小西議員「サル発言」を批判できる? 国会で「サル芝居」を連発しまくる維新の面々(日刊ゲンダイ 公開日:2023/04/13 14:30 更新日:2023/04/13 14:30)
安倍政権下で推し進められたメディアに対する「言論弾圧」の疑い──という本質からどんどんズレていると指摘せざるを得ない。衆院憲法審査会をめぐり、立憲民主党の小西洋之参院議員(51)が発した「サル」発言問題のことだ。
同党の杉尾秀哉参院議員(65)は12日、小西氏が衆院の各会派にお詫び行脚していることを明かしつつ、日本維新の会の馬場伸幸代表(58)らが小西氏を衆院憲法審に招致し、謝罪させるべきだ、としていることについて、「なんで維新の人にそう言われなければいけないのか。ちょっと分からない」と不快感をあらわにした。
馬場氏はこの問題で、記者団に対して「(立民との)信頼関係は完全に損なわれている。この問題が解決しない限り、協調は当面、凍結ということになる」「(立民は)小西洋之さんを追及するチームを作ったほうがいい」とも語っていたが、SNS上でみられるのが、《いやいや、維新も同じ》《維新は小西氏の「サル発言」をやたらと強調しているが、自分たちはどうなのか》といった投稿だ。
■維新の馬場代表も国会で「サル芝居」と発言
なるほど、確かに過去の国会会議録を検索すると、維新議員もしょっちゅう、「サル発言」している。例えば、馬場氏も2020年1月23日の衆院本会議でこう発言していた。
「維新以外の野党は、いわゆるモリカケ問題から始まり、昨年からメニューに加わった桜を見る会を含め、政府のスキャンダル追及に余念がありません。かれこれ4年近くにわたり、この本会議場から予算委員会が開かれる第一委員会室、さらには各常任委員会までを席巻し、国民はできの悪い茶番劇、猿芝居を見せ続けられてきました」
つまり、馬場氏は本会議、予算委、常任委での議論について「サル芝居」「茶番劇」と言い放っていたわけで、小西氏の発言と何が違うのだろうか。
維新の足立康史衆院議員(57)に至っては、国会で口癖のように「サル芝居」発言を多用していた。
「国会という芝居小屋で演じられている猿芝居、そのお芝居の終幕に必ずと言っていいほど繰り出される内閣不信任決議案という大道具ならぬ小道具を前に、今国会は幕を閉じようとしていますが、国民は、こんなお芝居にも、使い古された小道具にも全く意味がないことを見破り、興ざめしています」(2019年6月25日の衆院本会議)
「55年体制のときに、社会党がしようもないことを言うから、与党が、政府が、9条解釈について無理やりいろいろな解釈を継ぎはぎしてきた。結局、55年体制の与党と野党の猿芝居の結果、今の憲法解釈もいろいろあるわけです。だから、私は、野党が偉そうに政府を追及するのが今やるべきことではなくて、過去のそういう日本の55年体制のつまらない与党と野党の猿芝居にそろそろ終止符を打って、本質的な議論をこの国会でできるようにしていく、これが私たちが目指している政治でございます」(2017年4月21日の衆院外務委員会)
与野党の「サル芝居」の結果が今の憲法解釈であり、「サル芝居」に終止符を、と言っているわけで、これまた今回の小西氏の発言と変わらないだろう。しかも、馬場氏も足立氏も発言はオフレコでの場ではない。国権の最高機関である国会の場でのことなのだ。
《馬場代表は「小西さんを追及するチームを作ったほうがいい」と言っていたが、自分の党は》
《本会議場や委員会で他党の議員を口汚くののしっている維新が人の事を批判できるのか》
ネット上でこんな声が出るのも無理はない。