2021年8月18日

全国で新たに2万3918人が感染 27府県で過去最多
新型コロナウイルスの感染者は18日、全国で新たに2万3918人確認され、1日あたりの感染者数が最も多かった13日の2万361人を上回り、過去最多を更新した。感染者数が最多を記録したのは計27府県に上り、感染拡大が全国的に広がっている状況が浮き彫りとなった。重症者はこれまでで最も多かった前日に比べ70人増の1716人。死者は29人だった。

感染者数が最多となったのは、大阪(2296人)、千葉(1692人)、福岡(1253人)、愛知(1227人)、兵庫(1088人)、沖縄(761人)、静岡(590人)――の各府県など。大阪は2000人、愛知、兵庫は1000人を初めて超えた。東京都でも18日、過去2番目に多い5386人の感染が新たに確認された。

崩れる首相のシナリオ…現実味帯びる「菅降ろし」
新型コロナウイルスの感染拡大で緊急事態宣言が9月12日まで延長されたことを受け、菅義偉首相が想定した9月上旬の衆院解散、その後の自民党総裁選での無投票再選というシナリオは事実上、崩壊した。首相は解散までの新たな道筋を探ることになるが、内閣支持率は「危険水域」に沈んでおり、このまま低空飛行が続けば「菅降ろし」も現実味を帯びてくる。

首相は当初、9月5日のパラリンピック閉幕直後に臨時国会を召集し、冒頭で解散。総選挙に勝利した上で、先送りした自民党総裁選を無投票で乗り切るシナリオを描いていた。そのシナリオも、宣言を9月12日まで延長したことで「事実上崩壊した」(政府関係者)。首相が解散の条件に挙げていたのは「コロナの収束」。「宣言中の解散なんかできるはずがない」。首相に近い党幹部は漏らす。

今月22日には首相の命運を左右する横浜市長選が控える。「お膝元」で首相が支援する小此木八郎前国家公安委員長が敗北する事態となれば、求心力を一気に失いかねない。政府関係者は危機感を募らせる。「地元でも勝てないとなれば、首相のメンツは丸つぶれだ」。新たな「選挙の顔」を求め、党内が浮足立つ可能性も出てくる。