世論調査 改憲機運は高まらず71%(共同通信)、現政権下で改憲「反対」47%、1年で賛否逆転(毎日新聞)

国会での改憲議論を急ぐべきか、改憲の機運は高まっているか_2023年5月2日 政治・経済

改憲機運は高まらず71% 同性婚71%容認…共同通信世論調査

改憲機運は高まらず71% 同性婚71%容認、憲法世論調査(共同通信 2023/05/02)

共同通信社は1日、憲法記念日の5月3日を前に憲法に関する郵送方式の世論調査結果をまとめた。岸田文雄首相が自民党総裁任期中に意欲を示す憲法改正の機運に関し、国民の間で「高まっていない」が「どちらかといえば」を含め計71%に上った。国会での改憲議論を「急ぐ必要がある」は49%、「急ぐ必要はない」は48%で賛否が拮抗した。同性婚は「認める方がよい」が71%で、「認めない方がよい」の26%を大きく上回った。

改憲機運が「高まっている」は「どちらかといえば」も含め計28%。改憲に前向きな自民や日本維新の会を支持する層でも3割台にとどまる。昨年同時期の郵送調査は「高まっていない」が計70%、「高まっている」は計29%で同水準だった。国会では衆院憲法審査会のほぼ毎週開催が定着したものの、論議の活発化が機運上昇に結びついていない実態が明らかになった。

改憲の必要性は「どちらかといえば」を含め計72%が肯定し、「必要ない」の計27%と差が開いた。

調査は3~4月、18歳以上の男女3千人を対象に実施した。

現政権下で改憲「反対」47% 1年で賛否逆転…毎日新聞世論調査

現政権下で改憲「反対」47% 1年で賛否逆転 毎日新聞世論調査(毎日新聞 2023/5/2 17:00 最終更新 5/2 19:30)

日本国憲法は3日、1947年の施行から76年を迎える。毎日新聞が4月15、16の両日に実施した全国世論調査で、岸田文雄首相の在任中に憲法改正を行うことについて尋ねたところ、「賛成」との回答は35%で、「反対」の47%を下回った。

2022年4月の調査では「賛成」が44%で、「反対」の31%を上回ったが、1年で賛否が逆転した。調査方法や質問の仕方が異なるため単純に比較できないが、菅政権だった21年4月の調査では、首相名を挙げずに憲法改正の賛否について質問し、「賛成」は48%、「反対」は31%だった。

支持政党別に見ると、自民党支持層では「賛成」が6割、「反対」は2割弱だったが、公明党支持層では「賛成」、「反対」のいずれも4割程度だった。立憲民主党の支持層では「反対」が「賛成」を大きく上回ったが、日本維新の会の支持層では「賛成」と「反対」が拮抗した。「支持政党はない」と答えた無党派層では「賛成」が2割強に対し、「反対」は5割強だった。

9条を改正して自衛隊の存在を明記することについては、「賛成」が55%で、「反対」の31%を大幅に上回った。22年4月の調査では「賛成」58%、「反対」26%で、賛成の割合はやや減少したが、ロシアのウクライナ侵攻が続き、安全保障環境が悪化したことが影響しているとみられる。

緊急事態の際に国会議員の任期を延長できるようにする憲法改正については、「賛成」が39%で、「反対」の43%を下回った。22年4月の調査では「賛成」(43%)が、「反対」(36%)を上回っていた。