2023年8月1日 今日の出来事

熱中症搬送1万1765人 18人死亡、暑さ厳しく

総務省消防庁は1日、熱中症により7月24~30日の1週間に、全国で1万1765人が救急搬送されたとの速報値を公表した。厳しい暑さが続き、前週から2575人増加。1週間の搬送者数が1万人を超えるのは今年初めて。搬送後に死亡が確認されたのは15道府県で計18人だった。

気象庁によると、今後も35度以上の猛暑日に達する日が予想される。消防庁は小まめな水分補給、適切なエアコン使用といった対策を呼びかけている。

搬送者のうち、3週間以上の入院が必要な重症者は275人、短期の入院が必要な中等症は3651人。年齢別では、65歳以上の高齢者が6644人と全体の56.5%を占めた。

7月の気温、過去最高に 45年ぶり、1.91度高く

気象庁は1日、7月の平均気温が、平年を示す基準値(1991~2020年の平均)を1.91度上回り、統計を開始した1898年以降で最も高くなったと発表した。これまでの最高は1978年のプラス1.51度で45年ぶりに更新した。

特に7月後半から最高気温が35度以上の猛暑日が相次ぐなど厳しい暑さが続いた。気象庁によると、台風が発生するなどフィリピン付近の積乱雲の活動が活発で太平洋高気圧の勢力が強くなり、暖かい空気が流れ込んだためだという。

ふるさと納税9654億円、3年連続で最高 寄付先最多は都城市 物価高、返礼品でやりくりも

総務省は1日、ふるさと納税制度に基づく自治体への2022年度の寄付総額が、前年度比1352億円増の9654億円となり、3年連続で過去最高を更新したと発表した。物価高が続き、家計のやりくりが厳しい中、日用品や食品などの返礼品を得るために利用した人も増えたとみられる。半面、都市部を中心に税収の「流出」が顕著で、東京23区では過去最高に。東京や神奈川県などの自治体からは制度の見直しを求める声があらためてあがった。

制度が始まった08年度に81億円だった寄付総額は18年度に5000億円を突破。最近は新型コロナ禍の巣ごもり需要を追い風に、20年度6725億円、21年度8302億円と伸びていた。

返礼品として人気の特産品を確保できる自治体が上位になる傾向は変わらず、22年度に最も寄付を集めたのは宮崎県都城市で196億円。北海道紋別市194億円、根室市176億円と続いた。

一方、首都圏の自治体は税収の「流出」があらためて目立った。東京23区の流出見込み額は合計で826億6000万円(6月1日時点の推計値)に上り、前年度比で1.2倍近くに達し過去最高になった。23区で最も多かったのは、世田谷区の98億2300万円で全国でも5番目。全国11番目の港区(67億6100万円)や大田区(49億5100万円)、杉並区(47億8600万円)など、上位20自治体までに8区が入った。

都内のほか、首都圏自治体は横浜市が流出額全国トップの272億4200万円、川崎市が4番目の121億1500万円。6番目にさいたま市の89億6100万円、12番目に千葉市の55億4100万円と続いた。

6月求人倍率、1.30倍に低下 失業率は2.5%に改善

厚生労働省が1日発表した6月の有効求人倍率(季節調整値)は、前月を0.01ポイント下回る1.30倍で、2カ月連続の低下となった。求人数が横ばいだったのに対して、物価の高騰で生活が苦しくなり仕事を探す人が増えたことが要因とみられる。総務省が同日公表した6月の完全失業率(同)は前月比0.1ポイント低下の2.5%だった。2カ月ぶりに改善した。

6月の有効求人数は前月から横ばいだった一方、有効求職者数は0.6%増えた。厚労省の担当者は「物価高騰による支出増を補うため、兼業を検討するなど仕事を探す人が増えているのではないか」と分析した。

技能実習、7千職場に違反 厚労省、22年立ち入り調査

厚生労働省は1日、2022年に立ち入り調査した外国人技能実習生が働く事業所のうち、7247カ所で法令違反があったと発表した。新型コロナウイルス禍で減少した技能実習生は増加に転じており、担当者は「引き続き、事業所の監督・指導に力を入れたい」としている。

違反の内訳は、作業の安全配慮が不十分といった労働安全衛生法違反が2326件と最多で、割増賃金不払いが1666件で続いた。月110時間を超える違法残業や、資格が必要な作業を無資格のままさせていたケースなどがあった。

出入国在留管理庁によると、22年末の技能実習生は約32万人。

保育施設事故2461件 過去最多、死亡は5件…こども家庭庁

こども家庭庁は1日、2022年に全国の保育所や幼稚園、放課後児童クラブ(学童保育)などで起きた事故は2461件だったと発表した。前年より114件増えて過去最多。うち、死亡事故は前年と同じ5件で、年齢別に見ると0歳が2件、1歳と3歳、5歳が1件ずつだった。

死因の内訳は窒息が1件、溺死が1件、原因不明などその他が3件。死亡時の状況は睡眠中が2件、食事中が1件、その他が2件だった。施設別では、認定こども園と認可保育所、企業主導型保育施設で1件ずつ、認可外保育施設で2件起きた。

死亡以外の2456件の内訳は、骨折が最多の1897件で、意識不明が19件、やけどが6件など。保育所や幼稚園は事故が起きた場合、自治体への報告が義務付けられている。国は事故のうち死亡や治療に30日以上を要する負傷などを集計し、発表している。

自民、松川女性局長を注意 フランス研修中の写真に批判

自民党の小渕優子組織運動本部長は、フランス研修中に撮影した写真が投稿先の交流サイト(SNS)上で「観光旅行のようだ」と批判を浴びた松川るい女性局長を注意した。松川氏が1日、党本部で記者団に明らかにした。「軽率だったと反省している」と語った。

松川氏は、パリの観光名所、エッフェル塔前でポーズを取った写真をSNSに投稿。批判を浴びたため、写真を削除した。

弘前ねぷた、夜空彩る 4年ぶり制限なし開催

色鮮やかな扇形の灯籠が夏の夜空を彩る「弘前ねぷたまつり」が1日、青森県弘前市で始まった。新型コロナウイルスの感染防止による制限なしの開催は4年ぶり。巨大な扇ねぷたが弘前城から続々と出陣すると、沿道に集まった観客から歓声や拍手がわき起こった。

法被姿の参加者らは「ヤーヤドー」の力強いかけ声とともにねぷたを引いて市内中心部を練り歩いた。

7日までで、期間中に64団体のねぷたが運行する予定。ねぷたの出来やはやしの盛り上がりを審査するコンテストも4年ぶりに復活した。

朝鮮通信使の復元船、対馬へ出港 「200年越し」交流期待

朝鮮王朝時代の外交使節「朝鮮通信使」が日本への渡航に使った船の復元木造船が1日、当時の寄港地だった長崎県対馬市に向け韓国南部の釜山を出港した。5、6両日に対馬市で開かれる「対馬厳原港まつり」参加のためで、建造以来初の渡日となる。

韓国政府は、江戸末期に通信使の往来が途切れて以来「約200年越しの海峡越え」だとして、日韓交流の活性化に期待している。

船は国立海洋文化財研究所が文献などに基づいて建造し、全長約34.5メートル、重さ約149トン。2018年、通信使に関する資料の国連教育科学文化機関(ユネスコ)「世界の記憶」登録から1年を機に進水したが、日韓関係悪化や新型コロナウイルス禍を受けて渡航は見送られ、沿岸での試験運航や遊覧航海を重ねていた。

釜山港では1日、同研究所職員や船員ら約10人が乗船し、関係者に見送られ出発した。港まつりでは乗船体験や伝統芸能の船上公演などを計画している。同研究所の洪淳在さん(51)は乗船に先立ち「感無量で、対馬の皆さんに会えるのが楽しみ」と話した。

中国の豪雨、20人死亡 首都周辺、58万人超が被災

中国当局は1日、先月末から続いている豪雨で、首都・北京市で11人、隣接する河北省で9人の計20人が死亡し、計58万人超が被災したことを明らかにした。国営中央テレビが報じた。習近平国家主席は本格的な捜索を指示し、軍も救援活動に乗り出した。

中央気象台は7月29日、北京市や河北省、天津市などに最高レベルの「豪雨赤色警報」を発出。1日午前までの北京市の平均降水量は260ミリに上り、局地的な豪雨に見舞われた。

北京市では河川が氾濫し、山が崩れるなど各地で被害が拡大。約12万7千人が避難を余儀なくされ、約4万5千人が被災した。

【1年前の今日の出来事】 2022年8月1日