午前10時(日本時間3月1日午前0時)から、緊急特別会合を開く。安全保障理事会(15カ国)が27日、会合を求める決議案を11カ国の賛成で採択した。米国などは、全加盟国が参加する国連総会で、ロシア軍の即時撤退などを求める決議案の採択を図る。招集は今世紀初で、安保理の要請による招集は1982年以来、40年ぶり。

ロシアとウクライナ、停戦協議開始 ベラルーシ・ゴメリで
戦闘を続けるロシアとウクライナは2月28日午後、ベラルーシ南東部のゴメリで停戦協議を始めた。ロイター通信が伝えた。ウクライナを三方から攻撃するロシアが降伏を求める一方で、ウクライナ側は即時停戦とロシア軍の撤収を要求。両国の主張はかけ離れており、今回の協議が即時の停戦につながるかは不透明だ。

核ちらつかすプーチン氏、強まる警戒 「何らかの誤算があったら…」
ウクライナでの戦闘が激化するなか、プーチン大統領は27日に核戦力を含むロシア軍の抑止力を、警戒を強める「特別態勢」に移すよう命じた。欧米によるロシアへの経済制裁や攻撃的な発言への対抗措置としており、ウクライナを「欧米側に渡さない」という強固な意思を改めて示す狙いがあるとみられる。

岸田首相、ロシアへの追加制裁表明 ベラルーシ大統領の資産凍結も
岸田文雄首相は28日、ウクライナに侵攻したロシアへの新たな制裁として、ロシア中央銀行との取引を制限する制裁を実施すると表明した。また、ロシアの侵攻を支援するベラルーシへの制裁として、ルカシェンコ大統領への資産凍結などを行うことも明らかにした。首相官邸で記者団に述べた。

EUへの避難民すでに30万人超、700万人まで膨らむ恐れ…市街戦で民間人犠牲も増加

ロシアのウクライナに対する軍事作戦は28日、5日目に入った。戦禍を逃れて欧州連合(EU)域内に退避した市民はすでに30万人を上回り、EUや先進7か国(G7)などでは人道支援強化の動きが出ている。EUの執行機関・欧州委員会は27日、ウクライナからEUに逃れる避難民は、人口の約15%に相当する700万人まで増える恐れがあるとの推計を示した。欧州委は加盟国ポーランドやハンガリーなどで入域を求める避難民への一時措置として、入域審査の簡素化や入域後の滞在場所確保などの検討を始めた。

ウクライナ大都市でも戦闘、民間人死者352人 「食糧と医薬品が」
ロシアが軍事侵攻したウクライナでは28日、首都キエフや北東部の第2の都市ハリコフなどで攻防が続いた。民間人の犠牲が増える一方、ウクライナ側の激しい抗戦でロシア軍の攻撃の勢いはそがれ始めている。

ウクライナ内務省は27日、これまでに、子ども14人を含む352人の民間人が殺害されたと明らかにした。さらに、子ども116人を含む1684人が負傷しているとの情報もある。クリチコ市長は「食糧と医薬品が不足している」と述べた。

ベルリン10万人・パリ5千人、欧州「戦争反対」の輪広がる

ロシアによるウクライナ侵攻を受け、欧州各地で26、27の両日、ロシアやプーチン大統領に抗議するデモが行われた。侵攻への反発は広がっており、人々は「ロシアは戦争をやめろ」などと訴えた。著名人もロシアの侵攻に批判の声を上げている。

ドイツのベルリンでは27日、デモに約10万人が参加した。フランスでは26日、パリや南部マルセイユなどでデモが行われた。パリ中心部のデモには約5000人が参加した。参加者は「プーチンはテロリストだ」などと叫んだ。AFP通信によると、デモは英国やスイスなど欧州各地で行われた。ロシアの隣国フィンランドのデモでは、人々は「ロシアはウクライナから出て行け」「プーチンを倒せ」などと訴えた。

ロシアで広がる反戦、署名に100万人賛同 えん戦気分増大の可能性も


ロシア各地で、プーチン政権によるウクライナ侵攻に抗議して「戦争反対」を訴える活動が続いている。当局による強硬な取り締まりによりデモは大規模化していないが、インターネット上で反戦を求める呼びかけには約100万人が賛同している。米欧などによる経済制裁の動きは市民生活にも影響を及ぼしており、戦争が長期化すれば、えん戦気分が拡大する可能性がある。

ルーブル急落、過去最安値 米欧の経済制裁うけ
米欧によるロシアへの経済制裁の強化を受け、28日の外国為替市場でロシアの通貨ルーブルが対ドルで急落し、一時1ドル=110ルーブル前後をつけた。ロイター通信によると過去最安値。先週末は83ルーブル近辺で推移しており、約30%の暴落となった。

都庁、ウクライナ国旗カラーにライトアップ「連帯示す」
東京都は28日、ウクライナの国旗の色である青と黄色のライトアップを、新宿区の都庁第1本庁舎で始めた。6日まで連日、午後6~11時に実施する。都は「ウクライナとの連帯を示す」としている。

全国で新たに5万1348人の感染確認 高止まり続く 新型コロナ
新型コロナウイルスの感染者は28日、全国で新たに5万1348人確認され、感染者の累計は500万人を超えた。1日あたりの新規感染者数は前週の月曜日から約600人減ったもののほぼ横ばい状態で、高止まりが続いている。死者は198人、重症者は前日より21人少ない1461人となった。新規感染者数は、東京都(9632人)や神奈川県(6404人)などでは前週の月曜日より増加した。

水際対策、1日から緩和 入国者上限、1日5000人に―新型コロナ
政府は3月1日から、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の流入に備えて厳格化した水際対策を緩和する。1日3500人としてきた入国・帰国者数の上限を5000人に拡大。原則停止してきた外国人の新規入国も、観光目的以外なら認める。今後、感染状況を見極めつつ段階的に緩和を進める方針だ。

外環道、一部工事差し止め 「生命に具体的危険の恐れ」 東京地裁決定

東京外郭環状道路(外環道)のトンネル掘削工事予定地の周辺住民13人が、地下40メートルより深い大深度地下工事は陥没事故の危険があるとして、事業者の東日本高速道路などに工事差し止めを求めた仮処分申請で、東京地裁は28日、2020年10月に道路陥没事故が起きた東京都調布市付近を含む一部区間の工事の差し止めを命じる決定を出した。目代真理裁判長は「具体的な再発防止策が示されておらず、家屋の倒壊を招いて生命に具体的な危険が生じる恐れがある」と述べた。

「令和臨調」6月に発足 先送りの構造改革で提言へ
日本生産性本部は28日、産学の有識者らが政治や経済での改革実現を目指す「令和国民会議(令和臨調)」が6月に発足すると発表した。共同代表に茂木友三郎キッコーマン名誉会長や小林喜光三菱ケミカルホールディングス取締役らが就任するほか、産学約80人が参加を表明している。政権交代可能な政党政治の実現を目指す「統治構造改革」、中長期的な財政運営を考える「財政・社会保障」、人口減少を見据えた地域構想を示す「国土構想」の3テーマを活動の軸に据える。

【1年前の今日の出来事】 2021年2月28日