海面上昇幅が過去最大に、水温と酸性度も記録更新=世界気象機関(ロイター編集 2022年5月19日)
世界気象機関(WMO)の5月18日公表の年次世界気候報告書によると、世界で海水面が2013年から21年の年間平均で4.5センチ上昇し、過去最大幅になった。1993年から02年までと比べると上昇幅は2倍になった。21年の海洋の温度と酸性度もこれまでで最も高かった。温暖化に伴って氷床の溶解が加速し、温室効果ガスである二酸化炭素(CO2)の大気濃度上昇で海洋のCO2吸収量も増加。海洋環境への影響に懸念が生じることになる。
海洋は地球に蓄積される熱の約90%、CO2年間排出量の約23%を吸収している。報告書は海水温の上昇ペースが過去20年で著しく加速しただけでなく、今後さらに上がると想定。元に戻るにしても何百年、何千年とかかる可能性が大きいと警告した。
WMOのターラス事務局長は声明で「われわれの目の前で気候が変わりつつある。人間の活動が温室効果ガスにつながり、これと共に大気に閉じ込められた熱はこれから何世代にもわたって地球の温度を上げ続けるだろう」と懸念を示した。