河井案里議員の辞職に伴う「再選挙」は、「補欠選挙」とどう違いうのか

選挙_大切な一票 政治・経済

吉川貴盛元農林水産大臣の議員辞職に伴う選挙及び羽田雄一郎議員の死亡に伴う選挙は「補欠選挙」、この度の河井案里議員の議員辞職に伴う選挙は「再選挙」である。いずれも4月25日に実施される。選挙の種類について整理した。

4月25日に、補欠選挙と再選挙が実施される

2019年の参議院選挙(広島選挙区)の公職選挙法違反事件を巡り、東京地裁で有罪判決を受けた参議院議員の河井案里被告は、2月3日に辞職願を提出し参院本会議で許可された。公選法の規定に基づき、4月25日に再選挙が実施されることになった。

4月25日に実施される国政選挙は、他に、現在のところ2つある。

一つは、吉川貴盛元農林水産大臣(当時、自民党)が大臣在任中に大手鶏卵生産会社の元代表から現金500万円の賄賂を受け取ったとして東京地検特捜部の捜査対象になり、昨年12月21日に「健康上の理由」で辞職を表明し、22日に辞職が許可された。衆議院北海道2区で補欠選挙が実施される。

もう一つは、参議院長野選挙区選出で立憲民主党の羽田雄一郎議員が新型コロナウイルスで昨年12月27日に死去したことに伴う補欠選挙である。

補欠選挙と再選挙、どう違うのか。選挙の種類について整理した。

衆議院議員総選挙

総選挙とは、衆議院議員の全員を選ぶために行われる選挙。小選挙区選挙と比例代表選挙が、同じ投票日に行われる。総選挙は、衆議院議員の任期満了(4年)によるものと、衆議院の解散によって行われるものの2つがある。

衆議院議員の定数は465人で、うち289人が小選挙区選出議員、176人が比例代表選出議員である。比例代表選挙は全国11のブロックで行われる。

北海道ブロック(定数 8)・・北海道
東北ブロック(13)・・青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県
北関東ブロック(19)・・茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県
南関東ブロック(22)・・千葉県、神奈川県、山梨県
東京ブロック(17)・・東京都
北陸信越ブロック(11)・・新潟県、富山県、石川県、福井県、長野県
東海ブロック(21)・・岐阜県、静岡県、愛知県、三重県
近畿ブロック(28)・・滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県
中国ブロック(11)・・鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県
四国ブロック(6)・・徳島県、香川県、愛媛県、高知県
九州ブロック(20)・・福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県

参議院議員通常選挙

参議院議員の半数を選ぶための選挙。参議院に解散はなく、任期は6年で、3年に1回、定数の半分を選ぶ選挙が行われる。

参議院議員の定数は248人で、うち100人が比例代表選出議員、148人が選挙区選出議員である。

改選定数 6人(選挙区数 1)・・東京都
4人(4)・・埼玉県、神奈川県、愛知県、大阪府
3人(4)・・北海道、千葉県、兵庫県、福岡県
2人(4)・・茨城県、静岡県、京都府、広島県
1人(32)・・青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、栃木県、群馬県、山梨県、新潟県、富山県、石川県、福井県、長野県、岐阜県、三重県、滋賀県、奈良県、和歌山県、鳥取県・島根県(合区)、岡山県、山口県、徳島県・高知県(合区)、香川県、愛媛県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県

一般の選挙(地方選挙)

一般選挙(地方の議会)

一般選挙とは、都道府県や市区町村(地方公共団体)の議会の議員の全員を選ぶ選挙。任期満了(4年)だけでなく、議会の解散などによって議員または当選人の全員がいなくなった場合も含まれる。

地方公共団体の長の選挙

都道府県知事や市区町村長など地方公共団体の長を選ぶための選挙。任期満了(4年)の他、住民の直接請求(リコール)による解職や、不信任議決による失職、死亡、退職、被選挙権の喪失による失職の場合などにも行われる。

設置選挙

新しく地方公共団体が設置された場合に、その議会の議員と長を選ぶために行われる選挙。

特別の選挙(国政/地方選挙)

再選挙(選挙のやり直しや当選人の不足を補う)

選挙が行われても、必要な数だけの当選人が決まらなかったり、投票日の後で当選人の死亡、当選の無効があったなどの場合で、しかも繰上当選などによっても当選人がなお不足する場合に行われる選挙。一人でも不足する時に行われるものと、不足が一定数に達した時に行われるものがある。

補欠選挙(議員の不足を補う)

選挙の当選人が議員となった後に死亡や退職し、しかも繰上当選によっても議員の定数が不足する場合に行われる選挙。

再選挙との違いは、その人がすでに議員であるかないかという点。ただし、すでに議員であっても選挙違反などにより当選や選挙自体が無効となった場合は、再選挙となる。

国政選挙の場合、原則として、補欠選挙は年2回、4月および10月の第4日曜日に行われる。

増員選挙(議員の数を増やす)

議員の任期中に、議員の定数を増やして行われる地方公共団体の議会の議員の選挙。

地方公共団体の議会の議員の再選挙、補欠選挙または増員選挙は、任期が終わる6か月以内に当該選挙を行うべき事由が生じた場合は、議員の数が定員の3分の2に達しなくなった時を除いて、行わないこととされている。

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