令和の関東大震災の足音なのか…1.28日曜日の朝、突き上げるような揺れの不気味

関東大震災から100年 社会

令和の関東大震災の足音なのか…1.28日曜日の朝、突き上げるような揺れの不気味(日刊ゲンダイ 公開日:2024/01/29 13:50 更新日:2024/01/29 16:38)

突き上げるような揺れに、テーブルのコップから水がこぼれ、爆睡中の猫は布団から飛び出した──。日刊ゲンダイ記者の横浜の自宅はそんな光景だった。ついに首都圏直下型の大地震か、と震えた人も少なくなかっただろう。

28日午前8時59分ごろ、東京23区や横浜市などで震度4を記録する地震があった。震源は東京湾で深さ80キロ、地震の規模を示すマグニチュード(M)は4.8だった。

「動きを活発化させている太平洋プレートが北米プレートやフィリピン海プレートを押して生じたものです。太平洋プレートの動きという点で、能登半島地震とも無縁ではありません。昨年末以来、千葉や神奈川で地震が頻繁に起こっています。今回は震源が東京湾の陸に近い地点で、警戒されている相模トラフ上ではありませんでしたが、いつ、相模トラフで大きな地震が起きても不思議ではありません」(立命館大環太平洋文明研究センター特任教授・高橋学氏=災害リスクマネジメント)

三浦半島(神奈川県)の西の相模湾から房総半島沖(千葉県)にある相模トラフは、太平洋プレート、フィリピン海プレート、北米プレートが重なり合う。過去にも大地震を繰り返し、1923年の関東大震災の震源地とされる。

相模トラフの地震は特に警戒する必要がある

「相模トラフの地震は特に警戒する必要があります。3つのプレートの内部とそれぞれのプレートの境界で地震が起きる可能性があり、複数の震源が生じる恐れがあるからです。今回のように深い震源なら大きな津波に、浅い震源なら小さくてもすぐに津波が押し寄せます。大きな揺れと津波が直撃すれば、首都圏は壊滅的な被害に遭うことになるでしょう」(高橋学氏)

■相模トラフM7地震の発生確率は50%

政府の地震調査研究推進本部は相模トラフでM7クラスの地震が発生する確率を示している。2014年1月時点の評価で10年以内が30%、20年以内が50%、30年以内が70%だ。幸い評価時点から10年間は起きなかったが、今後は、50%の確率で起きてもおかしくないのだ。

28日の揺れは令和の関東大震災の足音なのか。改めて地震対策は万全を期したい。