2021年11月5日

特別国会、10日召集 会期3日間
松野博一官房長官は5日、衆院議院運営委員会に代わる各派協議会に出席し、衆院選を受けた特別国会を10日に召集すると伝えた。与党は会期を12日までの3日間とすることを提案し、立憲民主党も了承した。松野長官は参院議院運営委員会理事会にも10日召集を伝達した。

召集日に衆院正副議長を選ぶ。直後に首相指名選挙を行い、岸田文雄首相(自民党総裁)を第101代首相に選出。10日中に組閣が行われ、第2次岸田内閣が発足する。与党第1党から出すのが慣例の衆院議長について、自民党は細田博之元幹事長を推す方向で調整している。

18歳以下に現金給付 コロナ経済対策、政府・与党が調整入る
政府・与党は5日、新型コロナウイルス対応の経済対策の柱として、18歳以下の子どもへの現金給付を盛り込む調整に入った。公明党は一律10万円の支給を主張するが、政府内には全額現金での給付や、富裕層への支給に慎重な意見もあり、所得制限などを設ける案がある。自民、公明両党は両党幹事長による協議を8日に行い、具体的な制度設計を急ぐ。

経済対策では、マイナンバーカードの普及に向け、カードの新規取得者や保有者に対し、1人3万円分のポイントを付与する方向で調整。コロナ禍で生活が苦しい困窮世帯などへの5万円の現金支給や、原油高対策として、燃料代が経営を圧迫している農漁業者や中小事業者などを対象にした支援策も検討している。

中根千枝さん死去 94歳 社会人類学者「タテ社会の人間関係」
女性初の東京大教授で、100万部を超すロングセラー「タテ社会の人間関係」の著者として知られる社会人類学者、中根千枝さんが10月12日、老衰のため死去した。94歳。

東京都生まれ。津田塾専門学校(現津田塾大)を経て東大大学院修了。米シカゴ大客員助教授、英ロンドン大客員講師、東大助教授などを経て1970年に同大教授。同大東洋文化研究所所長、同大評議員なども務めた。87年に定年退職後は、帝京大教授、東京女学館大の初代学長などを歴任した。民族学振興会理事長、日本ユネスコ国内委員会会長なども務めた。95年に女性初の日本学士院会員となり、2001年には学術系で女性初の文化勲章を受章した。