2023年3月20日 今日の出来事

ドル資金の供給強化で協調 FRBなど米欧日の6中央銀行

米連邦準備制度理事会(FRB)など米欧日の6中央銀行は19日、各国中銀が協調して市場へのドル資金供給を強化すると発表した。米欧の銀行が相次いで経営難に陥ったことで世界的に金融不安が強まり、各国の金融機関が基軸通貨であるドルの資金繰りに困らないよう安全網を強化する。

協調するのはFRB、欧州中央銀行(ECB)、日銀とカナダ、英国、スイスの各中銀。各国中銀の求めに応じFRBがドルを各国通貨と交換する既存制度を強化する。金融不安で民間の金融機関が市場でドルを調達しにくくなる事態に備え、民間の金融機関への「最後の貸手」となる各国中銀のドル調達能力を強化しておく。20日に始め、少なくとも4月末までは続ける。

米国では10日にカリフォルニア州を拠点に置く中堅のシリコンバレー銀行(SVB)が破綻。12日にはニューヨーク州に拠点を置くシグネチャー銀行も破綻した。バイデン政権が両行の全預金の保証を決めるなど混乱の沈静化を図ったが、SVBと同じくカリフォルニア州に拠点を置くファースト・リパブリック銀行の株価が暴落するなど信用不安は収まっていない。

不安は欧州にも飛び火。19日には経営難に陥ったスイス金融大手のクレディ・スイスを同じくスイスに拠点を置くUBSが買収することが決まった。

日米欧6中銀がドル供給強化で協調

UBS、クレディ・スイスを4300億円で買収・合併 欧州最大規模に

スイス金融最大手UBSは19日、経営危機に陥った同業クレディ・スイスを30億スイスフラン(約4300億円)で買収することで合意したと発表した。クレディ・スイスの破綻がスイス発の金融危機に発展しかねないとの懸念が強まる中、UBSは当局主導でライバルの救済に踏み切る。

米中堅銀行シリコンバレー銀行(SVB)の破綻をきっかけとした金融市場の混乱は、世界有数の巨大金融機関の再編へと一気に進んだ。ただ市場の動揺が収束するかは不透明だ。

UBS、クレディ・スイスを買収で合意

岸田首相、インド・モディ首相と会談へ 新興・途上国と連携強化

岸田文雄首相は20日午前(日本時間同日午後)、インドのモディ首相とニューデリーで会談した。日本が先進7カ国(G7)、インドが20カ国・地域(G20)の今年の議長国を務めることを踏まえ、開発金融や食料安全保障などの分野で連携を強めていくことで一致。岸田首相は5月に広島市で開くG7首脳会議(サミット)にモディ首相を招待し、同意を得た。

岸田首相は、「グローバルサウス」と呼ばれる新興・途上国への支援強化を表明。ロシアのウクライナ侵攻や中国の威圧的行動を踏まえ、「法の支配に基づく国際秩序」の重要性を共有した。

きょうロシア訪問の中国・習近平氏「客観公正に和平交渉を促す」…露政府紙に寄稿

中国の 習近平シージンピン 国家主席は20日から3日間の日程でロシアを訪問し、プーチン大統領と会談する。習氏の訪露に合わせて20日、習氏が露政府紙「ロシア新聞」に、プーチン氏は中国共産党機関紙・人民日報にそれぞれ寄稿し、両国民に中露関係の重要性をアピールした。

国営新華社通信によると、ウクライナ情勢を巡って習氏は寄稿で、「中国は常に客観公正の立場で和平交渉を促す」と主張した。「必ずウクライナ危機を解決する合理的な方法を見いだせると信じる」として、政治解決に向けて建設的な役割を果たす意向を示した。

「各国の合理的な安全保障上の懸念も尊重しなければならない」と強調し、北大西洋条約機構(NATO)の東方拡大は「安全保障上の脅威」と主張するロシアに寄り添う姿勢も見せた。

一方、プーチン氏は寄稿で「中国のウクライナ問題に対するバランスの取れた態度に感謝する」と中国の役割に期待を寄せた。

ロシアのウクライナ侵略開始後、習氏の訪露は初めて。両首脳は会談で、ウクライナ情勢や軍事技術、エネルギーなど各分野の協力関係について協議する見通しだ。

袴田巌さんの再審開始が確定 東京高検、最高裁への特別抗告断念

1966年に静岡県でみそ製造会社専務一家4人が殺害された「袴田事件」で、強盗殺人罪などで死刑が確定した袴田巌さん(87)の再審開始を認めた第2次請求差し戻し審の東京高裁決定について、東京高検は上訴期限の20日、一転して受け入れ、最高裁への特別抗告を断念すると表明した。逮捕から約57年を経て、再審開始が確定。静岡地裁で公判が開かれる。

戦後の裁判史上、死刑確定後に再審が開始された事件はこれまで4件あり、いずれも再審無罪となっている。袴田さんの再審公判で、検察側が無罪を求刑するか、改めて有罪立証するかが焦点となる。

黒柳徹子のベストセラー「窓ぎわのトットちゃん」アニメ映画化 今冬公開予定

女優の黒柳徹子(89)の自伝的物語「窓ぎわのトットちゃん」が、アニメ映画化され、今冬公開を予定していることが19日、分かった。関連作品のドラマ、映画はあったが、同作の映像化は初めて。「劇場版ドラえもん」シリーズを手掛けた八鍬(やくわ)新之介氏が監督を務める。

落ち着きがないことを理由に小学校を退学となったトットちゃん(黒柳)が自主性を尊重するトモエ学園に転校して恩師や友達と出会う物語。1981年に発表され、日本で800万部、全世界で2500万部超のベストセラーとなった。黒柳によると、「黒澤明監督以外のほとんどすべての映画監督からお手紙をいただいた」と何度も映画化のオファーがあったが、「読者の頭の中にあるイメージを壊したくない」と断り続けてきた。

それでも、八鍬監督はイメージボードを手に何度も黒柳の元を訪れてアピール。黒柳も「アニメであれば、原作を愛するファンの方々も喜んでくれるかもしれない」と快諾したという。

トットちゃんのアニメ映画化を喜ぶ黒柳徹子

全国の新規感染、3000人下回る 1年2カ月ぶり 新型コロナ

厚生労働省は20日、新型コロナウイルスの新規感染者が全国で2770人確認されたと発表した。前週の月曜日より600人減った。3000人を下回るのは2022年1月以来1年2カ月ぶり。死者は22人だった。

主な都道府県の新規感染者数は、北海道80人▽東京都270人▽愛知県93人▽大阪府136人▽福岡県66人――など。

<新型コロナ・20日>東京都で新たに270人感染、2人死亡

東京都は20日、新型コロナウイルスの新たな感染者270人と死者2人を確認したと発表した。1週間平均の新規感染者数は、20日時点で651.6人で、前の週に比べて87.5%。

<新型コロナ・20日>東京都で新たに270人感染

【1年前の今日の出来事】 2022年3月20日