元維新市議 架空の見積書依頼か 知人にLINEで 政活費不正疑惑(毎日新聞 2022/7/25 06:00 最終更新 7/25 09:47)
政務活動費(政活費)で購入した商品の納品書を偽造したとして「兵庫維新の会」を除名された兵庫県尼崎市の光本圭佑市議(42)=3期目=が、知人の電器店経営者に無料通信アプリ「LINE(ライン)」で架空の見積書作成も依頼した疑いがあることが、関係者への取材で判明した。市議会は、光本市議が政活費の不適切な処理を繰り返したとみて調べている。
納品書の偽造は6月の市議会で表面化。光本市議は大手家電量販店でパソコンなどを購入したとして、2021年9月、所属していた会派が政活費を管理する口座から約76万円を出金した。
光本市議は使途を証明する資料として、市議会事務局にパソコンなどの納品書を提出していたが、この納品書が偽造されたものだったことが会派の調査で発覚。光本市議は「レシートを紛失したため、パソコンデータと紙を切り貼りした」「後で差し替えればよいと思った」などと釈明し、購入自体は事実だと主張していた。
さらに、21年6月にも口座から75万円を出金したまま会計処理をせず、9カ月後に同額を戻していたことが判明。光本市議はこれについてもパソコンなどを購入する目的で、「電器店に現金を先に支払ったが、店が商品をそろえられず、契約をキャンセルした。店側が失念していたため、返金が遅れた」と説明した。
しかし、光本市議の知人である電器店経営者が「実際は現金を受け取っていない」と会派の調査に証言。22年5月31日、光本市議からLINEで架空の見積書作成を依頼されたとも明かしたという。
一連の出金を不審に感じた市議会事務局が関連資料の提出を求めており、実際にこの見積書も提出されていた。光本市議が出金を正当化するために見積書を使おうとした疑いがある。
兵庫維新の会は6月17日に光本市議を除名処分とし、市議会は同28日、全会一致で辞職勧告を決議した。
毎日新聞の取材に対し、光本市議の代理人弁護士は「個別の質問への回答は差し控えさせていただきます」とメールで回答した。