「マイナ保険証は使い物にならない」資格確認トラブルは6割強 滋賀県保険医協会が政府批判

滋賀県内でも報告されたマイナ保険証のトラブル対策として、従来の健康保険証を持参するよう呼びかけるポスターを示す県保険医協会の理事ら(29日午後、滋賀県庁) 政治・経済

「マイナ保険証は使い物にならない」資格確認トラブルは6割強 滋賀県保険医協会が政府批判(京都新聞 2023年6月30日 8:00)

開業医らでつくる滋賀県保険医協会は6月29日、マイナンバーカードと一体の「マイナ保険証」に関する緊急アンケートを県内の医療機関に実施した結果、他人の情報とひも付けられていた事例が3医療機関で確認されたと公表した。保険者の情報が正しく表示されない例があったのは41医療機関に上った。

アンケートは、約700人の協会員が所属する医療機関550施設に対し、16~23日に実施。医科・歯科診療所126施設と8病院が答えた。

マイナ保険証で患者の保険資格を確認する「オンライン資格確認」は115医療機関が導入していたが、そのうち64%に当たる74医療機関でトラブルがあった。42医療機関が「カードリーダーやパソコンの不具合でマイナ保険証が読み取れなかった」と回答。ICチップの破損などマイナ保険証の不具合も14医療機関であった。

トラブルには、多くの医療機関が従来の健康保険証で資格を確認していた。一方、加入保険が確認できず、いったん医療費を10割請求したとした医療機関が4月以降で6カ所あり、同協会は10件以上の10割請求事案があったと推察した。

同協会は「マイナ保険証は未完成で、使い物にならない」と強調。来年秋のマイナ保険証への一本化方針を撤回しない政府を批判し、従来の保険証を存続させるように訴えた。