小泉進次郎氏は「生活苦分からぬ増税王子」 高齢者は「死ぬまで働け」

記者の質問に答える小泉進次郎元環境相 政治・経済

小泉進次郎氏は「生活苦分からぬ増税王子」? 政策巡りトレンド入り

小泉進次郎氏は「生活苦分からぬ増税王子」? 政策巡りトレンド入り(毎日新聞 2024/9/12 12:16 最終更新 9/12 13:18)

12日告示の自民党総裁選に出馬した小泉進次郎元環境相(43)の政策を巡って、SNS(ネット交流サービス)では「増税王子」がトレンド入りした。

総裁選を巡る記事で、一部メディアが「増税王子」と見出しにとっていたことから、トレンド入りしたとみられる。

小泉氏は今月6日配信の共同通信の単独インタビューで、茂木敏充幹事長が主張する防衛増税と子育て支援金の保険料追加負担の停止を否定し、「岸田政権で決めたことを踏襲したい」と述べていた。

児童手当などの財源を確保するため、公的医療保険に上乗せして徴収する「子ども・子育て支援金制度」を巡っては、岸田文雄首相が「実質的な追加負担はない」と強調したが、負担増への批判が相次いだ。

小泉氏は2017年、自民党の若手議員とともに、年金保険料を引き上げて、それによって生まれた財源を児童手当に加算する「こども保険」の創設を提唱していた。

X(ツイッター)では、「庶民の生活苦が分からない」「増税メガネから増税王子か」などのコメントが相次いだ。

小泉進次郎氏「死ぬまで働け」戦慄の年金プラン “標準モデル”は萩本欽一…なんでそうなるの?

小泉進次郎氏「死ぬまで働け」戦慄の年金プラン “標準モデル”は萩本欽一…なんでそうなるの?(日刊ゲンダイ 公開日:2024/09/11 06:00 更新日:2024/09/11 06:00)

自民党総裁選や立憲民主党代表選で「最も議論して欲しいテーマ」は「年金、医療、介護などの社会保障対策」──。7~8日実施のJNN(TBS系列)世論調査の結果で「次の自民党総裁にふさわしい人」のトップ(28.5%)は小泉進次郎元環境相(43)だが、過去の提言や講演をひもとくと、思い描く社会保障プランは非常に危うい。

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進次郎氏は自称、国会議員初の「人生100年時代」の提唱者だ。2016年4月、進次郎氏を中心とする自民の若手グループが社会保障に関する提言集をまとめた。確かに〈人生100年生きていくことが当たり前になる未来〉と出てくるが、続くのは〈もはや戦後のやり方は通用しない〉という強い言葉である。

否定したのは〈「20年学び、40年働き、20年休む」という人生こそが普通で幸せ〉との考え方だ。「一本道のレール」にたとえ、〈「一度レールから外れてしまうとやり直しがきかない」そんな恐れから小さなチャレンジにも踏み出せない〉と説き、〈この国の閉塞感を生み出している〉と断じた。そして高らかにこう宣言したのだ。

〈政治が、そのレールをぶっ壊す〉

父・純一郎元首相譲りのフレーズだが、後に進次郎氏はこの提言を「私たちのバイブル」とまで言っている。16年10月、再び進次郎氏を中心に提言集「人生100年時代の社会保障へ」を発表。年金を受け取る時期を選べる受給開始年齢の柔軟化を訴え、〈年金保険料はいつまでも納付できるようにする〉〈高齢者がより長く働くことが当たり前になる〉とブチ上げた。

「進次郎氏が18年10月に党厚労部会長に就く前後には、当時の安倍政権が年金受給開始年齢の上限を引き上げる議論を開始。2年後に改正年金法が成立し、22年4月から上限は従来の70歳から75歳まで伸びた。進次郎氏の提言はすでに結実しています」(自民党関係者)

戦後の人生設計を全否定

進次郎氏は「65歳以上は『高齢者』なんてナンセンス」と年齢前提の社会保障制度の見直しや、現在16~64歳の「現役世代」の定義を「18~74歳」に変更などと講演やインタビューで繰り返す。年金の受給開始年齢は「80歳でもいいのでは」と語ったこともある。

意味するところは「死ぬまで働け」──。いつも標準モデルに掲げるのはタレントの萩本欽一(83)だ。

18年3月には地元・横須賀市の「0歳児からの国政報告会」にサプライズゲストとして招き、70代で大学に通った欽ちゃんを「人生100年時代をすでに体現している」と持ち上げた。

「欽ちゃんの生き方は素晴らしいが、実践できる高齢者は少ない。特殊なケースを例に挙げ、一般の高齢者の尻を叩くのは言語道断。いかにも『銀のさじ』をくわえて生まれてきた世襲議員の発想で、光を浴びている人しか見ようとしない。中間層以下を置き去りにし、誰もが豊かで希望あふれる老後とは真逆の発想です」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)

進次郎氏のいじめの対象は解雇規制緩和の労働者だけではない。仮に総理になれば、老人いじめも加速。「欽ちゃん化」を求められる高齢者じゃなくとも「なんでそうなるの?」と突っ込みたくなる。