旧統一教会との関係 7閣僚が明らかに 閣僚の発言は…
岸田総理大臣は、8月10日、内閣改造を行い、第2次岸田改造内閣が正式に発足した。
閣僚と「世界平和統一家庭連合」=旧統一教会との関係が明らかになったのは、寺田総務大臣、林外務大臣、加藤厚生労働大臣、西村環境大臣、山際経済再生担当大臣、高市経済安全保障担当大臣、岡田地方創生担当大臣の7閣僚と、木原官房副長官と磯崎官房副長官の2人の官房副長官。
寺田稔・総務相
「一度だけ、広島県人会の知人に誘われ、結果的には行けなかったが会費だけ支払った。ただ、その時点で『国際勝共連合』の会合だとは知らなかった。私自身、旧統一協会の会合に出たり、祝電を出したことは一切ない。」
林芳正・外相
2012年に関連する団体の「世界日報」の取材を受けていたことが確認されたと明らかにし「団体の現状についての認識を欠いたものであり申し訳ない。今後は一切関係を持たないことを約束したい」と述べた。
加藤勝信・厚生労働相
平成26年と平成28年に関連団体の懇親会の会費として合わせて3万円を支払っていたことや、平成30年に開催されたイベントに祝電を送っていたことなどを改めて説明した。記者団から「そうした団体から選挙で協力を受けたことはあるか」と質問されたのに対し、「具体的に人を派遣してもらったことはない」と述べた。
西村明宏・環境相
3年前に会長を務めていた自民党宮城県連に依頼があり、宮城県で開かれた旧統一教会と関わりがあるとされるフォーラムの世話人となっていたことを明らかにした。
山際大志郎・経済再生担当相
平成25年3月に、旧統一教会の関連団体「平和大使協議会」に対して会費1万円を支払っていた他、平成30年10月に関連団体のイベントに出席していたことが分かったと明らかにした。
高市早苗・経済安全保障担当相
2001年に旧統一教会と関係がある雑誌に、政治評論家などと対談した記事が掲載されていたことを明らかにした。
岡田直樹・地方創生相
秘書が関連団体の会合に出席していたことや、関連団体の行事にメッセージを送っていたことが確認されたと明らかにした。
木原誠二・官房副長官、磯崎仁彦・官房副長官
旧統一教会との関係をめぐり松野官房長官は、点検の結果、みずからは関係がないことが明らかになったと説明。一方で、木原官房副長官の秘書が関係団体の会合に出席していたことと、磯崎官房副長官が関係団体の行事に出席していたことが確認されたと明らかにしました。
旧統一教会と接点、副大臣・政務官でも20人 内閣改造しても…自民議員と根深い関係
副大臣・政務官20人に接点 旧統一教会、自民関係深く(共同通信 2022/8/12 23:18 JST)
副大臣ら54人中19人が旧統一教会と接点 閣僚合わせ計26人に
政府は12日の臨時閣議で、第2次岸田改造内閣の副大臣と政務官計54人を決めた。うち少なくとも自民党議員20人が世界平和統一家庭連合(旧統一教会)側とパーティー券の購入や会合への出席などで接点があったことを本人や事務所が認めた。改造内閣発足時の閣僚に続き、自民党議員との根深い関係が露呈。秋の臨時国会で野党は厳しく追及する構えで、岸田文雄首相らの説明責任が問われる。
20人は、副大臣がデジタルの大串正樹氏、内閣府の和田義明氏、外務の山田賢司氏、文部科学の井出庸生氏、農林水産の野中厚氏、経済産業の中谷真一氏、いずれも国土交通の石井浩郎氏、豊田俊郎氏、環境の小林茂樹氏。
政務官がデジタルの尾崎正直氏、法務の高見康裕氏、いずれも外務の高木啓氏、吉川有美氏、文科の山本左近氏、いずれも国交の古川康氏、清水真人氏、環境の柳本顕氏、いずれも総務の国光文乃氏、中川貴元氏、内閣府の中野英幸氏。
大串氏は今年5月にパーティー券6万円分、山田氏は2018年4月に4万円分を関係団体に購入してもらった。大串氏は「ちゃんと(教団側との)関係は断つようにします」と話した。和田氏は21年衆院選で教団側から名簿を受け取り、事務所が「今後は一切関係を持たないと約束する」とコメントした。
教団が関係するイベントや会合などに出席した(秘書の代理出席を含む)のは山田、野中、中谷、豊田、尾崎、中野、中川、高見、高木、古川、柳本の11氏。野中氏は「当時は(教団の関係を)知らなかった。以前のようなお付き合いはわきまえていく」と話した。尾崎氏は「選挙前の団体のあいさつ回りの一環だった」と説明した。
祝電やメッセージを送ったのは大串、和田、井出、国光、吉川、山本、古川、清水の8氏だった。井出氏は「一層厳しく付き合いは見直していきたい」、吉川氏は「関係先を確認し、慎重に付き合いを決めていきたい」と語った。
杉田水脈総務政務官は教団との関わりについて「全く何の関係もございません」と記者団に否定した。事務所は取材に対し、16年8月に米ニューヨークの教団施設で講演したとの指摘について「講演したのは事実」としながら「どのような施設であったかは存じていません」とコメントした。
旧統一教会との関係を認めた7閣僚が、今回の内閣改造で閣外に
今回の内閣改造でひとつの焦点とされたのが、旧統一教会との関係が深い議員をどれだけ閣内から取り除くことができるかという点だ。
実際、同団体と付き合いがあると明言し、次回の選挙でも支援を受ける気満々といった発言をしていた岸信夫氏をはじめ、末松信介氏、二之湯智氏、小林鷹之氏、野田聖子氏、山口壮氏、萩生田光一氏といった旧統一教会との関係を認めた7閣僚が、今回の内閣改造で閣外に去ることとなった。