日本「近くて重要な隣国」 安保戦略で連携強調 韓国
韓国大統領府は7日、尹錫悦政権の外交や安全保障の基本方針を示す「国家安保戦略」を公表した。日本を「近くて重要な隣国」として安保や経済などの協力相手に位置付けた。
戦略の公表は昨年5月の尹政権発足後初めて。文在寅前政権の戦略では日本について「歴史歪曲および独島(竹島の韓国名)に対する不当な主張には断固として対応する」と記述していたが、論調を改めた。
新たな安保戦略では、北朝鮮の核・ミサイルを「安全保障上最優先の脅威」と定義した。脅威の高まりで、米韓同盟や日米韓の安保協力がかつてなく重要になっていると訴え、抑止力強化の方針を示している。
日本については「自由や民主主義、人権といった普遍的価値を共有する」と明記した。3月の元徴用工訴訟問題の解決策発表と、その後の日韓首脳間のシャトル外交復活で「関係正常化という目標を目に見える形で達成した」と強調している。1998年の日韓共同宣言の精神を受け継ぎ、過去を直視しつつ新しい未来をつくると訴えた。
ウクライナのダム決壊で安保理緊急会合 非難の応酬、影響深刻
国連安全保障理事会は6日(日本時間7日午前)、ウクライナ南部ヘルソン州にあるカホフカ水力発電所のダム決壊を受けた緊急会合を開いた。ウクライナ、ロシア双方が相手側の攻撃だと主張する中、欧米は「ロシアの侵攻がもたらした結果」だとしてロシアの責任を追及。ロシアはウクライナによる「考えられない犯罪」だとして非難の応酬を繰り広げた。
緊急会合は、ロシアとウクライナ双方が開催を要請した。
会合に先立ち、グテレス事務総長は6日、記者団にダム破壊に至った状況は分からないとしながらも、「一つだけはっきりしているのは、これもロシアのウクライナ侵攻による壊滅的な結果であることだ」と言明。「安全で確実な人道的なアクセスを緊急に求める」と訴えた。
洪水ピーク、4万人被災か ダム決壊、州都避難間に合わず
ウクライナ南部ヘルソン州で6日に起きたカホフカ水力発電所の巨大ダム決壊による洪水は7日、ドニエプル川の水位がさらに上昇し、ピークに達したとみられる。被災住民は両岸で4万人近くと推定されている。州都ヘルソンでは組織的な避難や救助が間に合わず、取り残された人がいるもようだが、被害の全容は不明だ。
今年の世界成長、2.7%に上げ 下方リスクに警鐘…OECD
経済協力開発機構(OECD)は7日発表した最新の経済見通しで、2023年の世界の成長率を2.7%と、3月時点の予想から0.1ポイント上方修正した。原油相場の下落による景気の押し上げや中国経済の活性化を反映した。ただ、物価の高止まりに伴う追加利上げ懸念など、「大きな不透明感と下向きリスク」に警鐘を鳴らし、24年の成長率は従来の2.9%に据え置いた。
OECDのチーフエコノミスト、クレア・ロンバルデリ氏は「世界経済は(難局を)脱しつつあるが、力強く持続可能な成長の実現には長い道のりが待ち構えている」と指摘した。
4月の景気指数、3カ月連続改善 基調判断は据え置き「足踏み」
内閣府が7日発表した4月の景気動向指数は、景気の現状を示す「一致指数」(2015年=100、速報値)が前月比0.2ポイント上昇の99.4となり、3カ月連続で改善した。基調判断は据え置き、5カ月連続で「足踏み」とした。
一致指数を構成する項目では、米国や欧州向けが堅調だった輸出数量指数が上昇した。耐久消費財出荷指数も、自動車や二輪車が伸びて改善した。一方、商業販売額(小売業)は押し下げ要因となり、半導体製造装置などの減少を背景に生産指数もやや下落した。
数カ月先の景気を表す「先行指数」は0.7ポイント上昇の97.6だった。上昇は2カ月ぶり。
生活保護申請、22年度は24.5万件 前年度比6.9%増
2022年度の生活保護申請が計24万5686件(速報値)となり、前年度から6.9%増えたことが7日、厚生労働省の統計で分かった。増加は3年連続。新型コロナウイルス禍の長期化や物価高が影響したとみられる。
厚労省によると、今年3月の生活保護申請は2万4493件で、前年同月と比べ23.7%増えた。比較可能な13年4月以降で過去2番目の伸び率。3カ月連続の増加となった。今年2月も20.5%増で、伸び率が高い状況が続いている。
担当者は、22年度と今年3月の申請の増加に関し「コロナ禍での経済情勢の動向などが要因だが、特定はできない」と話している。
マイナンバー、家族で同じ口座登録13万件 誤登録は748件
河野太郎デジタル相は7日、マイナンバーと連携した公的給付金の受取口座約5400万件を点検した結果、本人名義ではない口座が誤って登録されていたケースが748件あったと発表した。また、家族内で同じ口座を登録していたケースが約13万件あったことも明らかにした。
マイナンバーに全く別人の口座が誤って登録されているケースが複数あることが5月23日に明らかとなり、これまで15自治体で21件確認されていた。いずれも、自治体の登録支援窓口にある共有端末で登録する際に、前の人がログアウトせずに次の人が登録したことが原因。デジタル庁は、そうした誤登録が他にもないか総点検していた。
防衛産業の強化法案、賛成多数で成立 国の財政支援可能に
防衛産業の生産基盤強化法が7日、参院本会議で自民、公明、立憲民主、日本維新の会、国民民主各党などの賛成により可決、成立した。共産党とれいわ新選組などは反対した。同法は国内の防衛産業を支援するため、製造工程の効率化やサプライチェーン(供給網)強化の経費を政府が負担するのが柱となる。
防衛装備品の輸出促進に向け、相手国の要望で仕様を変える場合、基金から助成金を交付する。企業が取り組むサイバー攻撃対策の強化費も支援。装備品の性能などの秘密漏えいを防ぐため「1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金」の刑事罰を盛り込んだ。
自衛隊の任務に不可欠な装備品の製造が困難になった際は国が工場を買い上げ、企業に管理を委託できるようにする。野党の一部からは、戦前に存在した軍直属の「工廠(こうしょう)」の復活につながりかねないとの批判も上がった。
国家公務員の女性採用率、過去最高38% トップは5割超の外務省
内閣人事局は6日、今年4月1日付で採用した国家公務員のうち女性の割合が前年から1.5ポイント増えて38.7%となり、過去最高を更新したと発表した。2020年に閣議決定した「第5次男女共同参画基本計画」で定めた政府目標の「35%以上」を5年連続で超えたことになる。100人以上を採用した省庁別では外務省が53.5%でトップだった。
内閣人事局によると、国家公務員に採用された9063人のうち、女性は3504人。幹部候補とされる総合職799人のうち、女性は287人で35.9%となった。
NEC、生成AIの独自開発と提供検討 森田社長「期待してほしい」
NECの森田隆之社長は、精巧な文章や画像を自動で作れる生成人工知能(AI)を独自に開発し、新サービスとして提供する検討を進めていると明らかにした。利用者の質問に信頼性のある回答をすることを視野に入れている。報道各社のオンラインでの取材に答えた。
「しかるべきタイミングで発表する。期待してほしい」と述べた。提供開始時期は明確にしなかった。生成AIは「インターネットの登場に匹敵するくらい、社会に大きな影響を及ぼすものだ」と語った。
今後は事業領域ごとに特化したAIの利用が広がるとも予測した。NECとしてはAIが学習に使うデータを管理し、AIが著作権を侵害しないようにするなど課題の解消を目指す。既に普及している生成AIを利用する顧客のサポートにも取り組む。
8日から9日にかけて大雨の恐れ 西日本と東海、関東甲信…気象庁
低気圧や前線の影響で、西日本から東日本の太平洋側では8日から9日にかけて雷を伴った警報級の大雨となる恐れがある。気象庁は土砂災害や河川の増水・氾濫、低い土地の浸水に警戒を呼びかけている。
気象庁によると、日本の東にある低気圧が東北東に進み、北上した前線が8日から9日にかけて西日本から東日本に停滞する見込み。西から湿った空気が流れ込み、九州南部を中心に大雨になる可能性がある。
8日午後6時までの24時間雨量は、いずれも多いところで、九州南部180ミリ▽九州北部120ミリ。9日午後6時までは、九州南部、四国、近畿、東海、関東甲信100~200ミリ▽九州北部50~100ミリ。2~3日に記録的な大雨が降った地域では、少ない雨量でも土砂災害の危険が高まりやすいとしている。
また、気象庁は、6日午後9時にフィリピンの東にある熱帯低気圧が台風3号になったと発表した。
【1年前の今日の出来事】 2022年6月7日