WHO、南ア変異株を「オミクロン株」と命名 各国は警戒を強める

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南アフリカなどで見つかった新型コロナウイルスの新しい変異株について、世界保健機関(WHO)は26日、デルタ株などと同様の「懸念される変異株」(VOC)に指定し、ギリシャ語のアルファベットからオミクロン株と名付けたと発表した。感染が広がる危険性が高いとして注意を呼びかけている。

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南アで新たな変異株を検出 「これまでで最も激しい変異」

南アで新たな変異株を検出 「これまでで最も激しい変異」(ジェイムズ・ギャラガー、保健・科学担当編集委員 BBC News 2021年11月26日)より抜粋

南アフリカで新たな変異株が検出 「最も激しい変異」「最悪の変異株」

南アフリカで、新型コロナウイルスの新たな変異株が検出されたと、専門家らが25日に発表した。ヒトの免疫反応を回避する特性を持つ恐れがあるとして、懸念が高まっている。

今回発見された新型ウイルスの変異株は、これまでで最も激しい変異がみられ、ある科学者は「恐ろしい」と語った。また、別の科学者は私に、「これまでに見た中で最悪の変異株」だと述べた。

新たな変異株への感染は初期段階にあり、症例のほとんどは南アフリカの1つの州に集中している。ただ、感染が広がっている可能性も示唆されている。

この変異株がどれくらいの速さで拡散するのかや、ワクチン接種で獲得した防御機能の一部を回避する能力がどれくらいあるのか、そして我々は何をすべきなのかといった疑問が浮上している。

多くの憶測が飛び交っているが、明確な答えはほとんどない。

はるかに多くの変異

南アフリカで検出された変異株は「B.1.1.529」と呼ばれる。世界保健機関(WHO)は26日にも、ギリシャ文字を使用した名称を付ける。WHOはこれまでにも、イギリスで最初に特定された「B.1.1.7」系統を「アルファ」、インドの「B.1.617.2」系統を「デルタ」などと名付けている。

変異株「B.1.1.529」には信じられないほど激しい変異がみられる。南アフリカの感染症流行対応・イノベーション・センターの局長、トゥーリオ・デオリヴェイラ教授は、「特異な変異の集まり」がみられるとし、これまでに流行したほかの変異株とは「非常に異なる」と述べた。

「この変異株に我々は驚かされた。予想していたよりも大きな進化を遂げ、はるかに多くの変異が起きている

デオリヴェイラ教授は記者団への説明で、全体で50の変異があり、そのうち30以上の変異がスパイクたんぱく質にみられたと説明した。ウイルスの表面にあるスパイクたんぱく質には人体の細胞に入り込むカギの役割があり、現在開発されているほとんどの新型ウイルスワクチンはこのスパイクたんぱく質を標的としている。

さらに、受容体結合ドメイン(RBD、スパイクタンパク質の中で、人体の細胞の表面に最初に触れる部分)を見てみると、世界中に広まったデルタ株では2つしかなかった変異が10も確認された。

これだけの変異があるということは、ウイルスを撃退できなかった1人の感染者から発生したものである可能性が高い。

ワクチンが効きにくくなる可能性

変異の数が多いからといって、必ずしも悪い状況だというわけではない。これらの変異が実際にどういう働きをするのかを知ることが重要だ。

ただ、懸念すべきなのは、この変異株が中国・武漢で発生した最初の新型ウイルスとは根本的に異なるという点だ。つまり、従来株を用いて開発された新型ウイルスワクチンが、新たな変異株にはそれほど効かない可能性がある。

これらの変異の中には、これまでの変異株で確認されたものもあるため、どんな働きをするのかある程度の洞察が可能だ。

例えば、N501Yと呼ばれる変異では、新型ウイルスが広がりやすくなるとみられる。ほかにも、抗体がウイルスを認識しづらくなり、ワクチンが効きにくくなる可能性のある変異や、全く新しい変異もある。

南アフリカのクワズール・ナタール大学のリチャード・レッセルズ教授は、「このウイルスは感染力が強まり、ヒトからヒトへ感染を広める能力が高まっているだけでなく、免疫システムの一部を回避できるのではないかと懸念している」と述べた。

これまでにも、恐ろしいとされた変異株が、実際にはそうでもなかったという例は数多くある。今年の初めには、免疫システムを回避できるベータ株が最も懸念されていた。しかし最終的に世界を席巻したのは、より速いスピードで拡散するデルタ株だった。

英ケンブリッジ大学のラヴィ・グプタ教授は、「ベータ株には免疫系を回避する能力しかなかった。デルタ株の場合は感染力と、若干の免疫回避能力があった。今回見つかった変異株はその両方の特性を、高いレベルで備えている可能性がある」と述べた。

オミクロンと命名 欧米や日本は警戒を強め渡航制限を導入

アメリカもアフリカ8カ国に渡航制限 オミクロン株を警戒(BBC NEWS 2021.11.27)より抜粋

アメリカや欧米諸国は、南アフリカなどアフリカの一部の国からの渡航制限

アメリカは26日、南アフリカで新型コロナウイルスの新たな変異株が検出されたことを受け、29日からアフリカ南部8カ国からの渡航を制限すると発表した。アメリカ市民と居住者は制限導入後もアメリカへの渡航が認められる。

渡航制限の対象となるのは、南アフリカ、ボツワナ、ジンバブエ、ナミビア、レソト、エスワティニ、モザンビーク、マラウイの8カ国。

ジョー・バイデン米大統領は声明で、新たな変異株の詳細が判明するまでの「予防的措置」だと説明した。

アメリカの発表に先立ち、欧州諸国やイギリスはアフリカの一部の国への渡航制限を決めている。

カナダも、南アフリカ、ナミビア、レソト、ボツワナ、エスワティニ、ジンバブエ、モザンビークへの直近の渡航歴がある外国人旅行者の入国を禁止する。この7カ国のいずれかに、過去14日以内に渡航した外国人はカナダへ入国できなくなる。

日本政府も、エスワティニ、ジンバブエ、ナミビア、ボツワナ、南アフリカ共和国、レソトの6カ国を指定

日本政府も26日、エスワティニ、ジンバブエ、ナミビア、ボツワナ、南アフリカ共和国、レソトの6カ国について新たに「水際対策上特に対応すべき変異株に対する指定国・地域」に指定し、27日午前0時から、入国後10日間は国が指定する宿泊施設にとどめる「停留」の措置を開始するなど、水際対策を強化した。

南アフリカの保健省は、各国が渡航制限の導入を急いでいることについて、世界保健機関(WHO)の指針に反した「極めて厳しい」対応だと批判している。

南アフリカで初めて検出された新型ウイルスの新たな変異株「B.1.1.529」には多数の変異がみられる。この変異株の存在は、24日に世界で初めてWHOに報告された。その後、複数の国でも確認されている。

WHOは26日、変異株を「懸念される変異株」(VOC)に指定し、「オミクロン」と命名した。

岸田首相、外国人の入国禁止を表明 全世界対象、30日午前0時から

【追記 2021年11月29日】

新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」をめぐり、岸田文雄首相は29日、緊急避難的な予防措置として「外国人の入国について、11月30日午前0時より全世界を対象に禁止する」と述べた。

また、日本人帰国者らについては、南アフリカなど9カ国に加えて、オミクロン株の感染が確認された14カ国・地域から帰国する際には、「リスクに応じて指定施設における厳格な隔離措置を実施する」と述べた。

これらの対応について、岸田氏は「オミクロン株についての情報がある程度明らかになるまでの、念のための臨時、異例の措置」だと強調した。

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