金子勝「保健所そのものが異様に弱体化している」金子が語る大阪の感染爆発の理由とは?(文化放送 2022年2月4日)
大阪で、コロナ感染者数の申告漏れが発生した。2月4日の「大竹まこと ゴールデンラジオ」(文化放送)で、『大竹紳士交遊録』に経済学者の金子勝が登場し、大阪のコロナ対策の不備について、理由を推測した。
大阪市で新規感染者を報告する発生届の登録について約1万3000件の遅れが生じており、このうち約7000件について加えたため大幅に増加した。この問題について金子氏は
「この問題を大きく報じないメディアの姿勢について思うところはあるが、大阪のこういう失敗を大阪モデルとして批判検証していくと、今後の対策につながっていくんじゃないかと思う。身を切る改革がいかに人間の生命や健康をおろそかにしたかが明らかだし、経済を痛めつけるということも良くわかった」
検査の数がなかなか出てこなくなったのはなぜなのか、金子は理由についてこう推測した。
「まず、2000年の4月に大阪市の保健所が一つになった。しかも、各区の保健所を保健福祉センターに格下げして、維新の下でどんどん非正規になっている。おまけに二重行政を正すと言って、大阪市にある検査や研究を担う環境科学研究所と、大阪府の保健所を指導監督する地方公衆衛生研究所を統合して、独立行政法人になって民営化した。責任をもって検査をして割り振ったりする保健所そのものが異様に弱体化している」
突出して死者数が多いのは何故か。
「根本は、厚生労働省が病床削減策を2018年から強化した。病床機能再編支援事業。いち早く大阪は乗っかって大阪市立の住吉市民病院を閉院した。コロナ対策を民間の病院は金もうけにならないからやらない。結果として、大阪は人口100万人あたり7.4人。全国平均2.8人。2倍以上。累計で見た死者数を見ても、大阪は357.2人。全国平均は150人」
「高齢化が進む中で自宅療養を進めましょうとやっているが、医療ひっ迫を起こしたのは誰だという話。厚生労働省でしょう? この路線をいまだに続けようとしている」と警鐘を鳴らした。
「大竹まこと ゴールデンラジオ」は午後1時~3時30分、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。