維新、野党第1党へ攻勢 不祥事続出、「風頼み」に不安も(JIJI.COM 2023年08月13日07時04分)
日本維新の会が次期衆院選で立憲民主党からの「野党第1党」奪取に向けて、攻勢をかけている。保守票の受け皿を意識して立民批判を強め、報道各社の世論調査の政党支持率で立民を上回る。ただ、地元関西地域以外で地盤は強固とは言えず、所属議員の不祥事も相次ぐなど、「風頼み」には不安が残る。
「自民党は改革の議論が全くできず、既得権にがんじがらめだ」。維新の藤田文武幹事長は9日の記者会見で、自民党との対決姿勢を強調。立民に対しては「共産党と『自民の補完勢力だ』と(維新を)批判するしかやることがなくなったのではないか」と挑発した。
維新は昨年の参院選で立民を比例代表の得票数で上回った。今春の統一選でも地方議員ら600人の目標を達成。7月の仙台市議選では5議席を獲得し、全国政党化に向け東北地域でも勢いを増している。
報道各社の世論調査では、政党支持率で維新が立民を上回るケースが目立つ。立民幹部は「衆院選の比例票は、維新にダブルスコアで負けるかもしれない」と身構える。
維新は、公明党とすみ分けてきた大阪府と兵庫県の6選挙区にも独自候補を擁立するなど攻勢を強めている。
ただ、不祥事が相次ぐなど不安要素も少なくない。前川清成衆院議員は公選法違反で有罪判決を受け、大阪府議のハラスメントも発覚。同党ベテランは候補者選考のチェック機能が甘いと指摘し、「有象無象で、質の高い候補者が集まっていない」と憂う。
地元関西と首都圏を除く地域の衆院選候補擁立も遅れ気味だ。統一選で躍進したが、いまだ地方議員の数は少なく、多数を占める新人候補を支援する基盤は弱い。同党幹部は「勢いだけでやっている。いつ逆風が吹くか分からない」と語る。
7月中旬の党役員会で、馬場氏は「支持率は下がり出すと一気に下がる。一歩ずつ地に足を着けた活動が必要だ」と引き締めた。