紙の本が人気の理由とは 紙・電子書籍のメリット・デメリットを踏まえて徹底解説

紙・電子書籍のメリット・デメリット 社会

【意外】紙の本が人気の理由とは|紙・電子書籍のメリット・デメリットを踏まえて徹底解説(prebell 2022.10.26)

PreBell編集部

スマートフォンで本が読めるようになり、電車で紙の本を読んでいる人を見るのも少なくなりました。将来、紙の本は完全に無くなるという人もいますが、日本の売上で見ると紙の本が圧倒的に売れています。

紙で読んだ方が記憶に残りやすいといわれますが、紙と電子書籍で本を読むのには違いがあるのでしょうか? この記事では、紙と電子書籍のメリット・デメリットや、紙の本の今後について解説します。

POINT

紙の本のメリット・デメリット3つ
電子書籍のメリット・デメリット3つ
紙の本には、代替不可能な魅力がある

紙の本のメリット3つ

紙の本のメリット3つは以下の通りです。

1.読書に集中できる
2.脳が活性化する
3.保存性が高い

読書に集中できる

紙の本は読書に集中できます。目的のページに向けて細かくめくる時の操作性が高く、文章構造も把握しやすいため集中しやすいでしょう。また、充電切れを気にせず読めるので気が散りません。

電子書籍はスマートフォンやタブレットなどの端末が必要なため、読書の途中で通知が目に入ることもあります。紙の本は集中しやすいため、勉強などの目的を持った読書におすすめです。

脳が活性化する

紙の本を読むと本の手触りや匂い、ページをめくる音、紙の質感など味覚以外の五感が刺激されます。五感を刺激することで脳が活性化し、アイデアや情緒を育むメリットもあります。

また、紙の本は直接触れて読むため愛着がわきやすいというメリットもあります。見た目で読書の進捗がわかり、達成感も生まれます。

保存性が高い

紙の本は劣化しますが、電子書籍よりも保存性が高いです。1000年以上前に作成された万葉集も現存しています。

しかし、電子書籍の場合は再生する環境がないと読めない場合があります。特に現在の電子書籍は多くの機能があるため、再生環境の標準化が進まないと保存性は紙に比べて低くなります。

紙の本のデメリット3つ

紙の本のデメリット3つは以下の通りです。

1.物理的制約がある
2.見た目が劣化する
3.手間がかかる

物理的制約がある

紙の本は荷物になるなど物理的な制約があります。電子書籍なら、端末一つで数百冊読めますが、紙の本はかさばります。旅行や出張先だと、特に荷物になるでしょう。持ち歩いて読みづらいため、通勤・通学中の満員電車で本を開いて読むのは難しい場合があります。

また、紙の本は物理的に場所をとるため、保管スペースが必要です。引っ越し先の収納スペースが狭い場合は、本を売る必要があります。

見た目が劣化する

紙の本はお茶をこぼしたり、ページの角を折ったりするなど劣化しやすいです。使い込むほど愛着もわきますが、人に貸しにくくなったり人前で読みにくくなったりするデメリットがあるでしょう。

また、書き込みが簡単に消えないため、見た目が悪くなります。転売を考えていると書き込むのにためらうため、使い勝手も悪くなります。

手間がかかる

電子書籍だと在庫に限りがありませんが、紙の本は品切れの場合があります。取り寄せの場合、入手までに時間がかかることがデメリットです。

また、紙の本は書店に買いに行ったり、ネット注文して届くまで待ったりする手間もかかります。ネット注文の場合も都心部ならすぐに届きますが、離島などの場合は入手時間が長くなるでしょう。

電子書籍のメリット3つ

電子書籍のメリット3つは、以下の通りです。

1.読書のハードルが下がる
2.物理的制約がない
3.便利機能がある

読書のハードルが下がる

スマートフォンなどの端末一つで読めるため、携帯性が高く読みやすいです。通勤や通学中の隙間時間にも読書が楽しめるでしょう。読み上げ機能付きの電子書籍が増えているため、ランニング中など時間と場所を選ばない読書ができます。

また、電子書籍は購入したその場で手に入るため、読みたい本がすぐ読めます。本を読みたいと思ったタイミングを逃さずに読めるため、読書のハードルが下がるでしょう。

物理的制約がない

紙の本のように物理的な制約がないため、電子書籍は容量があるかぎりダウンロードできます。引っ越しの時も端末一つで移動できる点は、大きなメリットです。

また電子書籍はデータのため、売れ行きが悪くても紙を無駄にしません。資源を無駄にしないことは、今の時代にもあっています。

便利機能がある

電子書籍はブックマークを指定すると、目的のページに一瞬で飛べます。紙の本のように、1ページずつ探す時間を節約できるのはメリットでしょう。

また、電子書籍は画面の色や文字の大きさ、明るさなどをカスタマイズできます。お年寄りが、大きな文字で読みやすくカスタマイズするなど、読者に合わせたパーソナライズが可能な点もメリットです。

電子書籍のデメリット3つ

電子書籍のデメリット3つは、以下の通りです。

1.お金がかかる
2.集中しづらい
3.サービス終了の可能性がある

お金がかかる

紙の本の場合は、古本なら数百円で購入できるものがあります。しかし、電子書籍は、古本でも新書と同等の値段の場合が多いです。新書の場合は電子書籍の方が安い場合もありますが、数百円の差でしょう。

また、電子書籍はタブレットやスマートフォンを購入する必要があります。端末は故障することもあるため、維持費もかかります。

集中しづらい

電子書籍は、ブックマーク以外の特定の場所を検索しづらいです。紙の本の場合、本の半分くらいの位置を感覚的に開けますが、電子書籍だと位置感覚が測りにくくなります。集中して読みたい場合、電子書籍は向かないでしょう。

また、電子書籍は端末で操作しているため、充電が気になることもデメリットです。オンラインゲームなど電池消費の激しいアプリがあると、本を読むときに充電が気になります。ブルーライトで目も疲れやすいため、画面の輝度を下げたり、ブルーライトカットメガネをかけたりして対策しましょう。

サービス終了の可能性がある

電子書籍を提供している企業のサービスが終わった場合、読めなくなる可能性があります。提供元にもよりますが、返金対応などで本自体は読めなくなる場合もあるでしょう。

紙の本の今後

紙の本は今後、どうなるのでしょうか。ここでは紙と電子書籍の共存の可能性や、代替不可能な紙の本の魅力について解説します。

紙と電子書籍は共存できる

紙と電子書籍は、共存できる可能性があります。なぜなら、電子書籍は紙の本の上位互換というわけではなく、それぞれに異なる利用メリットがあるからです。

例えば勉強など目的を持った読書には、操作性・読解力の向上の点から紙の本がおすすめです。また、電子書籍は携帯性が高く、すぐに入手できるため、目的を持たない簡単なリサーチなどに向いています。それぞれ使い分けが可能なため、紙と電子書籍は共存できる可能性があります。

代替不可能な紙の本の魅力

紙の本には、代替不可能な魅力があります。操作性の高さや、使うほどに生まれる愛着などは紙の本独自の魅力です。紙の市場割合がまだまだ高い理由は、その魅力にあります。形を変えることはあっても、紙の本ならではの魅力が失われない限り紙の本は愛され続けるでしょう。

まとめ

紙と電子書籍にはメリット・デメリットがそれぞれあります。紙の本は、勉強のために参考書を読むなどの目的がある読書に向いています。電子書籍は、ある分野を簡単に知りたいなど広範囲な知識を速く得るのに向いているでしょう。

自分の目的に合わせて、紙と電子書籍を併用して楽しむのがおすすめです。ぜひ上手に活用して、より快適な読書ライフを楽しんでください。