仰天! 麻生副総裁が“ポスト岸田”に色気…側近・薗浦氏議員辞職で落胆しつつも元気ハツラツ
仰天! 麻生副総裁が“ポスト岸田”に色気…側近・薗浦氏議員辞職で落胆しつつも元気ハツラツ(日刊ゲンダイ 公開日:2022/12/22 14:10 更新日:2022/12/22 14:10)
■「政治とカネ」で議員辞職
自民党の薗浦健太郎衆院議員(50・千葉5区)が21日、議員辞職し、自民党も離党した。自身が関係する政治団体がパーティー収入を4000万円も過少記載した政治資金規正法違反の罪で、東京地検特捜部に近く略式起訴される見通しとなったからだ。刑事処分を受ける前の辞職は、情状酌量による公民権停止期間の短縮を狙ったもの。早期の国政復帰への道筋をしっかり残して辞めるわけだ。
こうした判断には、所属派閥のボスである麻生太郎副総裁(82)の“助言”があったらしい。
薗浦氏は読売新聞の政治部記者を経て政界入りしたが、初当選前の1年5カ月、麻生氏が総務相時代に政策秘書をしていたこともあり、現在、麻生氏の側近のひとりだ。
麻生派では、麻生氏の“最側近”である松本純元国家公安委員長が昨年、新型コロナの緊急事態宣言下での「銀座クラブ活動」が発覚し離党、衆院選落選。さらに薗浦氏も辞職となり、「麻生さんの落胆は相当のもの」(麻生周辺)というが、一方で党内には、薗浦氏の辞職がシナリオ通り進み、麻生氏がほくそ笑んでいるとの見方もある。
■醜聞のダメージを岸田首相に押し付け
「4000万円もの“裏金”を一体、何に使ったのか。11月30日に、特捜部が捜査していると報じられて以降、国会閉会後に議員本人の逮捕もあるんじゃないかと言われていました。しかし、薗浦氏本人が任意の事情聴取で秘書との共謀を認め、略式起訴の方向となった。21日の辞職、離党、反省コメント発表も用意周到。逮捕されなかったことで、経歴等で麻生副総裁との関係を必要以上にクローズアップされることもなく、麻生氏や麻生派へのダメージが回避できた」(自民党関係者)
確かに、薗浦氏辞職についてのメディアの報じ方は「岸田首相に打撃」「政権に痛手」というものばかりだ。
「ダメージを岸田首相に押し付けた形。秋葉復興相の問題もくすぶっているし、年明けの通常国会で岸田首相が『政治とカネ』で厳しい追及を受けるのは必至です。支持率が危険水域の岸田内閣ですから一寸先は闇。最近、麻生氏は『岸田内閣が倒れたら、自分がワンポイントで再登板』と意欲を示しているそうです。薗浦辞職で麻生氏に心理的なショックはあるかもしれませんが、シナリオ通りの展開にニンマリしているんじゃないですか」(前出の自民党関係者)
最側近の松本氏は、落選後、今年1月に自民党に復党。2月には副総裁特別補佐となり、麻生派にも特別会員として復帰して麻生氏にぴったり寄り添っている。麻生氏は腹筋を鍛えているともいうし、元気ハツラツか。
支持率25%の岸田内閣の「次」で担がれる菅義偉前首相 知人が語る「動く」タイミング
支持率25%の岸田内閣の「次」で担がれる菅義偉前首相 知人が語る「動く」タイミング(AERAdot. 2022/12/21 17:00)
大手メディアの世論調査で、「次の総理にふさわしい人」として自民党の菅義偉前首相(74)の名前を見かけるようになった。JNNの12月(3~4日)の世論調査では1位の河野太郎デジタル相(19%)、2位の石破茂元防衛相(11%)に次いで、3位が菅氏(6%)だった。さかのぼると、毎日新聞の11月(19~20日)の世論調査でも小泉進次郎前環境相に次いで6位に食い込んでいる。首相在任期間は1年あまりしかなかった菅氏が、ここにきて「再登板」を期待されている理由は何か。関係者を取材した。
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菅氏の元秘書で、現在は横浜市議(自民党)を務める山本尚志氏は、菅氏の名前が急浮上してきた理由をこうみる。
「菅さんは秋田県出身で話が上手な方ではないですが、本当に実直な方なんです。話し方はとつとつとしていますが、実行力はすごい。今、改めてそうした人間性が見直されているのではないでしょうか」
首相退任後は目立った動きの無かった菅氏だが、近況はどうなのか。
12月1日、自民党神奈川県連が横浜市内で開いた政治資金パーティーに菅氏は顔を出した。パーティーには県連会長の小泉進次郎氏、河野太郎氏や松本純元衆院議員らも参加。パーティーに出席した前出の山本市議は、その時の様子をこう話す。
「菅さんの表情は首相だった頃と比べると、だいぶ穏やかになりましたね。一つ山を登られたからではないでしょうか。自分のことよりも全体を見て、みんなを支えていこうという気持ちが強くなったように感じました」
パーティーは、来春の統一地方選に向けて団結を強める意味合いもあった。
「私も菅さんとがっちり握手し、激励していただきました。パーティー会場では、支持者のみなさんから『自民党に逆風が吹いているから厳しいぞ。しっかりやらないと負けるぞ』と言われました。菅さんは『ぜひ、このメンバーを頼むよ』と心強い言葉を言ってくれました」
安倍政権を継承し、20年9月に発足した菅政権。安倍氏が進めた強権的な政治手法も受け継ぎ、霞が関の官僚たちの人事権を掌握し、官邸主導で政治を動かした。だが、後手後手にまわったコロナ対策などが批判を浴び、当初は高かった政権の支持率は徐々に下落。東京五輪開催で支持率の上昇を期待したが、コロナ禍で開催を強行したこともあり、より一層低迷した。結局、昨年9月の自民党総裁選には出馬せず、わずか1年で退陣に追い込まれた。
菅氏と親しかった自民党関係者はこう話す。
「中途半端な形で政権が終わり、それは悔しかったでしょう。人には言えないさまざまな苦しみがあったと思います」
首相を退いて以降は静かだった菅氏が再び注目を浴びたのは、安倍氏の国葬で読んだ追悼の辞だった。
「安倍さんを『あなた』と呼び、出会った頃の会話や2人で銀座の焼き鳥屋へ行った時の秘話を披露するなど、情感がこもっていました。さすがは安倍さんの女房役だったことはあると、党内からも再評価された」(前出・自民党関係者)
12月11日に投開票された逗子市長選では、候補者だった桐ケ谷覚逗子市長の応援に駆けつけ、首相時代の“功績”もアピール。「総理大臣の時にお約束した『不妊治療の保険適用』が本日から始まりました」という自身のツイートに触れ、「『いいね』が50万件近くついて驚いた。もっと早くやるべきだった」などと語った。このほか、19日には東京タワーのイベントスペースで開かれた安倍氏の写真展に顔を出すなど精力的に動いている。
首相時代の所信表明演説で宣言した「カーボンニュートラル」の実現に向けての発言も目立つ。8月には関連施設の視察などを行った。
「菅さんがカーボンニュートラル宣言をされて、将来に向けて新しい投資をしなければならないという道筋をつくった」(前出・山本市議)
一方で、菅政権の後に誕生した岸田内閣は支持率が低迷している。毎日新聞の世論調査(12月17~18日)では、岸田内閣の支持率は、政権発足以降最低の25%。朝日新聞の世論調査(17~18日)でも、支持率は31%と内閣発足以降最低となった。
支持率急落の背景には、岸田首相が防衛費増額のために1兆円を超える増税を進めようとしていることへの国民の不満がある。
1兆円の財源を巡っては、自民党内からも反対意見がわき起こった。高市早苗経済安保担当相はツイッターで「賃上げマインドを冷やす発言を、このタイミングで発信された総理の真意が理解できない」と発信。高市氏は、安倍氏に思想・信条が近く、この時も「閣僚の任命権は総理にありますので、罷免をされるというのであればそれはそれで仕方がない」と強気な姿勢をみせたことで、「高市の乱」とも騒がれた。
三原じゅん子参院議員も「増税ありきで話が進んで、まったく私たちの意見というものも響いているのかどうか」と疑問を呈した。高鳥修一衆院議員は「安倍さんが亡くなられたということで、(岸田首相は)安倍さんに相談するとか気兼ねするという必要がなくなった」と批判した。
前出の自民党関係者は言う。
「批判の声は安倍派から多く出ている。岸田首相は麻生太郎副総裁や茂木敏充幹事長らに相談しながら政権運営をしている。いま、自民党は最大派閥の安倍派、茂木派、岸田派、麻生派が仕切っていますが、安倍派が流動化すれば、非主流派の二階派とくっついて別の勢力になる可能性がある」
ここで気になるのが、菅氏の動きだ。今後、菅氏が派閥を結成して、どちらかに付くような動きをみせれば、岸田首相に揺さぶりをかけることも不可能ではない。だが、菅氏の知人はこう話す。
「菅さんの人柄からいって、岸田首相を引きずり下ろすようなことはしませんよ。しかし、引きずり下ろさなかったとしても、岸田首相が早期退陣してしまうことも十分考えられる。菅さんが動くとしたら、その時でしょう」
昨年9月の総裁選では、菅氏は河野太郎氏を支持した。大手メディアの調査による「次の総理にふさわしい人」では、河野氏が1位の常連。「ポスト岸田」の最有力候補だが、河野氏が所属する派閥の領袖・麻生太郎副総裁から全面的な支持が得られるかなど、まだまだ不確定要素が多い。菅氏自身が再登板する可能性はあるのだろうか。
「菅さんは、河野さんでいけると踏んだら、河野支持でいきますよ。しかし、もし河野さんでまとまらなかった場合、菅さんがどう出るかはわかりません。仮に、二階俊博元幹事長から『河野じゃダメだが、あんたなら担ぐ』と言われ、(石原伸晃氏から派閥領袖を引き継いだ)森山裕選対委員長なども合意するようなことになれば、菅さんは(総裁選への再登板を)やるかもしれない」(前出の菅氏の知人)
岸田政権が行き詰まっている今、菅氏の動きから目が離せなくなってきた。