大地震死者4.1万人 トルコ最悪の被害、救出も続く
トルコ南部で起きた大地震による死者は15日、隣国シリアと合わせて4万1000人を超え、トルコでは地震による過去最悪の被害となった。被災地ではがれきの中から相次いで生存者が発見され、捜索隊が懸命の作業を続けている。
トルコのエルドアン大統領は14日夜、首都アンカラの災害緊急事態対策庁で演説し、大地震による同国内の死者が3万5418人に達したと発表した。ロイター通信によれば、シリアでは少なくとも5814人が命を落としている。
トルコでは、これまでで最も多くの犠牲者が出た1939年の東部エルジンジャン地震(死者約3万3000人)を上回った。エルドアン氏は「(1923年建国の)トルコ共和国は二つの巨大災害を経験した」と語った。
子供700万人地震被災 厳寒のトルコ、屋外で寝る…ユニセフ
国連児童基金(ユニセフ)は14日、トルコを襲った大地震で、シリアと合わせて700万人以上の子供が被災したと明らかにした。ユニセフ報道官がジュネーブで記者会見し「何千人もの子供が亡くなった恐れがある」と厳しい認識を示した。
報道官によれば、被害が大きいトルコの10県で子供460万人が被災。シリアでも250万人に上る。生存者の救出活動は縮小されつつある。報道官は「正確な数字は今もないものの、(死者の)人数が増え続けることは悲しいことだが明らかだ」と嘆いた。
また「このような破滅的な地震被害を考えると、多くの子供が親を亡くしてしまっているだろう」と述べた。子供を持つ家族も「路上や学校、モスク(イスラム礼拝所)、バス停や橋の下で寝泊まりしている」と指摘。「雪や雨を伴う厳しい寒さにさらされ」低体温症や呼吸器系感染症を患う子供が増えていると訴えた。
豊田章一郎氏死去、97歳 トヨタ名誉会長、元経団連会長
トヨタ自動車名誉会長で、経団連会長を務めた豊田章一郎(とよだ・しょういちろう)氏が14日午後4時48分、心不全のため死去した。97歳だった。トヨタの創設者である豊田喜一郎氏の長男として名古屋市で生まれた。自動織機を発明した豊田佐吉氏は祖父に当たる。
章一郎氏は1947年名古屋大工学部を卒業後、52年に取締役としてトヨタ自動車工業(当時)入社。以後、豊田家のプリンスとして帝王学を学び、82年にトヨタ自動車工業とトヨタ自動車販売が合併した「工販合併」でトヨタ自動車社長に就任した。
社長時代には米国工場建設や独フォルクスワーゲンとの提携など業務のグローバル化を推進。住宅事業の立ち上げにも力を注いだ。92年に弟の達郎氏に社長ポストを譲り、自らは会長に就いた。
経団連では94年、自動車業界から初めて会長に選任された。規制緩和や税制改革など日本経済の構造改革推進を政府に強く働き掛けるとともに、米国や欧州、アジアを相次いで訪れるなど「世界に開かれた経団連」を目指して活動した。
経団連会長退任後は、2005年日本国際博覧会(愛知万博)協会会長などを歴任した。桐花大綬章を受章。
不退転の決意で経済界リード 豊田章一郎氏死去で談話…3団体トップ
トヨタ自動車名誉会長の豊田章一郎氏が死去したことを受け、経団連の十倉雅和会長ら経済3団体トップは15日、相次いで追悼の談話を公表した。
十倉氏は「日本が長期的な経済低迷にあえぐ中、不退転の決意で経済界をリードした」とコメント。日本商工会議所の小林健会頭も「わが国の経済社会の発展のために幅広く尽力された」と財界での活動をたたえた。
十倉氏は、豊田氏が1994年から務めた経団連会長時代に「目指す国の姿、課題解決の道筋を示すビジョンを公表した」と功績を説明。在任中の4年間で35カ国を訪問したことに触れ、「精力的に民間外交を展開した姿が多くの方々の記憶に刻まれている」と振り返った。
また、経済同友会の桜田謙悟代表幹事は15日の記者会見で、豊田氏の手腕について「日本独自の強さを発揮して海外に展開することを実践し、成功した最初の経営者だ」と指摘。「戦後の日本経済がグローバル化し、世界第2位(当時)の経済規模に至るまでの指針となる傑出した経営者だった」と語った。
NY円、一時133円30銭 日米金利差拡大を意識、ドル買い進む
14日のニューヨーク外国為替市場の円相場は対ドルで下落し、一時1ドル=133円30銭と約1カ月ぶりの円安ドル高水準を付けた。朝方発表された1月の米消費者物価指数の前年同月比上昇率が市場予想を上回り、米長期金利が上昇して日米の金利差拡大を意識した円売りドル買いが進んだ。
午後5時現在は、前日比69銭円安ドル高の1ドル=133円05~15銭を付けた。ユーロは1ユーロ=1.0731~41ドル、142円81~91銭。
物価上昇率の高止まりを受け、米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げが長期化するとの観測が強まった。
芳野連合会長、自民党大会出席見送り 統一選への影響懸念
連合の芳野友子会長は、26日の自民党大会への出席を見送る方向で調整に入った。4月の統一地方選を控え、自民党に接近していると映る動きは、望ましくないと判断したとみられる。複数の関係者が15日、明らかにした。
関係者によると、自民党が水面下で出席を打診。連合は一時出席に傾いたものの、「統一地方選が戦いにくくなる」との懸念が噴出した。これを踏まえ、自民党も正式な招待を見送ったという。
全国で新たに2万8772人感染 死者は213人 新型コロナ
厚生労働省は15日、新型コロナウイルスの新規感染者が全国で2万8772人確認されたと発表した。前週の水曜日より1万2800人減った。死者は213人だった。
主な都道府県の新規感染者数は、北海道969人▽東京都1858人▽愛知県1814人▽大阪府1744人▽福岡県1425人――など。
<新型コロナ・15日>東京都で新たに1858人感染、12人死亡
東京都は15日、新型コロナウイルスの新たな感染者1858人と死者12人を確認したと発表した。1週間平均の新規感染者数は、15日時点で1649.4人で、前の週に比べて62.2%。
【1年前の今日の出来事】 2022年2月15日