2022年3月1日 今日の出来事

【ウクライナ情勢・・ロシアはジュネーブ条約で禁止されている燃料気化爆弾を使用】

「ロシアが燃料気化爆弾を使用」とウクライナ駐米大使 高い殺傷能力

燃料気化爆弾、ロシアが使用

ウクライナのオクサナ・マルカロワ駐米大使は28日、ウクライナに侵攻したロシア軍が、戦術核兵器の次に殺傷能力が高いとされる「燃料気化爆弾」(サーモバリック爆弾)を使用していると非難した。ロイター通信が伝えた。

燃料気化爆弾は、周囲の酸素を取り込んで高温の爆発を起こす。爆風が従来の爆弾に比べ長く続くため、殺傷能力が高い。マルカロワ大使は記者団に、「ロシアはジュネーブ条約で禁止されている燃料気化爆弾を使用した。ロシアがウクライナに与えようとしている惨害は大きい」と語った。

ホワイトハウスのサキ報道官は、燃料気化爆弾の使用は確認していないと述べ、「もしそれが本当なら、戦争犯罪になる可能性がある」と指摘した。

停戦協議、継続で合意 先行き不透明 露・ウクライナ
ロシアのウクライナ侵攻を巡り、両国の代表団による停戦協議が2月28日、ベラルーシ南東部で開かれ、協議の継続で合意した。双方とも一定の歩み寄りがあったことを示唆し、決裂は避けられた形だ。ただ、露軍の撤収を求めるウクライナと、同国の降伏や非武装化を求めるロシアの立場の隔たりは大きく、停戦が実現するかはまだ不透明だ。双方がいったん交渉内容を持ち帰り、自国で協議するという。次回の交渉はベラルーシ西部のポーランド国境周辺となる予定だ。

ロシア経済破綻の可能性 制裁包囲網が威力 対ドル30%超下落
ウクライナに侵攻したロシアの経済ががたつき始めた。米国はさらなる金融制裁も辞さない構えを見せるが、世界経済への「返り血」も懸念される。

ロシアのウクライナ侵攻を受け、欧州企業のロシア離れが進んでいる。より深刻なのが、経済制裁によるインフレの加速だ。欧州連合(EU)や米国、日本が2月26日以降、ロシアを国際的な金融決済網から締め出すことを決めたことで、外国為替市場ではルーブル売りの動きが広がった。28日には、前週末に比べ3割程度安い1ドル=120ルーブル近くまで一時下落し、過去最安値を更新した。ロシア中銀は同日、政策金利を9.5%から20%に引き上げる異例の利上げで対抗。ルーブルは一時、やや買い戻されたが、ウクライナ侵攻前に比べれば大幅な通貨安の状態が続いている。

シェルが「サハリン2」離脱 開発参加の日本「最悪事態も想定」

サハリン2から到着したLNGタンカー=千葉県袖ケ浦市沖で2009年4月

英石油大手シェルは2月28日、ロシア国営エネルギー企業ガスプロムとの合弁事業を解消し、極東サハリンでの原油・液化天然ガス(LNG)プロジェクト「サハリン2」から撤退すると表明した。ロシアのウクライナ侵攻で事業継続が困難になったと判断したためだ。サハリン2には日本の大手商社も参画しており、日本のエネルギー戦略にも影響を及ぼす可能性がある。

IOCがロシア、ベラルーシの国際大会除外を勧告 プーチン氏らの五輪功労賞撤回
国際オリンピック委員会(IOC)は28日、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、すべて競技の国際大会において、ロシア、ベラルーシの選手、関係者の除外を求めることを発表した。ただ、「中立的なアスリート、チームとしてのみ受け入れられるべき」とし、参加する場合は国旗、国歌などを使用しないことを求めた。また、プーチン大統領らロシア関係者が受賞していたオリンピック功労賞をすべて撤回した。

【ウクライナ情勢・・日本人の支援)

ウクライナへの寄付、日本から計20億円に 6万人超、大使が謝意
ウクライナのセルギー・コルスンスキー駐日大使は1日、ロシア軍の侵攻に伴う人道支援の受け皿として設けた口座に、日本から6万人超が寄付し、合計額は約20億円に達したと明らかにした。立憲民主党の泉健太代表と東京都内のウクライナ大使館で会談し、政府を含む日本側の支援に謝意を伝えた。コルスンスキー氏は「ウクライナの社会生活が破壊されている。膨大な金額が復興に必要になる」と述べ、継続的な支援が必要だと訴えた。

ウクライナ「義勇兵」に日本人70人が志願 50人が元自衛官
ウクライナ政府がロシアと戦う外国人「義勇兵」を募集しており、1日現在、約70人の日本人が志願している。在日ウクライナ大使館関係者が明らかにした。全員が男性で、元自衛官が多く「ウクライナの若い人が亡くなるぐらいなら自分が戦う」などと理由を語っているという。

日本政府はウクライナ全土の危険情報を最高度の「レベル4」(退避勧告)に設定している。林芳正外相は1日の記者会見で「在日ウクライナ大使館がそうした(義勇兵の)呼びかけをしていることは承知しているが、目的のいかんを問わず、同国への渡航はやめていただきたい」と強調した。在日ウクライナ大使館も、実際に義勇兵として派遣するか否かは日本政府と調整のうえで決めるとしており、人道支援などを担う可能性もある。

ウクライナ国旗を掲げる欧州連合加盟支持派デモ隊の女性(2013年12月21日)

トヨタ、供給網のもろさ露呈 サイバー攻撃で国内全工場停止
トヨタ自動車は1日、稼働を停止していた国内全14工場28ライン(日野自動車とダイハツ工業を含む)を2日から再開すると発表した。取引先の部品メーカーがサイバー攻撃を受けシステム障害で部品供給が困難になっていたが、暫定的にシステムを復旧させた。世界各国で被害が拡大している身代金要求型コンピューターウイルス「ランサムウエア」の疑いがあり、政府も実態把握を進める。サイバー攻撃を受けたのは、カーナビ周辺の「インパネ」と呼ばれる樹脂部品などを製造する小島プレス工業(愛知県豊田市)。

自民府連会長ら告発 京都の弁護士、議員買収の疑い
自民党京都府連が国政選挙の前、候補者から集めた資金を地元議員側に配った問題で、府内の弁護士グループが28日、府連会長の西田昌司参院議員と昨秋の衆院選で自民から立候補した6人について、公職選挙法違反(買収)の疑いで京都地検に告発状を出した。金を受け取ったとされる京都市議、府議ら52人(元職を含む)については同法違反(被買収)容疑とした。

17段に500体ひな人形 大名行列やマージャンの様子も 奈良

壺阪寺の礼堂で公開されている「大雛曼荼羅」=奈良県高取町

奈良県高取町の土佐街道で1日、町家や商店にひな人形を飾って春の訪れを告げる「町家の雛めぐり」が始まった。併せて壺阪寺(同町壺阪)では「大雛曼荼羅」が公開されている。町家の雛めぐりは16回目。街道の約60軒にひな人形を飾り、メイン会場の「雛の里親館」では17段に約500体を飾り付けた「天段の雛」を披露。「大名行列」やマージャンに興じる変わりびなも展示している。

一方、眼病封じの寺として信仰を集める壺阪寺では、礼堂(らいどう)(重要文化財)と大講堂に過去最多の約3000体を飾っている。礼堂には21段の特注のひな壇を設置し、中央に大日如来像、その奥に本尊の十一面千手観世音菩薩像が拝観できる配置となっている。

【1年前の今日の出来事】 2021年3月1日