秋篠宮ご夫妻 反対多数の「安倍元首相国葬」参列が有力視…専門家は「批判の矛先が向かう」と憂慮(女性自身 記事投稿日:2022/08/23 06:00 最終更新日:2022/08/23 06:00)
終戦から77年を迎えた8月15日正午。今年も、全国戦没者追悼式に出席された天皇陛下と雅子さまは、「全国戦没者之霊」と書かれた標柱の前で、黙祷を捧げられた。
天皇陛下が、
「私たちは今、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による様々な困難に直面していますが、私たち皆が心を一つにし、力を合わせてこの難しい状況を乗り越え、今後とも、人々の幸せと平和を希求し続けていくことを心から願います」
そう述べられたお隣で、雅子さまは真剣なご表情で、陛下のおことばに耳を傾けられていた――。
「今夏も“第7波”が感染拡大するなか、日々の生活に制約や不安を余儀なくされている国民を案じられる両陛下の、強いお気持ちが表れたおことばだったと思います」(皇室ジャーナリスト)
天皇ご一家は行動でもそのお気持ちを示されている。8月18日、宮内庁はご一家がこの夏のご静養を見送られることを発表した。例年、天皇ご一家は、栃木県の那須御用邸や静岡県の須崎御用邸などにお出かけになり、“夏休み”を過ごされている。しかしコロナ禍のため、一昨年から控えられてきた。
「両陛下は一貫して、“全国の新規感染者数が高止まりしている状況では静養を控えるべき”というお考えをお持ちになっています。
また昨今は、相次ぐ異常気象による各地の水害も発生し、大きな被害が出ています。苦境に立たされている国民がいる以上、陛下と雅子さまは“バカンス”とも取れる御用邸の滞在はできないと決断されたと聞いています」(宮内庁関係者)
陛下とともに、国民の苦しみに寄り添われ続ける雅子さま。だが、全国戦没者追悼式が行われた日本武道館で、9月27日に開催されることが決まった安倍晋三元首相の国葬を巡り、悩ましいお気持ちを抱かれているという――。
「前例もあるため国葬への皇族の参列も政府から求められると思われます。要請に従ってどなたかが参列しなくてはなりません。
しかし、国民の間に反発が広がっている行事に皇室が関わることについて、雅子さまも懸念されているようなのです」(前出・宮内庁関係者)
安倍元首相の国葬に対しては、メディア各社の世論調査でも半数以上が反対という声が占め、なかには8割が反対という集計結果も報じられているのだ。
「自民党内からも、『岸田総理は決断が早すぎたのでは』と囁く声が聞こえ始めました。ここまで世論が国葬反対に傾いていることは、総理も想定外だったようです」(官邸関係者)
国民との“絆”が揺らぐ可能性
天皇と皇后以外に戦後行われた国葬は、唯一1967年に死去した吉田茂元首相の例がある。皇室からは、当時皇太子だった上皇さまと美智子さまらが参列された。
「天皇皇后両陛下は、大喪の礼などの例外を除き、葬儀には参列されない慣例となっており、昭和天皇は侍従長を勅使として遣わされていました。前例にならえば、皇嗣と皇嗣妃である秋篠宮ご夫妻が参列されることになるでしょう」(前出・宮内庁関係者)
だが皇族の参列に対して、静岡福祉大学名誉教授の小田部雄次さんは、こう危惧している。
「国民が抱く皇室への信頼や崇敬の念に、将来的に悪影響を及ぼしてしまう可能性をはらんでいると考えています。昨年の東京五輪招致の例が代表的ですが、安倍政権以降は政治家が皇室を利用するような動きが増えてきています。
世論を無視する形で強引に開催を決めた国葬に皇族が参列すれば、“皇室も国葬を支持している”と受け止める国民もいるでしょう。皇室が築かれてきた国民との信頼関係が揺らいでしまうことにつながりかねないのです」
名古屋大学大学院准教授の河西秀哉さんも警鐘を鳴らす。
「吉田元首相の国葬にも当時は反対論もありましたが、参列された皇太子ご夫妻にまでは批判が及ぶことはなかったように思います。しかし、安倍元首相の国葬に対しては、当時とは比較にならないほどの反発が広がっています。
秋篠宮ご夫妻の参列が考えられますが、眞子さんの結婚や悠仁さまの進学を巡って、秋篠宮ご夫妻への批判はいまだに収束しているとは言えません。それゆえに、批判の矛先が秋篠宮家に向かってしまう可能性を心配しております」
安倍元首相の国葬には、現在200近い国・地域からの出席の意向が示されているという。
「世界中から各国首脳が弔問に訪れることにより日本外交に大きなメリットをもたらす意義も、外交官のご経験がある雅子さまは理解されていると思います。
しかし一方で、ご静養を取りやめられたご配慮によく表れていますが、両陛下は国民の苦難に心を寄せ続けられています。
岸田政権が国民の分断をいとわずに国葬を強行することに対して、両陛下も危惧されているでしょう」(前出・皇室ジャーナリスト)
国葬への参列の影響で、国民が皇室を見放す日が来るかもしれない――。こうした危機感に、雅子さまも憂悶を募らせている。
出典元:「女性自身」2022年9月6日号