やる気が出ない時は脳に「楽しい刺激」を! 脳の悪習慣をやめてパフォーマンスを向上させる12の方法

『図解 脳に悪い12の習慣』(林成之 幻冬舎) 科学・技術

やる気が出ない時は脳に「楽しい刺激」を! 脳の悪習慣をやめてパフォーマンスを向上させる12の方法(ダ・ヴィンチ 公開日:2023/2/17)

「もっと成果を出したい」「パフォーマンスを上げたい」と動き出したい気持ちだけはあるのに、なぜか思うようにいかない。頑張れない。そんなジレンマに頭を悩ませている人は多いはず。『図解 脳に悪い12の習慣』(林成之/幻冬舎)は、脳に悪い習慣を知り、それをやめることで、脳の機能向上をはかる本。

本書によるとパフォーマンスの低下は「悪い習慣」によるものが大きく、「すぐ『おもしろくなさそう』と思う」「『面倒くさい』が口グセになっている」「何でも言われた通りにする」など12種類の「脳の習慣」を変えるだけで解決できることが多いという。どんな場面でどんな方向に変えていけばいいのか、いくつか紹介しよう。

疲れた脳を回復させる簡単な方法

たとえば、やる気が出ないときに試したい「疲れた脳を回復させる簡単な方法」。そんなの脳を休めるとか、寝るとか、そういうことでしょ?と思ってしまうが、実はもっといい方法があるという。それは、「楽しい」「おもしろい」と感じること。これにより、脳の疲労を除去する中枢が刺激され、疲れを感じなくなるのだとか。

たしかに、疲れていたはずが好きなことをしているうちに頭が冴えてくる、というのはよくある話だ。筆者も、少し寝ようと横になったつもりが、気づけばアニメに熱中して1時間たっていた、なんてことがザラにある。もちろん必要な睡眠をとるのは大事なことだが、「ちゃんと寝たはずなのに疲れている」という場合はこの方法を試してみるといいかもしれない。

コツコツやると、成功の確率が低くなる

「えっ?」と思ったのが、「コツコツやると、成功の確率が低くなる」というもの。子どものころから「コツコツと積み上げるのは大事なこと」と教わってきたのに、これはどういうことなのか。実は、このコツコツという感覚には落とし穴があるらしい。コツコツには「失敗しないように慎重にしよう」という自己保存性が隠れており、これがブレーキとなって集中力の低下を招いてしまうのだとか。

脳の持つ力を最大限発揮し、全力投球することでコツコツの何倍ものパフォーマンスを発揮できるという。決断・実行を速くして一気に駆け上がる「短期集中型」の方がいい、という意見には、救われる人も多いのではないだろうか。

もうゴールだと思うとブレーキがかかる

2つめとは反対に、「そうは言われても!」と脳にクレームを言いたくなるのが、「もうゴールだと思うとブレーキがかかる」ということ。普段作業をしている中で、「あとちょっとで終わる」「これはもう終わったも同然だな」とゴールを見てしまうタイミングがある。だがそう感じた瞬間、脳の働きがストップしてしまうのだとか。

筆者も「あとはまとめを書けばこの原稿は終わり!」と思った途端に集中力が切れ、気づけばSNSを見ていることがよくある。これを回避する方法は、「ここからが本番」という思考に切り替えること。実際に比較してみると、感覚が全然違うことに気づかされる。「もうゴール」と思いたくても、そう思っていいのはゴールを越えてからだ。

本書にはほかにも多数の「悪い習慣」を改善する方法が示されている。一気に全部実践するのは難しいが、たとえば週に1つでもやってみることで、1年経つころには大きな変化となって表れているかもしれない。今の自分じゃダメだ、と思っている人は、脳のパフォーマンスを上げて全力で自分の可能性を広げてみてはいかがだろうか。