脳の老化を遅らせるのに有効な運動は? 認知症予防に有効な5つの食材とは?…精神科医が解説

認知症を予防する食事とは? 社会

認知症は予防できる?脳の老化を遅らせるのに有効な運動は…精神科医が解説

認知症を予防する運動について、精神科医が解説します!

認知症は予防できる?脳の老化を遅らせるのに有効な運動は|精神科医が解説(yoga journal 2023-03-08)

豊田早苗

認知症を予防するには、運動が一番!とよく耳にします。

ですが、どのような運動をどの程度行うと認知症を予防できるのかなど具体的な内容については、あまり知らない方も多いのではないでしょうか?

そこで、今回は、認知症を予防する運動について具体的に説明していきます。

散歩、ウォーキング

散歩やウオーキングは、今まで運動習慣がなかった方でも始めることができる最も手軽な運動であり、脳の老化を遅らせる効果があると言われている有酸素運動の1つです。

ウォーキングには、大脳や海馬(記憶を司る部位)のアセチルコリン神経を活性化する作用があります。

アセチルコリン神経が活性化すると、脳内に大量のアセチルコリンが分泌され、血管が拡張し、脳血流がよくなる事が分かっています。

また、アセチルコリンには、脳神経細胞のダメージを軽減する作用もあり、脳の老化を防ぐには重要な物質です。

さて、実際、どの程度のウォーキングを行うと脳の老化を遅らせ、将来的な認知症発症を防ぐことができるのでしょうか?

それは、ズバリ、「1日5000歩以上、少し息が弾む程度の早歩きで7.5分以上行う」です。

1日5000歩、7.5分は、一度に行う必要はありません。2〜3回に分けても大丈夫です。

1日のトータルとして、5000歩以上、7.5分以上のウォーキングを行っていればOKです。

どうですか?

できそうですか?

まずは、週に2回〜3回行うことから始めてみましょう!

また、ウォーキングのコースは、毎回、少し変える方が良いです。毎回違うコースにすることで、脳に新しい刺激を与える事ができ、脳の働きを活発にすることができます。

ラジオ体操

ラジオ体操

ラジオ体操と聞いて、懐かしい子供の頃の記憶が蘇った方もおられるのではないでしょうか?

この懐かしいラジオ体操には、実は、先に紹介したウォーキングに勝るとも劣らない効果があリます。

ラジオ体操はご存知の通り、リズミカルな音楽に合わせて、決められた動作を行います。

しかも、ラジオ体操は、1区切り3分程度の中で、13種類の動きを行う全身運動です。

ラジオ体操を行うことで、全身の血液循環が良くなり、脳にたくさんの酸素とエネルギー源を届ける事ができるようになります。

脳は、体の中で最もたくさんの酸素とエネルギーを必要とする臓器です。

たくさんの酸素とエネルギー源を受け取った脳は、元気に活発に働く事ができ、脳機能を維持していくことができます。

実際、ラジオ体操を毎日の日課として行っている方を調査すると、認知機能の向上が認めれたとする研究報告もあります。

ヨガ

自律神経を整えたり、ストレスを軽減させる効果があるとして注目されているヨガですが、実は、認知症を予防する効果もあることが分かってきました。

特に、身体の動き(ポーズ)と呼吸に重点を置く「ハタヨガ」が効果が高いと言われています。

ヨガを行うことで、コルチゾールと呼ばれるストレスホルモンが減少し、前頭葉と海馬における情報ネットワークが増え、働きが良くなると言われています。

前頭葉は、脳の司令塔。

注意力や集中力、記憶力や言語力、思考力や計画力、コミュニケーション力など様々な認知機能に関与している重要な場所です。

しかも、脳の老化は、前頭葉から始まると言われていますから、ヨガによって前頭葉を活性化できることは、脳の老化を防ぐことに直結します。

例えば、猫のポーズなど、初心者でも家庭で簡単に行うことができるポーズもあるので、この機会に、ヨガにトライしてみては、いかがでしょうか?

まとめ

脳の老化を遅らせ、将来的な認知症発症を予防する効果があると言われている運動について具体的に説明してきました。

今回紹介した運動は、どれも手軽に行うことができるものばかりです。

今まで運動なんてしていなかったという方も、この機会に自分のペースで構いませんので、始めてみていただけると嬉しいです。

認知症予防にカレーがいい?脳の老化を遅らせるのに有効な5つの食材とは…精神科医が解説

認知症を予防する食事とは?

認知症予防にカレーがいい?脳の老化を遅らせるのに有効な5つの食材とは|精神科医が解説(yoga journal 2023-03-06)

豊田早苗

脳の老化は、40歳頃から始まり、将来、認知症を引き起こす最大の原因と言われています。この記事では、脳の老化を防ぎ、将来の認知症を予防する身近な食材について紹介していきます。

牛乳、乳製品

牛乳やチーズなどの乳製品には、他の食品にはあまり含まれていない短鎖脂肪酸が多く含まれています。

短鎖脂肪酸とは、脳のエネルギー源となるケトン体を効率的に生成し、脳が活発に働くことをサポートする成分で、短鎖脂肪酸の1つである酪酸を1日180mg(牛乳ならコップ1杯、プロセスチーズなら20g)摂取することで認知機能が低下するリスクを15%軽減できることが分かっています。

また、ホエイ(牛乳から乳成分とカゼインを除いた成分)やカマンベールチーズには、「WYジペプチド」(アミノ酸の1種)が多く含まれています。

「WYジペプチド」には、脳のゴミであるアミロイドβを除去するミクログリア(脳の免疫細胞)の働きを活発にし、認知機能の低下を防ぐ効果があります。

ビタミンCを含む食べ物

ビタミンCを含む食べ物

ビタミンCは、ピーマンやブロッコリー、キウイフルーツなどに多く含まれている水溶性ビタミンです。

そして、ビタミンCは、抗酸化作用を持つ水溶性ビタミンで、脳が活動することによって発生する活性酸素によって脳細胞がダメージを受けることを抑える働きがあります。

特に、認知症を発症する遺伝的要素をもつ方では、日頃よりビタミンCを摂取することで、将来の認知症発症を予防できると言われています。

ただし、認知症を予防するためには、ビタミンC単独ではなく、ビタミンEと一緒に摂取する必要があります。

ビタミンEを豊富に含むアーモンドやヘーゼルナッツを果物に添えて食べたり、ひまわり油やオリーブ油で野菜を炒めて食べると効率良くビタミンCとEを同時に摂取でき、おすすめです。

葉酸を含む食べ物

葉酸を含む食べ物

レバー、枝豆、ほうれん草に多く含まれる葉酸は、ビタミンB群の一種です。

葉酸には、動脈硬化を引き起こしたり、アミロイドβの毒性を強めるホモシステインを減少させる作用があります。

そして、葉酸は、ビタミンB12と一緒に摂取することで老化による認知機能の低下リスクを軽減すると言われています。

ご飯に、焼き海苔、しじみのお味噌汁にほうれん草のおひたし。

昔ながらの日本の朝食は、葉酸とビタミンB12を一緒に摂取することができる最高のメニューです。

カレー

カレーのスパイスとして使用されるターメリックに含まれているクルクミンには、脳のゴミであるアミロイドβが脳に溜まる速度をゆっくりにしたり、すでにできてしまった老人斑(アミロイドβの集まり)の分解を促す作用があります。

ただ、クルクミンは胃酸によって分解されやすいため、脳に十分な量が届くためには、例えば、カレーライス10杯など、かなりの量を食べる必要があるので、効率的とは言えませんので注意が必要です。

大葉、青じそ

大葉や青じそには、ロスマリン酸(ポリフェノールの一種)が多く含まれています。

ロスマリン酸は、脳内におけるモノアミン(ドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニンなど)の分泌を促し、アミロイドβやαシヌクレインの凝集を抑制する作用があります。

アミロイドβの凝集は、アルツハイマー型認知症との関連、αシヌクレインの凝集は、レビー小体型認知症との関連が示唆されています。

まとめ

老化による認知機能の低下を防ぐ効果があると言われている身近な食材について簡単に説明しました。

「この食材が良い!」と言われると、その食材を積極的に摂取したくなりますが、認知症予防の基本はバランスの良い食事です。

紹介した食材ばかりを摂取するのではなく、食事全体のバランスも考えた上で、今回紹介した食材を毎日の食事に取り入れるように心がけていただければと思います。

豊田早苗

鳥取大学医学部医学科卒業後、総合診療医としての研修及び実地勤務を経て、2006年に「とよだクリニック」を開業。2014年には「とよだクリニック認知症予防・リハビリセンター」を開設。「病気を診るのではなく、人を診る」を診療理念に、インフォームド・コンセントのスペシャリストと言われる総合診療医として勤務した経験を活かした問診技術で、患者さん1人1人の特性、症状を把握し、大学病院教授から絶妙と評される薬の選択、投与量の調節で、マニュアル通りではないオーダーメイド医療を行う。精神療法、とくに認知行動療法を得意とし、薬を使わない治療も行っている。