日米首脳会談「台湾海峡の平和重要」 共同声明発表
訪米中の菅義偉首相は16日午後(日本時間17日朝)、ワシントンのホワイトハウスでバイデン米大統領と初めて対面で約2時間半、会談した。両首脳は中国の軍事的行動により緊張が高まる台湾情勢について意見交換し、会談後、「台湾海峡の平和と安定の重要性」を明記した共同声明を発表した。中国の東シナ海や南シナ海での海洋進出について「力による現状変更の試み、他者に対する威圧に反対する」との認識で一致。声明で香港と新疆ウイグル自治区の人権問題への「深刻な懸念」も盛り込んだ。会談では気候変動問題で日米の協力強化を図る「日米気候パートナーシップ」を立ち上げることで一致。脱炭素化に向け、日米で世界をリードしていく方針を確認した。
台湾「心から歓迎し感謝」
菅義偉首相とバイデン米大統領による日米首脳会談の共同声明に「台湾海峡の平和と安定の重要性」が明記されたことに対し、台湾の外交部(外務省に相当)は17日、「心から歓迎し感謝する」との声明を発表した。さらに、「私たちは日米と同じく自由、民主主義、人権の尊重などの価値観を重視している」と指摘。「理念が近い国と緊密に協力し、インド太平洋地域の平和と安定、繁栄を共に守っていく」と強調した。
中国、日米共同声明に反発 「干渉許さない」と不満を表明
在米中国大使館は17日、日米を強いトーンで批判する談話を発表した。台湾、香港、新疆ウイグル自治区の問題について「中国の根本利益に関わる問題で、干渉することは許されない」と主張。東シナ海と南シナ海の領土主権や海洋権益の問題も含め、「中国は国家の主権や安全、発展の利益を固く守り抜く」と強調した。
欧州メディア「日米は中国の脅威に立ち向かう約束した」
日米首脳会談の共同声明が台湾や香港、東シナ海などの問題に懸念を示したことを受け、欧州メディアは17日、中国の脅威に対応するため日米の連携が強化されたとの認識を示した。
英紙ガーディアン(電子版)は「日米首脳会談では中国が最重要議題として取り上げられた」とした上で、中国に強い態度で臨む米国を支えるために「日本が中心的な役割を果たすことが強調された」と分析した。フランス紙ルモンド(同)も、バイデン米大統領と菅義偉首相が「中国がもたらす『挑戦』に共に立ち向かうことを約束した」との見方を示した。
英紙デーリー・メール(同)は今回の会談について、「自己主張の強い中国に対応するために同盟関係の強化を重視するバイデン氏の姿勢を反映したものだ」と指摘。「日本はこれまで、中国との関係を悪化させる可能性のある措置には慎重に対応してきた」と振り返り、菅氏が今回、中国に対してより率直な姿勢を示したとした。
大阪府で新たに1161人感染 5日連続で1000人超え
大阪府は17日、府内で新たに1161人が新型コロナウイルスに感染したのを確認したと発表した。1日あたりの感染者が1000人を超えるのは5日連続で、過去3番目に多かった。