デルタ株よりも強い感染力を持つ「オミクロン株」、欧州・豪で確認相次ぐ 世界は戦々恐々

新たな「オミクロン株」_世界各国で水際対策を強化 国際

新型コロナウイルスの「オミクロン株」の出現に世界は身構えている。各国で入国制限が強化され、今後の感染拡大によってはロックダウン(都市封鎖)が現実味を帯びる。経済の回復期待が高まっていただけに、危機再来が警戒されている。

オミクロン株はこれまでの変異株よりも感染力が高く、一度かかった人やワクチンを打った人で備わった免疫をすり抜けて感染が広がってしまう心配がある。

南アフリカで新たな変異株が見つかったことに株式市場は大きく反応し、世界同時株安の様相となった。

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オミクロン株、欧州で急拡大 WHO報告からわずか4日

南アフリカなどで確認された新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の感染が、欧州で急拡大している。

28日までに英国、ドイツ、イタリア、オランダなどで新たに感染者が確認された。米国は国内では27日時点で未確認だが、アフリカ南部への渡航中止を勧告するなどして警戒を強めている。28日にはオーストラリアでもアフリカ南部から到着した2人のオミクロン株感染が確認された。

「オミクロン株」 欧州で感染確認 イスラエル全外国人入国制限 NHK 2021年11月28日 11時52分

オミクロン株の警戒度、日本も最高レベルに 感染研、監視を強化

国立感染症研究所は28日夜、新型コロナウイルスの新しい変異株「オミクロン株」を「懸念すべき変異株」(VOC)に指定し、三つの段階のうち、最も警戒度が高いレベルに引き上げた。世界保健機関(WHO)も26日、既にVOCに指定している。

感染研は26日、2番目に高い「注目すべき変異株」(VOI)に指定していたが、欧州などの各国で感染例が相次いでいることを受け、監視をさらに強化することにした。日本政府は28日から、オミクロン株を巡る水際対策の対象をアフリカの計9カ国へ拡大している。

29日に岸田首相は、「30日午前0時より外国人の入国について全世界を対象に禁止する」と述べた。

オミクロン株、習氏と同じ「Xi」避けた? 米の対中強硬派が批判

世界保健機関が新型コロナウイルスの新たな変異株を、ギリシャ文字の15番目のアルファベットから「オミクロン株」と名付けたことに対し、「中国への過度な配慮だ」と米国の対中強硬派が批判している。

14番目の「クサイ」が習近平・中国国家主席の名字である「習」の英語表記「Xi」と同じため、一部では「あえて避けた」との見方も出ているようだ。

「オミクロン株」ショック 世界同時株安、NYは一時1000ドル安

新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」が、回復基調にある世界経済に冷や水を浴びせている。

祝日明け26日の米ニューヨーク株式市場では、景気回復が遅れるとの警戒感が広がり、ダウ工業株30種平均の下げ幅が一時、1000ドルを超えた。終値は前営業日比905.04ドル安の3万4899.34ドルと、約1カ月半ぶりに3万5000ドルの大台を下回った。

世界的な感染再拡大の懸念から、アジアや欧州市場でも軒並み株価が下落し、世界同時株安の様相となった。

航空機などの燃料需要が落ち込むとの見方も広がり、原油価格は急落。26日のニューヨーク原油先物相場では、基準となる米国産標準油種(WTI)が約2カ月半ぶりに1バレル=70ドルを割り込んだ。

投資家は株式や原油先物などリスクの高い資産から、安定性の高い投資先に資金を移し始めた。26日のニューヨーク外国為替市場では、比較的安全とされる円に買いが殺到。午後5時時点では、祝日前の24日と比べ1円92銭円高・ドル安の1ドル=113円44~54銭で取引された。

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