2023年6月29日 今日の出来事

平和記念公園と真珠湾公園、姉妹に 米大使館で協定締結式

原爆の悲惨さを後世に伝える広島平和記念公園(広島市中区)と、旧日本軍による真珠湾攻撃の犠牲者を悼むパールハーバー国立記念公園(米ハワイ州)が29日、「姉妹公園」となった。松井一実広島市長とエマニュエル駐日米大使が東京都内の米大使館で協定に調印した。歴史的建造物や景観の復元に必要な資料、観光運営に関する経験などの共有を図るとともに、交流事業に取り組む。

松井氏は両公園について「戦争の始まりと終わりを象徴する場所だ」と指摘した上で「平和を願う両国民の思いは同じだ」と述べた。エマニュエル氏は「かつて対立の場であった両公園は、今では和解の場となった」と強調した。

ハワイ州出身で、現職大統領として広島を初訪問したオバマ元米大統領は祝辞を寄せ、「日米両国民と日米が共有する過去をつなぐことで、平和と協力に基づいた共通の未来を構築できる」と協定を歓迎した。

広島と真珠湾「姉妹公園協定」の調停式

日韓、スワップ協定の再開で合意 経済分野での関係改善の象徴

日本と韓国の閣僚級による「日韓財務対話」が29日、東京で6年10カ月ぶりに開かれ、金融危機時に外貨を融通し合う「通貨交換(スワップ)協定」の再開で合意した。交換枠は最大100億ドル(約1兆4400億円)。協定は2015年に期限切れで終了しており、約8年ぶりの再開となる。

通貨スワップ協定は、金融不安などの危機が生じた国から要請があった場合、その国の通貨と引き換えに、相手国が米ドルなどの外貨を一時的に提供して支援する仕組み。日韓は01年に協定を締結したが、その後、当時の韓国大統領による島根県・竹島上陸や、慰安婦問題などで両国関係が極度に悪化し、段階的に規模を縮小。15年2月の期限満了時に協定を延長せずに打ち切りとなっていた。

財務対話には、日本から鈴木俊一財務相、韓国からは秋慶鎬(チュ・ギョンホ)経済副首相兼企画財政相らが出席した。

日韓通貨交換(スワップ)協定を巡る主な動き

潜水艇「タイタン」の残骸を回収 遺体らしきものも カナダに到着

米沿岸警備隊は28日、北大西洋に沈む豪華客船タイタニック号を探索中に水圧で大破したとみられる潜水艇「タイタン」の残骸を回収し、乗っていた人の遺体らしきものを見つけたと発表した。事故原因の調査のため米国に持ち帰り、詳細に分析するとしている。

米メディアによると、事故原因の調査は米沿岸警備隊が主導し、カナダ、フランス、英国の当局も参加する。調査委員長は声明で「大惨事を招いた要因を解明し、同じような悲劇が二度と起こらないようにするためには、まだかなりの量の作業が必要だ」とした。

米沿岸警備隊などは今月22日、海底3800メートルに沈むタイタニック号の近くで潜水艇の主要部分の破片を見つけ、水圧で「壊滅的」に大破したとみられると発表した。タイタンは海底探査などを企画する米オーシャン・ゲート社が運航。全長6.7メートルの潜水艇には同社の最高経営責任者(CEO)や英国の実業家ら5人が乗っており、全員が死亡した。

沖縄県のコロナ患者数、1週間に9000人超が感染か 昨年以上の流行規模

19~25日に県内の定点医療機関54カ所から報告があった新型コロナウイルスの患者数が、1定点医療機関あたり約39人で、前週比1.3倍になることが28日、県などへの取材で分かった。総数(推計値)は9千人を超えるとみられる。感染者の実態を捉えきれない定点報告でも、全数把握だった昨年6月19~25日の新規感染者数の合計8651人を超えていることから、現在の流行規模は昨年以上とみられる。29日に県が正式に発表する。

急速な感染拡大を受けて県は28日、コロナ対応にあたる医療機関の院長や県職員、厚労省職員による病院長会議を南風原町の県医師会館で実施した。会議では、各病院が逼迫したことで、地域の開業医が患者の入院先を探せない危機的状況が報告された。そのため県は、地域の医療機関を、集中治療室で重症者の治療ができる急性期病院A、一般的な疾患に対応できる同病院B、軽症者のリハビリに対応できる回復期病院に分類することを提案。一部の医療機関に患者を集中させず、地域の医療機関全体で対応する方針を確認した。

九州全域や日本海側で警報級大雨 30日~7月1日 気象庁

梅雨前線が活発化する影響で30日から7月1日にかけて、九州全域や西日本から北日本の日本海側を中心に雷を伴う非常に激しい雨が降り、警報級の大雨になる恐れがあるとして、気象庁が警戒を呼びかけている。

気象庁によると、日本の南側にある高気圧周辺の非常に暖かく湿った空気が流れ込み、梅雨前線が活発化する見込み。梅雨前線は朝鮮半島から本州付近まで延び、1日にかけて南下するという。気象庁の立原秀一・主任予報官は「大量の水蒸気が含まれており、湿った空気の度合いが強い。普段、雨が少ない日本海側では災害が起きてもおかしくない」としている。

30日午後6時までの24時間予想雨量はいずれも多いところで、九州北部が200ミリ▽北陸、近畿が180ミリ▽東海、九州南部が150ミリ▽関東甲信、中国が120ミリ▽東北が100ミリ。1日午後6時までの24時間予想雨量は、近畿、九州北部、九州南部が100~200ミリ▽関東甲信、東海、北陸、中国が100~150ミリ。

藤井七冠、王座挑戦まであと1勝 羽生九段破る…将棋

将棋の藤井聡太七冠(20)=竜王、名人、王位、叡王、棋王、王将、棋聖=は28日、東京都内で指された第71期王座戦挑戦者決定トーナメントの準決勝で羽生善治九段(52)を破り、挑戦者決定戦に進出した。勝てば、永瀬拓矢王座(30)への挑戦が決まり、前人未到の八大タイトル独占に挑む。

藤井七冠は今月1日に史上最年少で名人を獲得しており、八大タイトルのうち残るは王座だけとなっている。終局後、「棋聖戦と王位戦の防衛戦もあるので、(タイトル独占は)全く意識していないが、しっかり準備して臨みたい」と述べた。

タイトル通算100期を目指す羽生九段は「次のチャンスをまたつくれるように頑張っていきたい」と語った。

“八大タイトル全制覇”へ前進

スナヤツメ100年ぶり発見 長崎県レッドリスト「絶滅種」

大阪市立自然史博物館と福岡工業大(福岡市)などの研究チームは、長崎県レッドリストで「絶滅種」に選定されたヤツメウナギ科の淡水魚「スナヤツメ」が県内で約100年ぶりに見つかったと発表した。護岸工事などがされていない西海市の川で見つかり、同チームは「河川の環境が改変され、絶滅することがないよう保全が必要」としている。

見つかったのは秋田県以南の本州、四国、九州などに生息し、長崎県が国内分布の西限とされる「南方種」。県内では1914(大正3)年以降の採集記録はなかったが、福岡工業大社会環境学部の乾隆帝(いぬいりゅうてい)教授(41)らが西海市の川で2015年8月に幼体(体長約3センチ)1匹、22年11月に幼体と成体(同約9~15センチ)計6匹を採集した。

乾教授は「生息できる環境が残っていたことが重要な点。河川環境の保全と工事などの河川管理をどのように両立させるかがこれからの課題になる」と話した。

絶滅種指定のスナヤツメ南方種

【1年前の今日の出来事】 2022年6月29日