千葉南部震度5強 前日に続く“突き上げ”地震とイルカ集団漂流の不気味…専門家「今後は内陸直下型にも注意」
11日午前4時16分、千葉県南部を震源とした最大震度5強(M5.4)の地震が発生。震度5強は同県木更津市、震度5弱を君津市、東京都品川区や横浜神奈川区などで震度4を観測している。緊急地震速報が発令され、起床した人も多く、ツイッターのトレンドワードは「緊急地震速報」「千葉5強」「地震びっくり」などほぼ地震関連だ。
気象庁は会見で、「フィリピン海プレート内部の地震」としている。今後1週間は最大震度5強に注意するよう呼び掛けている。
多くの人が気になったのはバンと突き上げるような揺れだ。前日の10日午前11時21分に発生(震源は千葉県北西部)した最大震度3(M4.1)の地震も、下から突き上げる揺れだった。
《突き上げるような地震!あ~飛び起きた昨日と同じだ》《昨日もドンと下から突き上げる地震だったから嫌な感じ》《突然、ドーンと突き上げるような揺れが来て36年前の千葉県東方沖地震を思い出してしまった。怖いな、、、。》などと心配の声が相次いでいる。
武蔵野学院大学特任教授・島村英紀氏(地震学)が言う。
「首都圏は南側からフィリピン海プレートが東側から太平洋プレートが潜り込んでいますから、地震が起こりやすいエリア。特に千葉は相模湾から房総半島南東沖にかけてプレート境界で起こる地震など頻度は高い。今回は突き上げの地震で内陸直下型。プレート内部による地震だけに限らず、千葉には日本列島の成り立ちに影響を与えた新潟県柏崎市から千葉県に続く大断層線『柏崎千葉構造線』が走っていたり、房総半島南部にかけて東西に延びる鴨川低地断層帯などがあります。今後は海溝型はもちろん、活断層による内陸直下型にも注意が必要です」
そもそも、千葉県は、東日本大震災による「割れ残り」のリスクもある。その領域である南側は今後起こるとされる房総半島東方沖想定エリア。4月3日には同県一宮町の海岸で、体長約2メートルのイルカ30頭以上が打ち上げられていることもあり、不気味だ。
千葉で震度5強…南海トラフ連動、東京23区含む直下地震に厳重警戒 高橋学特任教授「三浦半島周辺で起きるリスクも高い」
千葉で震度5強…南海トラフ連動、東京23区含む直下地震に厳重警戒 高橋学特任教授「三浦半島周辺で起きるリスクも高い」(zakzak 2023.5/11 11:37)
11日午前4時16分ごろ、千葉県木更津市で震度5強の地震があった。東京都心や横浜市でも震度4を記録した。専門家はこれまで首都圏で起きた地震と比べても珍しいメカニズムだと指摘し、東京23区を含む首都直下地震のリスクに警鐘を鳴らす。
気象庁によると、震源地は千葉県南部で、震源の深さは約40キロ。地震の規模はマグニチュード(M)5.2と推定される。
千葉県君津市と市原市で女性2人が転倒するなどし、軽傷を負った。横浜市保土ケ谷区の女性が自宅で転倒し軽傷、川崎市高津区の男性が就寝中、棚から照明器具が落下し頭にけがをした。
今回の地震のメカニズムについて、夕刊フジで「警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識」(毎週木曜)を連載する武蔵野学院大学の島村英紀特任教授はこう解説する。
「フィリピン海プレートの内部で生じた内陸直下型とみられる。千葉県南部が震源の地震は珍しく、規模がさらに大きくなれば、いわゆる首都直下地震の1つになるものだ。プレートのゆがみから生じたとみられるが、今回の規模でエネルギーを出し切っておらず、大きな揺れに警戒しなければならない」
5日に震度6強の地震があった石川県能登地方では余震が続いている。災害史に詳しい立命館大学環太平洋文明研究センターの高橋学特任教授は「能登地方の地震は太平洋プレートの活発化が大本の原因とみている。一方、今回の地震はフィリピン海プレートを南から押す力が強いとみられるのが従来の首都圏の地震と異なる点だ。太平洋プレートだけでなく、フィリピン海プレートにもかなりひずみがたまっていると推測できる。関東大震災を起こしたメカニズムに近い。相模トラフにからむ首都圏や南海トラフ、沖縄方面の琉球海溝の大地震が連動するリスクが高まっている」と分析する。
今年は関東大震災から100年で、首都直下地震への警戒感も高まる。高橋氏は「首都圏でも地震活動が活発化している。今回はたまたま首都圏の東側で発生したが、震源が少し西にずれれば、東京23区の真下が震源になることもありうる。今後は神奈川県の三浦半島周辺で起きるリスクも高い」と指摘した。