【2021年版】FITが終了!太陽光発電のメリット・デメリット(EnergyShift 2021/03/03)より抜粋
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太陽光発電とは
太陽光発電は、太陽光をエネルギーとして電気を作る発電方式です。
火力発電に使われる化石燃料や、原子力発電に使われる核燃料は限りがある資源ですが、太陽光は自然エネルギーであるため枯渇する心配がありません。そのため、持続可能な発電方式の1つとして、将来的に主要電源となることが期待されています。
住宅用太陽光発電
太陽光発電のうち、発電出力が10kW未満の小規模なものを住宅用太陽光発電と呼びます。一般的な住宅の屋根に設置されている太陽光発電設備は、ほとんどが住宅用太陽光発電に分類されるものです。
住宅用太陽光発電は、発電した電力を自家消費しつつ、余った電力を売却できる「余剰売電」の対象です。
産業用太陽光発電
太陽光発電のうち、発電出力が10kW以上のものを産業用太陽光発電、あるいは事業用太陽光発電と呼びます。工場や商業施設の屋根、空き地へ広範囲にわたって設置されている太陽光発電設備が、産業用太陽光発電に該当します。また、住宅に設置する場合であっても、発電出力が10kW以上であれば区分は産業用太陽光発電です。
2020年度から、50kW未満の産業用太陽光発電は原則として余剰売電の対象となり、発電した電力すべてを売却する「全量売電」は50kW以上の場合にのみ適用されます。
なお、発電出力が10〜50kWの太陽光発電設備は「低圧」に、50kW以上の太陽光発電設備は「高圧」に分類されることとなっており、高圧は低圧にはない以下のような設備・手続きが必要となります。
◯ キュービクル(変圧器)の設置
◯ 保管規定の届出、電気主任技術者の選任
◯ 第一種工事士、認定電気工事従事者による作業
事業を行うために必要なコストが増え、手続きにかかる時間や労力が増えるため、個人の発電事業者は10~50kWの低圧物件を扱うケースがほとんどです。
太陽光発電の仕組み
太陽光発電は、太陽から届く光エネルギーを直接電気に変換する「太陽電池」を使うことで発電しています。太陽電池は、2種類の半導体を接合して構成されています。
◯ p型シリコン半導体:プラスを帯びやすい
◯ n型シリコン半導体:マイナスを帯びやすい
2種類の半導体を貼り合わせた太陽電池に太陽光を当てると、太陽電池に生じた正孔(+)はp型シリコン半導体に、電子(-)はn型シリコン半導体に集まるのです。太陽光が当たっている太陽電池は、上記の特性によってプラス極とマイナス極のある乾電池と同じ状態になり、電線をつなげると電気が流れます。
太陽光パネルは、いくつもの太陽電池を接続して構成されたパネルです。最小単位を「セル」、セルを複数つなげたものを「モジュール」、モジュールを複数つなげたものを「アレイ」と呼びます。
上記のように複数の太陽電池が組み合わさり、太陽の光エネルギーを電気に変換する太陽光パネルとなります。太陽光パネルによって変換された電気は「直流」となっており、家庭で使ったり電力会社に売却したりするために、パワーコンディショナと呼ばれる機器を使って「交流」の電気に変換します。その後、分電盤と呼ばれる機器を通じて家庭内に供給したり、電力会社へ送電するため電柱に送られたりする仕組みです。
太陽光発電のメリット・デメリット
太陽光発電のメリット
太陽光発電は、将来的に日本の電力供給を支える主要電源の1つになることが期待されています。火力発電や原子力発電など、これまで日本の電力供給を支えてきた発電方式と比べて、太陽光発電は以下の点で優れています。
◯発電時に二酸化炭素を排出しない
◯設置場所の制約が比較的少ない
◯発電のための燃料調達が不要
太陽光発電は、発電の際に二酸化炭素を排出しません。また、太陽光発電は設置場所の制約が比較的少なく、住宅や工場の屋根、空き地など日射量を確保できるあらゆる場所に設置可能です。立地条件や必要面積に制約がなければ、発電所の導入はハードルが下がるため、普及拡大が容易だといえるでしょう。
そして、太陽光発電は発電のための燃料を調達する必要がありません。主要電源である火力発電は化石燃料、今後再稼働が検討される原子力発電は核燃料が燃料として必要であり、これらの大部分は輸入によってまかなわれています。現状の「エネルギー供給を海外に頼っている状況」は、太陽光発電を始めとする再生可能エネルギーの普及拡大によって解消されることが期待されます。
太陽光発電のデメリット
太陽光発電には優れた点が多くある一方、デメリットもあります。
◯発電効率が20%程度と低い
◯発電できる時間帯が決まっている
◯天候による発電量の変動が予想しづらい
太陽光発電の発電効率は20%程度であり、発電効率が80%程度の水力発電、20~40%程度の風力発電に比べて低水準です。また、太陽光発電の発電状況は日射量に左右されます。日が昇っていない時間帯は発電できないため、夜間の電力需要に対応できないことが課題とされています。
発電が日射量に依存する特性上、天候の変化による発電量の変動も避けられません。想定より悪天候が続いて発電量が予測を下回ることも、好天候が続いて発電量が想定値を超えることもあり、予測が困難である点はエネルギー供給の手段として心もとないといえるでしょう。能動的に発電量を調節できる火力発電や原子力発電と比べて、太陽光発電は「安定的な発電」という観点に課題が残っています。
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