高市早苗氏が「もう質問しないでほしい」発言をしぶしぶ撤回 総務省文書作成者は「レクあった」証言

高市早苗氏が「もう質問しないでほしい」発言をしぶしぶ撤回 政治・経済

高市早苗氏が「もう質問しないでほしい」発言をしぶしぶ撤回 総務省文書作成者は「レクあった」証言

高市早苗氏が「もう質問しないでほしい」発言をしぶしぶ撤回 総務省文書作成者は「レクあった」証言(東京新聞 2023年3月20日 20時51分)

放送法の新たな解釈が首相官邸側の働き掛けによって示されたとされる疑惑を巡り、当時総務相だった高市早苗経済安全保障担当相は20日の参院予算委員会で、野党議員に「もう質問しないでほしい」と述べた15日の国会答弁を撤回した。野党が求める陳謝には応じなかった。松本剛明総務相は、総務省の行政文書に記された高市氏への担当局長による説明について、文書に登場する官僚のうち3人が「捏造の認識はない」と証言していると明らかにした。

参院予算委では、末松信介委員長(自民党)が高市氏に対して「全く適切でない。議員の質問権を揶揄、否定するのは本当に大きな間違い。この部分だけはぜひ省いてほしい」と指摘。身内である自民党の広瀬めぐみ氏も「与党の立場でも遺憾と言わざるを得ない」と苦言を呈す異例の展開になった。

それでも高市氏は、憲法の規定にのっとって「委員会には出席している」と自身の正当性を主張したが、野党は「憲法にもとる話で審議の冒瀆だ」と納得せず、審議が中断。再開後、立憲民主党の小西洋之氏が撤回や謝罪の意向を確認したのに対して「国会審議に迷惑をかけることは本意でない。『信用できないなら質問しないで』という答弁のみは撤回する」と語った。

高市氏は15日の参院予算委で、総務省の行政文書に記された内容を否定する自ら答弁に関し、立民の杉尾秀哉氏から「ずるずる答弁が変わっている。全く信用できない」と追及されて「私が信用できない、答弁が信用できないんだったら、もう質問しないでください」と発言していた。

一方、2015年2月に総務省の担当局長が総務相だった高市氏に対し、放送法の「政治的公平」の解釈などを説明したと記載されている行政文書について、総務省の今川拓郎官房長は、文書作成者が「この時期に放送法に関するレクが行われたと認識している」と述べ、他にも2人が「捏造の認識はない」との見解を示していると答弁した。松本氏は、当時の記憶がない出席者もいるとして「正確性は確認できない」と述べるにとどめた。

高市氏に説明した「可能性高い」 総務省、放送法文書巡り「確実な仕事を心掛けている」

高市氏に説明した「可能性高い」 総務省、放送法文書巡り「確実な仕事を心掛けている」(東京新聞 2023年3月13日 20時05分)

首相官邸側の働きかけにより放送法の新たな解釈が示されたとされる問題を巡り、総務省は13日の参院予算委員会で、当時総務相だった高市早苗経済安全保障担当相が「捏造」と主張する行政文書に記載されている打ち合わせは「あった可能性が高い」と認めた。内容の正確性は引き続き精査中とした。同省の小笠原陽一情報流通行政局長が立憲民主党の福山哲郎氏の質問に答えた。

福山氏は質問後、「高市氏の国会答弁が崩れた」と記者団に述べ、閣僚辞任や議員辞職を求めた。

総務省が確認したのは、2015年2月13日付の「高市大臣レク結果(政治的公平について)」と題した文書にある打ち合わせ。高市氏が特定の放送事業者を名指しして「徹底抗戦するか」と語り、「(安倍晋三首相も)思いがあるでしょうから、ゴーサインが出るのではないか」と発言したと書かれている。

小笠原氏によると、文書作成者は「確実な仕事を心掛けているので、同時期に放送法に関するレク(説明)が行われたのではないか」と説明したという。具体的なやりとりは同席者の間でも認識にずれがあるとする一方、「放送法の解釈を変更する説明を(高市氏に)行った認識を示す者はいなかった」と答弁した。

高市氏は「この時期に放送法の解釈や『政治的公平』について私が話をした事実は一切ない」と、記載内容を重ねて否定。福山氏は「当時の総務相が『捏造』と言っている限り、総務省は『全て正確』と言えなくなっている」と指摘した。

野党は委員会後の理事会で、放送法の新解釈を示すよう働きかけたと行政文書に記載されている礒崎陽輔首相補佐官(当時)や、新解釈を示すことに反対していた山田真貴子首相秘書官(当時)らの参考人招致を求めた。