広島は「原爆の日」 市長が平和宣言で「核抑止は破綻、脱却を」
広島は6日、米軍による原爆投下から78年の「原爆の日」となり、広島市の平和記念公園では「原爆死没者慰霊式・平和祈念式」(平和記念式典)が営まれた。約5万人が参列、投下時刻の午前8時15分に黙とうした。松井一実市長は平和宣言で、先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)の核軍縮文書「広島ビジョン」が肯定した核抑止論について「破綻していることを直視し、為政者に脱却を促すことが重要だ」と指摘。対話を通じた安全保障体制の構築へ踏み出すよう強く求めた。
日本政府に対し、核保有国と非保有国の橋渡し役を果たしてほしいと要望。一刻も早く核兵器禁止条約の締約国となることや、11月の第2回締約国会議にオブザーバー参加することも求めた。
岸田文雄首相はあいさつで、広島ビジョンの意義を強調。「唯一の戦争被爆国として『核兵器のない世界』の実現に向けた努力をたゆまず続ける」と述べた。核兵器禁止条約には触れなかった。
米パールハーバーからも参列 国立記念公園代表者ら…広島平和記念式典
6日の広島市の平和記念式典には、米ハワイ州パールハーバー国立記念公園からも代表者らが参列した。広島市は6月、平和記念公園(広島市中区)とパールハーバー国立記念公園との姉妹公園協定を締結している。
式典を終えたパールハーバー国立記念公園の代表者レザーマン氏は広島市の松井一実市長を訪問。その後、記者団の取材に応じ、式典について「特に子供たちの平和への誓いのメッセージにすごく感動した」と感想を述べた。「(広島の)力強さを、姉妹公園の中で生かしていけるのか考えていかなければならない」と強調。今後「若者に歴史を学んでもらい、平和の推進につながるプログラム」を行いたいと語った。
同席したホノルル広島県人会のミヤオ会長は「今回が3回目の式典への参列だが、素晴らしい式典だった」と評価した。
議員会館で1千万円受領か 秋本氏、風力会社社長から
秋本真利衆院議員(47)=自民党を離党=が洋上風力発電を手がける日本風力開発の塚脇正幸社長から数千万円の資金を受領したとされる事件で、秋本氏がうち1千万円を東京・永田町の議員会館事務所で塚脇氏から受け取ったとみられることが6日、関係者への取材で分かった。秋本氏は国会などで洋上風力発電の事業者参入を後押ししており、東京地検特捜部は資金の趣旨を調べている。
特捜部は、秋本氏が実質的に管理していたとされる競走馬の組合に対する塚脇氏の支払いが賄賂に当たるとみて捜査。塚脇氏の弁護士は賄賂ではないと説明している。
弁護士によると、塚脇氏は組合が設立された2021年秋から今年6月まで、20回以上にわたり組合に資金提供し、総額で3千万円余りに上る。口座への振り込みなどのほか、秋本氏から馬の購入代金が必要と求められ、1千万円を支払ったケースがあったという。秋本氏は数日間のうちに約9割を馬の購入代や種付け料に充てたといい、利益供与には当たらないとしている。
台風6号、沖縄で線状降水帯 9日にも九州接近、上陸の恐れ
台風6号は6日、沖縄本島や鹿児島県の奄美地方にかなり接近し、奄美市の南東をゆっくりと東へ進んだ。沖縄県では午前、局地的な豪雨をもたらす線状降水帯が発生。奄美や九州南部でも7日夜にかけて線状降水帯が発生する可能性がある。台風はその後、日本の南の海上で進路を変えて、やや発達して北上し、9日には九州にかなり近づき、上陸する恐れもある。
気象庁は土砂災害や河川の氾濫、暴風などへの厳重な警戒を呼びかけた。西日本や東日本太平洋側では10日ごろにかけて大雨となり、台風の動きが遅いため総雨量が8月の平年1カ月分を大きく超える恐れがある。
仙台七夕まつりが開幕 4年ぶりに飲食販売も
東北三大祭りの一つ、仙台七夕まつり(仙台市)が6日、開幕した。4年ぶりに飲食物販売の露店が設置されるなど、新型コロナウイルス流行以前と同様の形式で開催。観光客らは街の中心部に飾られた色とりどりの吹き流しが風に揺らめく様子を眺めながら、仙台の夏の風物詩を楽しんだ。期間は8日まで。
対馬で4年ぶりに朝鮮通信使行列 日韓交流深化を期待
江戸時代に朝鮮王朝から来日した外交使節団を再現する日韓交流イベント「朝鮮通信使行列」が6日、当時受け入れの玄関口だった長崎県対馬市で開かれた。新型コロナウイルス禍による中止を挟み4年ぶり。韓国からの参加者70人を含む約250人が通信使や武士に扮し、黄色やピンクなど鮮やかな衣装をまとって市中心部を行進した。
行列は例年8月に開く「対馬厳原港まつり」の目玉で、1980年ごろから地元の商工会を中心に始めた。市民や観光客が沿道に詰めかける中、太鼓や笛、ラッパを響かせ約30分かけて行進。終了後は、対馬藩主と通信使の代表役を務めた日韓の代表者が、友好のメッセージを交わした。
無人探査機、月周回軌道に インド
インド宇宙研究機構(ISRO)は、先月打ち上げた無人月探査機「チャンドラヤーン3号」が、5日に「月周回軌道へ無事進入した」と発表した。計画では23日から24日にかけて、月面の南極付近に着陸する。軟着陸に成功すれば、米国などに次いで4カ国目となる。
【1年前の今日の出来事】 2022年8月6日