大物議員も「こりゃもうダメよ」…裏金疑惑!岸田文雄首相「命運尽きるのを待つのみ」政権末期ルポ

裏金疑惑!岸田文雄首相「命運尽きるのを待つのみ」 政治・経済

大物議員も「こりゃもうダメよ」…裏金疑惑!岸田文雄首相「命運尽きるのを待つのみ」政権末期ルポ
東京地検特捜部は本気、国会終了後に立件へ。支持率は危険水域まで落ち、解散総選挙を戦う力はもう残っていない――

「こいつな、う〜ん。こりゃもうダメよ」

東京・永田町にある自民党本部の1階、歴代総裁の写真が並ぶ「自民ギャラリー」の前で、安倍政権で要職を務めたある大物議員が一つの額(がく)を指差した。FRIDAY記者が目を移すと、そこに写っていたのは、自民党総裁の座を勝ち取り、右手を大きく上げて党員の拍手に応える’21年の岸田文雄首相(66)の姿だ。

「いまの岸田さんからは、就任当時の覇気がまったく感じられません。自民党に好意的な産経新聞でさえ、内閣支持率は20%台。″増税メガネ″の汚名を返上すべく、11月頭に閣議決定した所得税減税も『人気取りのため』と国民から総スカンを食らった。

タッグを組む公明党は党創設者である創価学会・池田大作名誉会長の死去により弱体化。起死回生の解散総選挙にも踏み切れない。そこにきて今度は最大派閥の清和会(安倍派)の巨額裏金疑惑が浮上。まさに踏んだり蹴ったりですよ」(自民党閣僚経験者)

12月1日、パーティー券の販売ノルマを超えて所属議員が売った収入について、安倍派が政治資金収支報告書に記載せず裏金として一部の議員に還流させていた疑惑が浮上。裏金の総額は’22年までの5年間で1億円以上に上るとされており、東京地検特捜部は政治資金規正法違反容疑での立件も視野に、捜査を加速させている。ジャーナリストの鈴木哲夫氏が話す。

「捜査の手は安倍派の歴代事務総長にまで伸びるようです。すでに派閥の事務方が事情聴取に対してカネの流れなどをいろいろ話しているようで、検察はその情報をもとにバッジ組の事務総長たちの事情聴取を検討していると聞きます。時期的に該当するのは下村博文氏(69)、西村康稔経済産業大臣(61)、松野博一官房長官(61)、高木毅国対委員長(67)の4人。

聴取は臨時国会が終了した12月14日以降になるのでは。4人全員が立件されることは考えにくいですが、ある検察OBは『やるなら安倍派の象徴的な人物。現職閣僚だとインパクトは大きいので可能性はある』と話しています」

政権の顔である松野氏が検挙されるとなれば、その影響は自民党全体に波及する。さらに、12月3日には安倍派と同じ手口のパーティー券収入不記載疑惑が志帥会(二階派)で浮上した。

「年明けの通常国会は1月22日頃から始まると言われていますから、それまでに党の重要ポストに就く議員が立件されるでしょう。宏池会(岸田派)にも約200万円と少額ながら裏金疑惑はあるわけで、党総裁として責任を追及されるのは間違いない。岸田さんは、官僚の振り付け通りに最低限の職務をこなし、そっと事態の行く末を見届けるしかない″窓際総理″です」(前出・閣僚経験者)

度重なる不祥事による政府の弱体化を、霞が関は好意的に受け止めているという。政治ジャーナリストの角谷浩一氏はこう話す。

「霞が関からすれば、言うことを素直に聞いてくれる岸田さんは大歓迎でしょう。財務省は増税を呑んでもらい、経産省は口が裂けても言い出せなかった『原発再稼働』発言を岸田さんから引き出せた。防衛省は防衛費を43兆円も増額してもらえた。官僚の思うがままです」

ある自民党議員秘書は、この現状に怒りを滲ませた。

「自民党は立川市長選、立川の都議補選、青梅市長選と直近の東京での地方選挙で『3連敗』を喫しました。来年には540以上の地方選挙があり、党員は『もう岸田じゃ勝てない』と不満タラタラです。そんな中、解散する力もなく、官僚の言いなりになるなんて情けない姿をさらし続けていいのか。総裁の首を挿(す)げ替えるしか道はないでしょう」

党内ではポスト岸田をめぐる動きがにわかに強まっている。

「二階(俊博・84)さんや菅(義偉・75)さんらは11月上旬、待望論のある石破(茂・66)さんを担ぐべく、あえて会食する姿をメディアに公開しました。石破さんを担ぐことを是としない主流派の麻生(太郎・83)さんは岸田派の上川陽子外務大臣(70)を推すと見られています。当の岸田さんは延命のため、ダメージの少ない解散のタイミングを探ってはいるのですが、抱えているトラブルが多すぎてそれどころではありません」(同前)

数多の危機をのらりくらりとかわし続けてきた岸田政権の命運が、ついに尽きようとしている。

『FRIDAY』2023年12月22日号より